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健康経営優良法人 令和4年度傾向と5年度の調査票改定案まとめ
株式会社FiNC Technologies (以下、「FiNC」)のウェルビーイングビジネス本部マーケティング&セールス部の赤羽です。
2023年3月8日(水)に、健康経営優良法人2023が発表されました。
認定されました企業様おめでとうございます。
今回は、
1.令和4(2023)年度 健康経営度調査傾向
2.令和5(2024)年度 健康経営度調査の今後の方向性
3.令和5(2024)年度 健康経営度調査票の改定案
をまとめました。
(※経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課
健康投資ワーキンググループ 事務局説明資料 参考)
1.令和4(2023)年度 健康経営度調査傾向
令和4年度より、大規模法人部門・中小規模法人共に認定申請料がかかるようになりましたが、
人的資本経営や、従業員の健康管理の必要性・意識向上もあり、回答社数・認定数共に増えていました。
大規模法人部門
回答数:3,169件(前年比+300件)
認定数:2,676件(前年比+377件)
2021年度実績と同様の増加件数の傾向にあります。
内容としては、社内への浸透に関する取り組みや、
健康経営戦略との結びつきを意識した効果検証の促進、データ利活用の促進について、詳細に問われるようになりました。
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中小規模法人部門
申請数:14,401件(前年比+1,552件)
認定数:14,012件(前年比+1,757件)
昨年2021年度実績ほどの伸びはないものの、1,500社近くの増加傾向にあります。
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大規模法人部門 業種別分布
回答企業数が多い職種としては、
・サービス業 (451社)
・情報・通信業(394社)
・小売業 (388社)
・卸売業 (276社)
と続いてます。
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ホワイト500認定に向けた対策
今後、ホワイト500認定を目指す・継続認定には・・・
申請企業数が増加しており、今回でいうと、申請企業の上位15%のみがホワイト500に認定されるという狭き門となっています。
ホワイト500認定のハードルが一段と高まり、
調査票の回答に1つでも多く回答できるような対策や、
ウェイトの大きい「1.経営理念・方針」「4.評価改善」取組み強化が必須となってきています。
では、どれぐらいの偏差値が必要になるのか
ホワイト500認定企業の総合偏差値の平均は、62.3
TOP50位でみると、65.2となっていました。
(上位500社のうち、公開レポートに公開されている450社から算出)
これからホワイト500を目指されている企業様におかれましては、
450~500位の平均偏差値が60.6でしたので、一つ指標として今回のフィードバック結果から、ホワイト500認定に向けた差分を意識されると良いかもしれません。
(◆2,238社分の評価結果データ(Excel形式データ)から集計)
健康投資ワーキンググループ資料には、
・フィードバックシートの情報開示に対する各社意向
・業務パフォーマンスの評価・分析:測定及び開示状況
・データ利活用の促進:40歳未満の従業員の健診データ提供
・データ利活用の促進:健診情報等を電子記録として活用する取組
などの資料がまとまっているので、気になる方は、
下記ワーキンググループ資料をご参照ください。
健康・医療新産業協議会 第7回健康投資WG
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/pdf/007_02_00.pdf
2.令和5(2024)年度 健康経営度調査の今後の方向性
健康経営の可視化と質の向上
健康経営の実践により、
従業員の健康増進や企業価値向上等にどのような効果があったのか、
特に、
「プレゼンティーイズム」や「ワークエンゲイジメント」といった
業務パフォーマンスを測定する指標との関連について、
重点的に分析を実施する予定です。
背景として、
継続的な健康経営の実践によって従業員の心身の健康状態や
生産性・エンゲージメント、職場環境、企業業績・株価等にどのような効果があるか。
因果関係を明らかにするとともに、その結果を効果的に情報発信することで、健康経営に取り組む企業の裾野拡大及び質の向上を図る予定です。
突合する統計データは以下が想定されています。
・健康関連指標サーベイ
・メンタルヘルス関連指標サーベイ
・ワークエンゲージメント関連指標サーベイ
・プレゼンティーイズム関連指標サーベイ
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3.令和5(2024)年度 健康経営度調査票の改定案
今回のワーキンググループでは下記3点の提案がありました。
1. 業務パフォーマンス指標に関する開示
2. 労働安全衛生に関する開示
3. 仕事と育児・介護の両立支援
1. 業務パフォーマンス指標に関する開示
今後の方向性でも出てきていた、業務パフォーマンスを重視し、
・アブセンティーズム
・プレゼンティーズム
・ワークエンゲージメント
「測定結果」と「測定方法」の開示が評価対象となる可能性があります。
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2. 労働安全衛生に関する開示
国際的な開示基準の動向等を踏まえ、2点の改訂提案が出ています。
①健康経営の目的・体制の開示有無を問う設問において、〝労働安全衛生に関する取組み内容〟も含めることを必須とする。
②各指標の開示状況を問う設問において、労働安全衛生に関する
労働災害・死亡災害の件数(人数)や、度数率・強度率を追加する。
こちらについては、人的資本の可視化指針でも上がっていました。
「健康・安全」の観点では、
・精神的健康
・身体的健康
・安全
海外の複数の開示基準に位置づけられており、投資家からの開示要請も高い事項と考えられています。
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3. 仕事と育児・介護の両立支援
多様な従業員が心身の健康を維持しつつ
業務パフォーマンスを向上するために、
育児や介護といった個別事情に応じた働き方への支援が重要という考えより、評価対象として両立支援に関する取組を問う、かつ利用率を問う。
(利用率は次年度の評価に使用しない)
25年度は評価対象となる可能性があります。
設問イメージについても、育児・介護それぞれ3-4問程度が出されています。
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さいごに
昨今の人的資本経営や非財務情報の開示の流れもあり、健康経営をこれから積極的に進めていかれる企業様も増えてきております。
「人材版伊藤レポート2.0」の中では、
5つの共通要素に記載のある
④従業員エンゲージメントにて
健康経営・Well-beingの視点の取り込みも記載をされています。
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従業員の捉え方が、「コスト」から人的資産への「資産」に変わり、
従業員の健康に投資をしてパフォーマンスを高めてもらう。
という考え方は理解されるものの、なかなか投資対効果・成果が見えづらい部分でした。
業務パフォーマンス指標と合せて開示することにより、従業員の健康投資による成果が明確に見え、多くの企業で健康経営を進めていかれることを期待しています。
FiNCとしても、
従業員の健康管理から健康増進、業務パフォーマンスの改善までトータルご支援をさせて頂いております。
他社動向・傾向・事例を知りたい等ございましたらお気軽にご連絡ください。
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