磯野薫
金融を考える上でとても参考になった記事をまとめています。
前回の記事の追加になりますが、日本銀行がランオフ(保有債券の落ち切り)を開始した場合どのくらいのスピードになるか計測しました。 日銀が2023年3月末に保有する…
日銀のYCCの撤廃もしくは形骸化が期待されています。YCCが撤廃され日銀のランオフ(保有国債の期日落ち切り)が始まると銀行にとってどのような状況が予想されるかマトリッ…
2023年3月17日に金融マトリックス(資金循環統計)の22年第4四半期(速報値)が公表されました。 定点観測として低金利政策が継続できることの前提である家計の…
純資産(金融資産と金融負債の差)の変動はフロー差額(資金過不足)と時価変動(調整差額)によって起こります。 下表は2005年3月末の純資産と2022年6月末の純…
9月21日公表の22年第2四半期速報のマトリックスの特徴についてピックアップします。 最初にコロナ禍に対応して膨張した金融負債の動向が注目されます。 マトリッ…
直物外貨ポジションの発生要因としては、 ① 非金融元本取引(経常取引)によるもの、 ② 外貨建て資産負債の外貨建て時価の変動によるもの、 ③ 外貨売買取引によるもの …
外貨の売買は外貨の決済場所が海外に、円の決済場所が東京にあるため海外部門を動かします。しかし、外貨売買も金融元本取引であり、「原理3° 金融元本取引では資金過不…
マトリックスは今期末のストック=前期末ストック+今期フロー+今期調整の関係であることから、ある部門の資産・負債差額は 今期末の純資産=前期末の純資産+今期の資金…
マトリックスは部門ごとに負債サイドに差額の項目を設けて資産サイドと合計を一致させています。フローの差額を資金過不足と呼んでおりある部門、例えば民間非金融法人企業…
日本円の決済手段(決済手段とは支払(決済)ができること、第三者に送金できること(送金には口座振替を含む)である。)はマトリックス上の項目では、①現金、②流動性預…
金融資産と金融負債を対象にしている金融マトリックスには従っている原理があります。ここでは『誰かの金融資産は誰かの金融負債である』と『決済手段は銀行の金融負債とし…
四半期ごとに公表される金融マトリックスを追う前に概要や原理を紹介します。 金融マトリックスは、日本銀行が四半期毎と年度毎に作成、公表している統計で、日本国内の金…
2023年4月25日 01:43
前回の記事の追加になりますが、日本銀行がランオフ(保有債券の落ち切り)を開始した場合どのくらいのスピードになるか計測しました。日銀が2023年3月末に保有する国債・国庫短期証券は額面で569.7兆円でその償還額を四半期ごとに表示したものが下のグラフです。年度間償還額は23年度78.3兆円、24年度62.8兆円、25年度60.6兆円、26年度56.6兆円と続き、4年半後の2027年
2023年4月20日 17:10
日銀のYCCの撤廃もしくは形骸化が期待されています。YCCが撤廃され日銀のランオフ(保有国債の期日落ち切り)が始まると銀行にとってどのような状況が予想されるかマトリックスを使って考えてみたい。 順路は、①量的・質的緩和によって国債から日銀預け金に代替されていった過程②日銀預け金の特徴③日銀は政策金利を上げられるか④YCCが撤廃されるととしたい。 1、国債から日銀預け金へ~国債の
2023年4月16日 17:54
2023年3月17日に金融マトリックス(資金循環統計)の22年第4四半期(速報値)が公表されました。定点観測として低金利政策が継続できることの前提である家計の鉄板の現預金選好に変化があるか見ました。 1、 家計のネット金融資産拡大は続く22年も引き続き一般政府と海外部門のフロー差額(資金過不足)はマイナスが続き、家計を中心に資金余剰(フロー差額がプラス)となっています。換言すると国債
2022年10月22日 20:37
純資産(金融資産と金融負債の差)の変動はフロー差額(資金過不足)と時価変動(調整差額)によって起こります。下表は2005年3月末の純資産と2022年6月末の純資産及びその間のフロー差額の累計値と調整差額の累積値を大部門ごとに表示したものです。22年6月末純資産=05年3末純資産+この間のフロー差額累計+調整差額累計 となっています。主な特徴は、①一般政府部門と海外部門の資金不足(マイナスの
