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愛する息子たちへ【ゆめのおもひ】企画参加エッセイ

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【きみがいた夏】ゆめの作

真夏のギラギラした太陽が、プールの水面に反射して、キラキラと揺らめいている.........



母ちゃんは、おそらく前世のどこかで、海で溺れ死んでいて。

あなた達は、私のその記憶を受け継いでしまったのか、二人とも水が苦手で。小さな簡易プールで、顔に水しぶきが掛かっただけで、必死に拭っていたね。

このままでは、毎年夏の体育で、ずっと大変な思いをさせてしまうと思い、短期の水泳教室に行かせた。

スクールの先生はさすがプロで、二人とも、あっという間にプールが大好きになった。



それからというもの、夏休みはいつも近所のちびっ子プールに連れて行ったし、毎年欠かさず、家族でジャンボプールにも行った。

夏休みの旅行は、いつも立派なプールがある宿をチョイスした。やんちゃなあなた達は、観光にあまり興味がなくて、ほとんどをプールで過ごしたね。

母ちゃんは波の出るプールも怖かったし、日焼けもしたくなかったけれど、ただ、あなた達の喜ぶ顔が見られれば、それで良かった。


あれからもう10年。
ゆうくんは旅立ち、お兄ちゃんは巣立って行った。

この10年の間に、いろんなことが変わったね。
私たち家族のお気に入りだったホテルは閉館になっちゃったし、毎年行っていたジャンボプールも、今年で閉鎖になってしまった。


諸行無常
変わらないものなんて何もない。


10年前と同じものなんて、何一つなくて。それどころか、全てが変わってしまった。

そして、気づけば母ちゃんも、こんな歳になっていた。

今、母ちゃんは、相も変わらず水が苦手だけど。あの時と同じ水着で、たまに温水プールに行って歩いているよ。

歩くだけだから、顔をつけなくてもいいんだ。でもたまに、水しぶきが顔にかかると、慌てて手で拭ってる(笑)

もうギラギラ太陽の下、プールに行くことはないかもしれないけれど。

嫌いだったプールの思い出も、あなた達が変えてくれたよ。いつもキラキラした笑顔で、はしゃぎ回ってたあなた達。


それは、あのキラキラした水面と相まって、いまは、澄んだ青になっている。



本日は、
企画【ゆめのおもひ】
参加エッセイです☺️


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