光る君へ 最終回 ありがとう
いきなり倫子の追求からはじまる最終回
まひろの語りからこのドラマの始まりからのシーンが思い出されます。
1000年前も人の心は変わらない。そして平安の人々も一様に年老いていく
おトイレが近くなる話、認知症、その様子は今の世にも通じるものがありました。
それが遠い昔の人たちを近く感じるシーンでした。
道長の臨終
柄本佑さんの演技は素晴らしかった。ネットニュースによれば水抜きで4キロ減量とありましたが、横たわっている姿が死にゆく人そのもの。その役者魂もすごいけれど、声もかわり、首の動きも変わり、最後には体も動かず、目線も生気を失ったように見える。
倫子の許しを得てやってきたまひろを見て幸せそうに
「先に行くぞ」と言う道長、そう言いながらも
「新しい物語があればそれを楽しみに生きられるやもしれん」と2人の時間を愛おしむ
「お前はいつも俺に厳しいな」 と言う2人の長い歴史を表す一言
そして
「生きることはもう良い」
あとは死を待つと言う決意を感じる一言でした。
そのだんだんに小さくなり、この世から遠ざかっていく距離感が本当に素晴らしかったです。
死んだことあるんじゃないの?
と思えてしまうほどでした。
素敵だったのはまひろとききょうの再会。
最近膝が、、と座りにくそうにするききょうさん。お互いの全盛期を思い出し、
私たちすごい!と笑い合う様子が、リタイア世代の今も思わせるおばさん2人。
各シーンの合間に挟み込まれる登場人物たちの老いる姿
刻々と次の時代へ向かっているのが感じられます。
最後に自分の和歌集を娘に託すまひろ、そこで
めぐりあいひて 見しやそれともわかぬまに
雲隠れにし 夜半の月かな
のあまりにも有名な歌が詠まれます。
このドラマを見ていた人はこれは道長のことだったのか?と思うはず。
真実は誰も知らないのに、これを道長だと思わせるほどにこの1年間まひろと道長の関係は視聴者の心に刷り込まれました。
本当のことだと思えた1000年前の物語
最後に旅にでたまひろの前に戦に向かう双樹丸が現れます
道長に太平の世をおさめたことを褒めるまひろでしたが、彼がいなくなった世には、戦いの時代が来る
それを思わせる
嵐が来る
というセリフで幕を閉じます
戦のない大河ドラマ。
そう、歴史は戦していた人たちでできてるんじゃない。そこには農民や商人やいろんな人の生活があったはず。そして作家も
大石静さん素晴らしい作品をありがとうございました