2022年10月13日 14:40
9月21日公表の22年第2四半期速報のマトリックスの特徴についてピックアップします。最初にコロナ禍に対応して膨張した金融負債の動向が注目されます。マトリックスが新基準になった2005年第2四半期からの17年4カ月のフロー全体の動向は下の表の通りです。主な特徴は、網掛けの部分で、①一般政府の債務証券(国債)の純増とその費消による資金不足及び経常黒字の累積による海外部門の資金不足(ネット
2022年10月6日 14:34
直物外貨ポジションの発生要因としては、① 非金融元本取引(経常取引)によるもの、② 外貨建て資産負債の外貨建て時価の変動によるもの、③ 外貨売買取引によるものがあります。外貨売買取引で発生した直物外貨ポジションは、必ず反対のポジションを持つ主体が存在します。非金融元本取引(経常取引)あるいは外貨建て時価の変動で発生した場合は片サイドのみ単独で発生し反対のポジションは発生しません。仮に全て
2022年10月3日 17:36
外貨の売買は外貨の決済場所が海外に、円の決済場所が東京にあるため海外部門を動かします。しかし、外貨売買も金融元本取引であり、「原理3° 金融元本取引では資金過不足は発生しない」の通り、海外部門、国内部門いずれにおいても資金過不足は発生しません。このことは、「外貨の売買を行うと対外資産と対外負債が発生する」「新たな対外資産を金融元本取引で取得すると対外負債が発生するか既存の対外資産が減少する」「新た
2022年9月27日 20:48
マトリックスは今期末のストック=前期末ストック+今期フロー+今期調整の関係であることから、ある部門の資産・負債差額は今期末の純資産=前期末の純資産+今期の資金過不足+今期の調整差額となります。純資産はストックの資産と負債の差額、資金過不足はフローの資産負債差額、調整差額は調整金額の資産負債差額です。パネルの家計部門の表の差額行をみると、1980年3月末の純資産210兆円から2021年3月末
2022年9月25日 21:52
マトリックスは部門ごとに負債サイドに差額の項目を設けて資産サイドと合計を一致させています。フローの差額を資金過不足と呼んでおりある部門、例えば民間非金融法人企業部門のある期間のフローの差額がプラス(金融資産が超過)の場合が資金過剰(貯蓄超過)、マイナス(金融負債が超過)の場合が資金不足(貯蓄不足、投資超過)となります。因みにストックの差額を金融資産・負債差額、調整の差額を調整差額と呼んでいます。
2022年9月24日 21:51
日本円の決済手段(決済手段とは支払(決済)ができること、第三者に送金できること(送金には口座振替を含む)である。)はマトリックス上の項目では、①現金、②流動性預金、③政府預金、④日銀預け金(日銀当座預金)の4項目に分類され、負債サイドでは①③④が『中央銀行』(日本銀行)、②が『銀行等』(中央銀行を除く一般銀行)の部門に計上されている。決済手段が銀行の金融負債として供給・計上されていることは、以下
2022年9月22日 22:35
金融資産と金融負債を対象にしている金融マトリックスには従っている原理があります。ここでは『誰かの金融資産は誰かの金融負債である』と『決済手段は銀行の金融負債として供給されている』という根本的な2つの原理とそこから派生する4つの原理を述べます。金融資産・負債は人が作った契約であり同じ契約の一方の当事者にとっては金融資産、もう一方の当事者からは金融負債となります。従って個々の金融資産・負債でも、そ
2022年9月19日 21:34
四半期ごとに公表される金融マトリックスを追う前に概要や原理を紹介します。金融マトリックスは、日本銀行が四半期毎と年度毎に作成、公表している統計で、日本国内の金融資産・負債の時価ベースの残高(金融資産・負債残高表(ストック))、資金決済と金融取引によって生じた期中の金融資産・負債の増減額(金融取引表(フロー))、前期ストックと当期ストックの変化額と当期フローとの乖離額で、主に時価評価による変動を