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三浦瑞樹について

お久しぶりです。オフシーズンはnoteを何本か投稿しようと思っています。題材の一つに「選手紹介」を書こうと思っていて、今回三浦瑞樹投手を獲得する報道が出たので、三浦投手について書いていこうと思います。同じウエスタンの投手とはいえ、ドラゴンズファンには詳しく知らない人が多いと思うので、データで見た三浦投手の特徴をこのnoteで知っていただけたらありがたいです。


防御率はめちゃくちゃいいけど…

三浦投手はウエスタン・リーグで防御率1.60を記録し、最優秀防御率を獲得したということを知っている人は多いと思います。今年2軍で95と2/3位にイングを投げ、一軍でも5試合登板しています。ただ、現代野球において防御率は投手の貢献度、能力を見るのには不適だとされています。守備などの投手に制御できない側面を多く含むからですね。そんな防御率以外の側面を見ると、三浦投手が最優秀防御率を獲得しながら戦力外となっている理由が存在してしまうのです。

それは三振が取れないことです。投手にとって三振は「前に飛ばすリスクを負わずアウトが取れる」「実力が反映されやすい」など、かなり重要な要素となっています。三浦投手のK%(奪三振/打席)は15.6%。今年のウエスタンの平均K%が16.0%となっているため、2軍の平均近くの奪三振能力しか有していないことがわかります。

また、投球内容を見る指標としてK-BB%というものがあります。これは名前の通り(奪三振ー四球/打席)というものです。計算が簡単な指標ですが、翌年のRA-(失点率傑出値)を予測しようとした際に、FIPxFIPtRAといった指標よりも上だとされています。

https://x.com/Baseball_Namiki/status/1484876861385543680


そんなK-BB%では三浦投手は9.2%。ウエスタンの平均K-BB%は8.4%なので、これより少し上ということになります。

では、なぜ三浦は優秀な防御率を記録できていたのでしょうか。その理由として、走者を返さなかったことがあげられます。

三浦は出塁させた走者の非帰還率であるLOB%が84.7%とかなり高かったのです。ランナーを返さないのは投手の実力と考える人も多いと思いますが、LOB%の高低は運の影響が大きいとされ、年度ごとの変動が大きくても長期的には一定の値に収束していくと考えられています。三振を取る能力が高いとこの値もある程度高い数字を保つことができるとされていますが、先ほど語った通り三浦投手は奪三振能力が高くないため、この値は来年から低くなる、走者を返すことが多くなる可能性が考えられます。

ここまで色々語ってきましたが、2軍平均レベルで戦力外になるほどではないでしょう。と思う人もいると思います。ただ、三浦投手が所属していたのはソフトバンクです。ソフトバンクには、岩井俊介投手や前田悠伍投手、松本晴投手、大山凌投手、前田純投手など、三浦投手より若く、内容が三浦投手を上回っている投手がある程度存在しています。さらに、ソフトバンク2軍のチームK-BB%平均はウエスタン1位。強固なファーム投手陣の中で、三浦投手の優先度が下がってしまったと考えられます。

「中日」三浦瑞樹はどうなるか

ではそんな三浦投手が中日ドラゴンズに入団したらどう使われていくか考察していきます。

実際、移籍したとしても、すぐ一軍でも通用するレベルのスタッツを残すことは難しいでしょう。現時点で先発としてすぐに一軍で使えると判断するのは厳しいと思います。

ただ、ドラゴンズで三浦投手より若く、K-BB%も高い投手は仲地礼亜投手、根尾昂投手、松木平優太投手のみとなります。松木平投手は来年から一軍登板が主軸、仲地投手も稼働率に不安がありますが、2軍の指標はかなり優秀、投げられるとしたら一軍でとなると思います。そのため、いざ来年ふたを開けてみると2軍で1番優秀だったのは三浦投手だった、となる可能性はあると思います。

また、中日の2軍は、ある程度イニングを投げていた上田洸太朗投手、砂田毅樹投手、田島慎二投手などの退団で、彼らが消化していたイニングを誰が投げるかという問題もありました。ただ、今年の三浦投手は1.2軍合計で100 2/3イニング登板しているため、球団としても三浦投手のイニングイート能力で埋めることを期待していると思います。

まとめ

三浦瑞樹投手はファームで最優秀防御率を獲得しましたが、投球内容を詳しく見ていくとファーム平均くらいの投手であることがわかりました。ただ、今の中日ドラゴンズには「ファームの平均レベルで長いイニングを投げられる投手」が不足しており、市場にいる投手の中だとドンピシャに近い獲得だと思います。

また、ファームで平均レベルの先発ということで、1軍でも中継ぎとして使えばある程度の成績を残す可能性もあります。中継ぎとして戦力になった場合、現有の中継ぎ戦力を先発転向させることも考えていくべきですね。(無条件で何人かすべきですが)

オフシーズンはこれ以外にも選手をセイバーメトリクスの視点で紹介するなど、セイバーメトリクスに関するnoteを何本か投稿できたらと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。

データはOne Point Zero Two|1.02より

画像は 鷹にまた現れた逸材「投げっぷり最高」 堂々デビューに称賛「頼もしい左腕増えた」 | Full-Count より

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