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「患者が知らない開業医の本音」

「患者が知らない開業医の本音」(松永正訓 新潮新書)

大学病院で小児外科医として19年働き、脳動脈瘤を発症して大学病院で働けなくなって開業医を16年やってきた著者による、開業医の打ち明け話的な本。病気のために大学病院での研究を断念せざるを得なかったのはお気の毒だと思うが、開業医として成功させて、いくつかの著書も出版していたりして、いろいろ才能がある方なのだろうと思う。お金の話、自由時間の話、医師会の話など、いろいろ書いてあって面白かった。病気になったときどの科を選ぶかなどの話は、患者の側でも迷うが、お医者さんの側でもいろいろな考えがあることもわかった。なかなか難しい。

 本書で登場していただいたぼくの人生の恩師、世界のN先生(中川原章先生・九州国際重粒子線がん治療センター理事長)が言っていた。
 「どんな道を歩んでも医師の最後はみんな同じ。どの道にせよ、最後まで自分の生き方を充実させた人が、結局は人生の勝者になる。そこには大学教授も開業医も違いはない」
 この言葉を大切にして、医師の生きる道とは何かが分かるまで、もう少しがんばってみようと思う。(221ページ)

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