【アイディア#21】親子で髪を伸ばしてヘアドネーション
ご家庭でお子さんと試していただきたい、ちょっとしたフィナンシェ(金融家)なアイディアをご紹介します。今回は「お金だけじゃない寄付」です。
約3年前のある日のこと、同じ保育園に通うママの髪の毛がロングからばっさり短くなっていました。「髪切ったんだね!」と言うと、彼女から返ってきた言葉は、「そうなの、ヘアドネーションしたんだ」。
※ヘアドネーションとは、癌や白血病、先天性の無毛症、不慮の事故などにより髪の毛を失った子供たちに、髪の毛を寄付して完全オーダーメイドの人毛の医療用ウィッグを無償提供する活動
◾️周りにドネーションのことを伝える効果は大きい
それを聞いた日から、私は髪の毛を伸ばし始めました。ヘアドネーションは知っていたけど、彼女の言葉がきっかけになったのは不思議でした。その時の私の髪の毛はまだ肩の少し下くらい。美容院で時々枝毛だけを切ってもらいながら、ヘアドネーションの目安である31cmの長さを目標に伸ばし続けました。
そして、伸ばし始めてから1年くらい経った頃でしょうか。長女の髪の毛が伸びて絡まるようになったので、夫が娘に「髪の毛切ったら?」と話しているのが聞こえました。そして長女は小さな声で、「ヘアドネーションしたいの。でも恥ずかしいからママには言わないで」と言っていたのです。
本人が恥ずかしいと言うなら…と聞いてないふりをしていました。でも、その頃「欲しいものは全部私のもの!」的な考えだった子が、誰かのために髪の毛を伸ばしたい、と思ってくれたことを嬉しく感じました。こちらの絵本の影響もあったのかもしれません。
また、同じ保育園だった近所のお友達が家に遊びにきた時、その友達(それも長女が憧れるお姉さん)が「私もヘアドネーションするんだ!」と自然に話していたんです。こうやって、なんで長い髪の毛なのか、バッサリ切ってしまったのか…を周囲に話すことで、周りの人達の行動にも波及するんだなと実感しました。
◾️31センチの長さに届かなかったけど
そして今年の夏、娘の日常生活で煩わしく感じるほど髪の毛が長くなってきたので、2人揃ってドネーションをすることに決めました。
(左側が小学生の長女、右側が私です)
事前に定規で何センチか測ったのですが、娘は31センチにするとベリーショートになりそうでした。なので事前に調べてみると、15センチでも受け付けてくれる団体があると分かり、寄付を決断。
2人でヘアドネーションに対応している美容院に行き、受付でドネーションしたいことを伝えると、慣れた感じで対応してもらえました。(2人同時に切ったので、切る瞬間の写真を撮れませんでした)
娘は15センチ、私は31センチをバッサリ切ります。娘は鏡で変わりゆく自分の姿をずーっと見ていました。そして、私たちが切り終わると、この写真の長さになりました。
(左側が娘、右側が私)
切った髪の毛は、美容院で綺麗に袋に入れてもらい受け取りました。意外と(?)重さがあるので、レターパックに入れて、ヘアドネーションを受け付けるNPOに郵送します。でも、なかなか送る時間がなくて、切ってから2週間後にようやく郵送。今までは美容院が直接NPOに送っていたようですが、今年から自分で送らなくてはならなくなったそうです。
※詳細の郵送方法はNPOによって異なるので、各団体のサイトでご確認ください
(この束を何束も美容院で袋に入れてもらい、
その袋をレターパックに入れて送ります)
髪の毛をバッサリ切ってから、案の定「髪切ったんだね!」と色々な人から声をかけられた私たち親子。でも2人揃って少し恥ずかしがりな性格なので、冒頭の彼女のように「そう!親子でヘアドネーションしたの」と親子共々返事ができなかったのがちょっと後悔です…。
もし髪の毛を伸ばしているお子さんがいらしたら、文中で紹介した絵本『しろさんのレモネードやさん』を読みながら「ヘアドネーションっていうのがあるんだよ」と伝えてみてはいかがでしょうか。お母さんがヘアドネーションする姿を見て、お子さんも興味を持つかもしれませんよ。一緒に髪を伸ばして、寄付を身近に感じてもらうためのアイディアでした。
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フィナンシェの会では、「お金がどこからきて、どこへ行くのか」という流れを意識した金融教育を目指しています。他にも、日常生活で子どもとお金のことを学べるさまざまなアイディアをご紹介しています。宜しければ他のアイディアもぜひご覧ください。
絵本の紹介もあります!
(文:Mari Kamei)
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