「Chatter 頭の中のひとりごとをコントロールし、最良の行動を導くための26の方法」
「Chatter 頭の中のひとりごとをコントロールし、最良の行動を導くための26の方法」(イーサン・クロス 東洋経済新報社)
ミシガン大学教授で、実験心理学者・神経科学者である著者による、意識する心のコントロールに関する本。チャッター(Chatter)とは、頭の中のしゃべり声であり、「循環するネガティブな思考と感情」によって構成される。こうした思考や感情は、内省という素晴らしい能力を祝福ではなく呪いに変えてしまう(12ページ)。自分の心の中の「内なる声」が、時として運動選手のキャリアを台無しにするようなパフォーマンスの低下をもたらす例を挙げ、「内なる声は資産にも負債にもなりうる」(86ページ)として、コントロールするための具体的な方法について述べている。26の方法は、最後の章に「チャッターを制御するための26のツール」(265-277ページ)としてまとめてある。ひとつひとつは、言われてみれば当たり前のことではあるが、「内なる声」についてじっくり考えるためには良い本である。
自分だけで実践できるツール
距離を置いた自己対話を活用しよう
友人に助言していると想像しよう
視野を広げよう
経験を試練としてとらえ直そう
チャッターによる身体反応を解釈し直そう
経験を一般化しよう
心のタイムトラベルをしよう
視点を変えよう
思ったままを書いてみよう
中立的第三者の視点を取り入れよう
お守りを握りしめる、あるいは迷信を信じよう
儀式を行おう
他者に関わるツール
チャッターに関する支援を与えるためのツール感情・認知面のニーズに応えよう
目に見えない形で支援しよう
子どもにはスーパーヒーローになりきってみようと言おう
愛を込めて(敬意も忘れずに)触れよう
他の誰かのプラセボになろう
チャッターに関する支援を受けるためのツール顧問団をつくろう
体の触れ合いを自分から求めよう
愛する人の写真を眺めよう
儀式を誰かと一緒に行おう
ソーシャルメディアの受動的使用を最小限にしよう
ソーシャルメディアを利用して支援を得よう
環境に関わるツール環境に秩序をつくり出そう
緑地をもっと活用しよう
畏怖を誘う経験を求めよう