「老いの品格」
「老いの品格」(和田秀樹 PHP新書)
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85230-0
東大医学部を出て、長年高齢者医療の現場に携わっている著者による、いい歳の取り方についての本。魅力的な理想の老人を、「品のある老人」「賢い老人」「おもしろい老人」という三つのカテゴリーに分けて解説し、それらを備えていることが「老いの品格」であるとしている。多くの高齢者を診てきた方の言葉であり、重みがあった。
「お金や地位があるだけでは幸せな老人にはなれない」(15ページ)
「何を得たいかより、どう生きたいか」(19ページ)
「老いと闘えるあいだは戦い抜く」(24ページ)
「できないことはあきらめて、できることを活かす」(30ページ)
「日本人のよくない点の一つは、予期不安が強いわりに、実際にそうなった場合の対策を立てていない人が多いこと」(80ページ)
「常識的でないことこそが高齢者のおもしろさ」(86ページ)
「周囲に安心感を与えられる存在になる」(118ページ)
「お金のことをあまり重視せずに仕事を選ぶことができるのは、リタイア世代の特権」(125ページ)
「人間、死んでからだよ」(132ページ)
「人に対していいこと、親切なことをしてきている人ほど、最期までみんなに慕われたり、別れを悲しんでもらえたりする」(139ページ)
「変節は立派だが付和雷同はみっともない」(152ページ)
「最後に笑えればいい、生き残ることが大事だ」(175ページ)
「人生のピークは後ろのほうがいい」(183ページ)
「どうしたら人に頼らなくてすむかを考えることではなく、人に頼るかわりに自分は何ができるかを考えること」(198ページ)
「すてきな高齢者になるためにいちばん必要なのは、そうなろうという意識をもつこと」(208ページ)
この著者のお名前はよく見かけるなと思ってはいたが、800冊くらいの著書を出したとか、映画を撮ったとか、毎年コンスタントに20~50冊の本を出しているとか書いてあり、凄いというか、とんでもない方だと思った。ただ、ちょっと言葉使いにとげがある部分もあった。