ライオンの隠れ家 #9
このところ週末はドラマから目が離せません。
大河ドラマはもちろんですが、金曜日のTBSドラマ「ライオンの隠れ家」
にも心を掴まれています
市役所で働く主人公と自閉症スペクトラムの弟のルーティーンな生活に、ある日突然5歳の男の子がライオンのぬいぐるみを抱いて現れます。
謎だらけの始まりから、1話、1話解き明かされていく真実。
その子が主人公のお姉さんの子供だとわかっていく中で、描かれる虐待やDVの背景。それがどうやら政治的な闇と繋がるような展開まで物語が進んできました。
その恐怖と謎の絡み合いにドキドキさせられるシークエンス。何より私が1回目に衝撃を受けたのは、夕方ウミネコが鳴きながら飛んでいるシーンで、「ウミネコだって違う景色を見たい時あります」というセリフ。そしてシーンいっぱいに制作の名前が一気に映し出されたところ。
まるで映画のエンドロールのような美しさでした。
こんな終わり方は見たことがありません。画面の隅から隅まで人の名前で埋め尽くされた強いインパクト。なかなか1人ずつの名前は記憶できないのですが、ドラマに対するスタッフの意気込みを感じます。その後の予告編から第2話以降毎回その最終シーンに何かを投げかけられ、見続けているのです。
そして細部にわたって心の動きを表現するキャストの素晴らしさ。
筆頭の柳楽優弥さんは、「ゆとりですがなにか」のチンピラ。女城主直虎のカシラ。どんなドラマに出てもその振り幅の大きさに惹きつけられますが、市役所勤めのサラリーマンというまじめで変化を好まない人物が突然降りかかってきた境遇に、真摯に関わっていく姿があまりにリアルです。そして、自分の気づかなかった家族の絆に気づき、事件に巻き込まれたライオンを助けられなかったことで号泣するシーンはひたひたと涙をあふれさせ、だんだんに増幅する胸悔しさや悲しさが伝わってきました。
ライオン演じる佐藤大空くんの自然な可愛さ。演じているのか?もわからないのびのびと素直な表情が切なさを膨らませます。
坂東龍汰さんも難しい役だと思いますが、ルーティンしか受け入れられなかった美路人がだんだんと人の心の動きに呼応していく変化に毎回感動します。
坂の上に建つライオンの隠れ家
あたたかい夕陽のあたる家で家族が暮らせるのでしょうか?
また来週が楽しみです