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「パリの空の下で、息子とぼくの3000日」
「パリの空の下で、息子とぼくの3000日」(辻仁成 マガジンハウス)
パリ在住の作家・音楽家の著者による、シングルファーザーの子育てを綴った本。「小学生が大学生になるまでのあいだの父子の心の旅の記録」(9ページ)とあるように、著者の息子さんが14歳から18歳の5年間について、息子さんとのやり取りや音楽、料理などについて書かれている。45歳差で、異国で、子育てをするのは大変であったであろう。「ぼくは、父であり、母であった。」(9ページ)とあるように、離婚してシングルファーザーとなり、心を閉ざした息子さんを支え、励まして成長させていく過程の優しさが描かれている。
「「ひとなり、苦しいこと、悲しいこと、辛いことがあったら、ジャンジャン炒めて、ガンガン食べるんだよ。人間は腹いっぱいになれば眠くなる。寝て起きたらもう嫌なことは消えてるからね」と。それは人生の教訓となった。」(30ページ)
「息子の中にいったいどんな父親が記憶されているのかは、ぼくが生きているあいだにはちょっとわからないことだけど、大事なことは、その記憶を大切に持って貰えることだ。」(219ページ)
「この子なりの幸せを見つけてほしい。どんな形でもいいので、幸せだ、と思える人生を生きてほしい。それだけ......。」(242ページ)
自分も親として、このような優しさをもって接することができるようになりたいものである。