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私の摂食障害覚書1

今をさること40年以上前 高校1年生の時でした。
小学生の頃からぽっちゃり体型が嫌で、痩せたい願望はありましたが、成長期真っ只中!健全にお腹もすくし、世の中には美味しいものがたくさんあるし、ダイエットなんで出来ようはずもなかったのに
ある夏の日、あまりに暑くて炭酸入りのジュースを飲んだときに、それでお腹が膨れてしまって、なんとなくご飯を食べなくてもいいや、という気持ちになりました。次の日も飲んでみたら、同じ気持ちになり、
あれ?もしかしてこれでご飯を食べずにいられたら痩せられるのかも
と考え始めました。それからどのくらい食事の量を減らして行ったのかは覚えていませんが、確かに食べずにいると体重は減り、ずっと願っていた体重を達成したときには、もうほとんど食事を摂らなくなっていました。

40年以上前なんて、食品のカロリーは食品栄養成分表でしかわからなかったので、それを買って、食卓には計りと成分表と電卓とメモを置き
出されたものは全部計ってカロリーを計算し、絶対に基礎代謝に必要なカロリーを上回らないようにしました。
学校ではそれができないので、一番小さい密閉容器に刻んだ葉っぱくらいのサラダを入れて行ってそれも残す
夕食もまた計って計算して、、の日々
体重はあっという間に10kg減りました。

もちろん両親はどれだけ心配だったことだろうと思いますが、食べないのだからどうすることもできません。手を変え品を変え私の好きそうなものを買ってきても食べない。
同級生たちもパンパンに溌剌としていた私がみるみる痩せていくので心配してくれました。でも食べたくない。

それをほぼ1年続けていたら、だんだんとメンタルもおかしくなってきたのか無意識に髪をむしってしまうのでハゲもできたし、身体の方も我慢できなくなったのかバターとか砂糖だけ舐めてしまったりするようになっていました。
それでも絶対に食べない。

4月に新年度が始まって学校の健康診断が行われたとき、まあ、当然のように保健室に呼ばれました。
「昨年の記録と体重が10kgも減っているし、血圧も低いですけどどうしましたか?」

なんと答えたのか、覚えていないけれど、食べていないこと、食べたくないことは説明したと思います。
ここで言えることは「食べられない」とは思っていないのです。
「食べたくない」食べて、体重が戻って、また不満だらけの体型には戻りたくない。という気持ちが強かったのだと思います。

食べなくなってほぼ1年が経った頃には、お尻の骨もむき出してきて、椅子に座るのも痛くなるほどでした。それでも精神は強かったのか、無気力になることも、病気になることもなく学校にも楽しく通っていました。
ただ、そろそろこれはまずいのではないか?と思い始めます。

後に拒食症と呼ばれるようになったこの病
当時はほとんど情報がありませんでした。
そんなとき入ってきたニュースは
アメリカの大スター、カーペンターズのボーカル カレンカーペンターが摂食障害で亡くなったというニュースです。
世界的にもこの未知の病気がカレンを死に至らしめたことに衝撃を受けました。
カーペンターズの大ファンだった私ももちろんショックでした。
そして、初めて今自分が病気なのだと悟ります。

このニュースからメディアもこの病気について取り上げるようになっていきました。原因については不明だけれど、メンタルにあることは間違いないようで、優等生として育った人に起こりやすいという情報には、母に厳しく育てられ、いつも生徒会とか学級委員とかしていた自分と重ね合わせました。
だから身体も理想でありたいと思ったのか?
ただそれだけではここまで食べないでいることは不可能で、ストイックな性格なども相まった結果なのかもしれません。

原因はどうあれ、私の考えはその日からパタンとフリップしました。


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