シェア
草露 文(あや)
2023年12月31日 18:59
簡素なつまみと酒を持ち寄って、たわいもない話を広げていく。笑いながら、涙しながら、事の終わりからよもすがら、事の始まる際まで一向に話し、そうして皆で同じ日を迎える。 迎えの宴と銘打って、友と集い酒を酌み交わす。誰が一番に映せるかと杯に酒を満たし、その面に満月を迎えて互いの命を祝い合う。まほらまと化した宴に、鬼の出る幕は何処にも非ず。 月露、窓の外より入り来て、一行を唯見るばかり。 時に一人