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Bounty Dog【清稜風月】

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遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達…
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2024年1月の記事一覧

Bounty Dog 【清稜風月】262

262

 睦月・スミヨシには、幼馴染が1体と2人居る。亜人の幼馴染は特殊な仲であるが、人間の幼馴染とも物心が付く前からの部族同士の付き合いで、友という枠には嵌っているようで嵌って無いようなモノであり、内の1人とは自由に会う会わないの選択が大人になっても殆ど出来ない”腐れ縁”の間柄だった。
 一方で、もう1人とは自由に会う会わないの選択がお互いに出来る。今の相手は己よりも遥かに権力を持っている人間

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Bounty Dog 【清稜風月】259

259

 現在、櫻國の山の中腹部に主要の人間達と亜人達が集まっていた。唯一肉体が其の場に居ない人間の女が、青い目に掛けている銀縁眼鏡を指で調整してから、執務机に乗せて起動させているノートパソコンの画面を凝視する。
 黒い背景が無く、山を示す黄緑の図形が全体に写っている保護対象(ターゲット)位置確認画面には、図形の至る所にアルファベットと数字が組み合わさった記号が、蛍光イエローに光りながら並んで表

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Bounty Dog 【清稜風月】257-258

257

「音楽というモノは良いよね。自然が奏でて作る魂の洗濯場も、人間が楽器を奏でて作る、涙あり感動ありの魂の大冒険場も」
 其の人間は、突然言ってきた。言葉を聞き取った存在が首を傾げると、人間は機嫌良く言葉を続けた。
「私も音楽が好きだ。此の国の出入り口で披露されていた『和楽器ロック』は、録音して持ち帰りたいくらい気に入った。だけどあのハイスピードのメロディを鳴らす最適なモノは西洋の電子楽器。

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Bounty Dog 【清稜風月】255-256

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 コノハ・スーヴェリア・E・サクラダは、信じるべきか判断に困るものを見付ける事になる。完全に意識を取り戻した睦月に日雨の捜索を一旦任せ、己は山の麓まで単独で足を運んでいた。
 上司のシルフィには麗音蜻蛉の保護を命じられていたが、麗音蜻蛉の護衛役である人間に「麓の様子を見に行って欲しい」と依頼された故に、別行動を取っていた。”起きたばかり”の状態である睦月よりも、明瞭に意識がある己の方が長

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Bounty Dog 【清稜風月】253-254

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『5分』
 シルフィ・コルクラートが首輪の奥から言ってきた。己は自信満々だと、声の音調と音程で首輪を装着している亜人に伝えてくる。
『300秒。分殺より秒殺の方が、上出来感が出るわね。理想は瞬殺で、貴方なら其れもしようと思えば出来るでしょうが。確実性を重視して無理はさせないわ。トゥトゥ、アヴォマルク』
 ワンちゃん、位置に付いて。を、北西大陸上部にある国の独自語で言ってきた人間の女に、ヒ

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