【アイディア#16】ゲームで体験する? 行動経済学
ご家庭で試していただきたい、ちょっとしたフィナンシェなアイディアをご紹介します。
今回のテーマは、「リスクを回避する? それともリターンを狙う?」です。使用するのは、3歳の子どもから大人までが一緒にお家で楽しめるこちらのゲーム。
■ ルールは簡単でも勝つのは難しい
ゲームの名前を聞くと「えっ?」という気持ちにはなるのですが、ルールが分かりやすいので、小さな子どもも楽しく参加することができます。まず、-5から10まで書かれたカードをよく混ぜ、裏返しにして中央に置きます。
そしてこのカードをみんなで奪い合ったりするのですが、貯まったカードに書かれた数字の合計点の多い人が勝ちになります。なので、10のカードは取りたいけれど、なるべく-5のカードは取りたくない、という心理が働きます。
この点数のカードをどのように自分の物にすることができるかというと、参加する人に配られる1~15まで書かれた別のカード(6人まで参加可)。
中央に置いた得点カードを1枚ずつUNOのようにめくり、例えば8点のカードが出たとします。8点を取るためには他の参加者よりも大きな数字の手持ちカードを出す必要があります。下の例だと、15のカードを出した人が8点のカードを取ることができる、というもの。マイナスのカードであれば、小さい数字のカードを出した人が取ることになります。
このゲーム、同じ数の大きさのカードを出した人が複数いたら、次に大きい数字のカードを出した人の点数になる、なんてルールもあるのですが、やってみると面白くて、小1と年中の娘2人は何度もやりたい!と言って家族で楽しんでいます。
■ プラスのカードを取りに行くか、マイナスのカードを絶対取らないか
出す数字に、それぞれの性格が表れるのも面白いのですが、特に小1の娘はマイナスのカードを引くことを極端に回避しようとする傾向がありました。でもマイナスのカードを引かないように大きな数字ばかりを先に出してしまうと、10といった高得点カードを引くための大きな数字も無くなってしまうのです。そこで夫が「-5をとっても、10のカードが取れれば5の得点になるから、マイナスを怖がらなくても良い。」という趣旨の説明。そこから娘の戦術が大きく変わってきたのです。
マイナスのカードを引きたくない。これは、行動経済学の中では、「プロスペクト理論」と言うのだそうです。損失をしたくないという気持ちが先行してしまい、合理的な判断ができなくなる、というのは日常生活でも、投資を行なう時でも往々にして起こります。このことを自分で意識するのと、しないのでは、取る行動は異なるのではないでしょうか。リスク回避をしなくてよい場面もある、ということを幼いころから楽しく体験できる。このカードゲームはそんな遊び方もありそうです。
ぜひ、ご家族揃って挑戦してみてはいかがでしょうか。
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(文:Mari Kamei)