空白を好む人々
小説を書く私と、詩を書く私。
ふたつの私が存在する。
その上での話。
小説を書くと文字を詰める。
詩を書くと空白を作る。
私はそう努めて書いている。
私は思うに、
読者は詩の内容だけでなく
詩が持つ空白をも
好むのではなかろうかと。
空白に息を込める。
空白に余裕を持つ。
そんな気がするのだ。
詩が持つ空白には、
何かが潜んでいる。
そんな気がしてならないのだ。
私も“空白”が大好きだ。
特に部屋の何も無い場所が
大好きだ。
また前のように
詩が書けたら書こうと思う。
もう空が白んできた。
朝が来る。
おはよう世界、おはよう皆さん。
今日も空白を求めましょう。
空白を愛しましょう。