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散り散りの自分

 僕は「散り散り」だ。
 あれを考え、これを考え、色々考え、いっぱい考え、しかし、どこにも収まらない。本棚から出した本たちが片付けられずに積まれて置かれている。これが、僕の生活だ。僕自身だ。

 僕は努力をやめた。自分の力を見たくなくて、努力をして、頑張って、それでも何も出来なかったらどうしようと不安になって、だから、やめたんだ。

 きっと、最近になって始めたことも、なあなあになって終わるだろう。僕はこんな生き方しか出来ない、こんな生き方しかしない存在なんだ。それでも僕は、何に成れるかなと考えたり、これをしてみたいなと考えたりするのだけど。

数ゑ切れぬ選択肢を
道半ば放り投げた
僕は何になれるだらう
頬をはらり濡らす通り雨

真壁寂室「淺草管弦樂」

 僕は、そう、夢を捨てた。
 また拾い上げるかもしれないけれど、一度捨てたという事実は変わらない。僕は、夢を諦めたことがあるんだ。何に対しても熱が冷めやすくなったのは、それ以来か。

 僕は、僕のしたいことが分からなくなってきた。何処に行きたいのか、何に成りたいのか、分からなくなってきた。僕は人生の迷子だ。

 分かっていることだけを述べるなら、魂をヒベルニア島に置いてきたことと、災害時に唯一持っていきたいものは『ディヴァイン・ヒーリング』という本だけであるということだけだ。

 もう、散り散りだ。僕は僕にうんざりしている。僕は僕に対して悲しみしか覚えない。

 無力感、虚無感、体の中から何かがぽっと出ていって帰ってこない。そんな感じが続いている。それでいて、それでも必死で生きている。虚無感を感じさせないで、生きている。微笑み鬱はこんなものなのかなと思ったりする。

 この文章を終わらせるために、僕がまだ幸せな僕であることができるように、僕はそろそろ筆を擱くことにする。

 僕と君とに祝福あれ。

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