Fieldism 必聴新曲リスト April 2023 (Part.1)
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いつもお世話になっております、Ryotaです。
今月は毎週末ライブに行っていたり年内のイベントの調整に時間を取られている状況で筆を執る時間がなく、たまっているライブレポも仕上げられておらず…。なかなか時間が取れなくて申し訳ないんですが、ゴールデンウィークに一気に下書きしていたものを仕上げて連投する形で公開しようかと思っています。いずれにせよちょっと忙しさにかまけていてこのままではいけませんね。
さて、昨日に''N.L.N.S''の追加アクトを発表しましたが、もうチェックいただけましたでしょうか?今勢いに乗っている横浜発メロディックハードコアJasonAndrewと新体制での活動再開を目前に控えたWinter Wakesの2組、お互いに気の置けない盟友同志ということもあって、先行で発表したバンド達との相乗効果/化学反応が起きることは間違いないでしょう。開催が近づいてきたらまた特集上げようと思うんですが、ここで話すと1万字を超えるレベルでいろいろな思いを込めていますので、気長にお待ちいただけると幸いです。
前置きはこれくらいにして、今回も行きましょう。
リストアップの条件ですが、下記2点です。
1. 4/1~4/14にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。
①kokeshi - 冷刻
アルバム (4/7)
※Bandcampから数曲試聴できます。↓
東京・西荻窪を拠点に活動している東京のブラッケンド/ダークハードコアバンドの最新フルアルバム。OathbreakerやSvalbardを彷彿とさせる部分があるポストブラック/ハードコア影響下の奥行きのあるサウンド、グロウル・高音スクリーム・ポエトリーリーディングなど圧倒的な存在感を示すVo. 亡無と、独特の言葉選びを用いて醜さや陰鬱さを表現した日本語詞が特徴です。ポストブラックという部分は明日の叙景とも共通していますが、こちらはより呪詛のようなドロドロとした暗さを内包しています。
前作 ''憧憬'' 以来3年ぶりとなる2ndアルバム ''冷刻''は、日本のホラー要素というべき”冷・和・呪”が揃った一作。急加速/減速を繰り返しながら進んでいく鋭い音像、冷ややかなクリーントーン、ゆっくりと精神を蝕んでいくような静寂は聴いていて身震いします。MVにもなっているリードトラック ''胎海'' を聴けば納得するかと思います。どう考えても子供に聴かせるべきではないTr.5 ''わらべうた'' や、Deftonesを連想させるDeepaのダウナーなクリーンや琴っぽいギターワークを取り入れた Tr.8 ''Into My Darkness -蝕-''も震えます。ジャンルは異なりますが、なんとなく不祀と似通った部分は多いかなと。
現在この作品を引っ提げて全国ツアーを実施しているkokeshi、ゴールデンウィークには大阪と東京でもライブの予定があるそうですのでぜひ行ってみたいです。
②ALIOTH & ABLAZE IN VEINS - Our Sanctuary at Daybreak
スプリットEP (4/3)
東京を拠点に活動している若きメタルコアヒーロー2組がスプリットEPをリリース。ABLAZE IN VEINS (ex. Ablaze) は、Sleepless With IsabelleやTHE LAST ILLYASなどにも共通する2000年代の古き良きメタルコアをモダンにアップデートした温故知新なサウンドを展開するバンド、方やALIOTHはThe Ghost Inside, Crystal Lakeから彼らの身近な先輩REVIVAL OF THE ERAやSAINTZなど国内海外のサウンドを吸収したタフガイなモダンメタルコアサウンドで、お互い幾度となく共演してきました。ちょうど一年前にAblaze時代のレコ発に行った時もそうでしたしね。
ALIOTHは新曲Tr.1 ''Lunar Dreams'' と AIVの楽曲Tr.2 ''Withstand'' カバーの2曲を収録。''Lunar Dreams'' は重厚なヘヴィサウンドと圧倒的な音圧はもちろん、CLの某小惑星を彷彿とさせる壮大で奥深いサウンドスケープでさらなる成長を見せています。個人的にはサビパートとアウトロの女性コーラスは一番の聴きどころです。
ABLAZE IN VEINSは新曲Tr.3 ''Revolt''とALIOTHの楽曲Tr.4 ''Skylights''カバーを収録。''Revolt'' はイントロから熱いシンガロングに始まり、メロディックハードコアのアプローチも所々見られる今までなかったスタイルの曲ですが、安心と信頼のGt. Yukiのリードギターは健在。''Skylights''カバーもオリジナルのそれより10年くらい逆行したサウンドで前髪が伸びます。
③Earth Caller - Renormalization
EP (4/5)
オーストラリア・メルボルンを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新EP。メタルコアを基軸に叙情やニューメタルなどリリースを重ねるごとにその作風を変えてきた彼らですが、「デスコア・クイーン」MisstiqをKeyに加えた前作のEP ''There Are Things Worth Than Death'' 以降は初期Make Them Suffer・Betraying The Martyrあたりのシンフォニック・デスコア影響下のサウンドに変貌。今作もこれまでに先行シングルからそのサウンドをさらに進化させたものになるだろうと予想していました。
Gt. Carlo Darbisi (ex-Drown This City)を加え6人体制となった彼らの最新作 ''Renormalization'' は、Misstiqの奏でるシンフォニックなアレンジにインダストリアルな要素もブレンドしたダイナミックな作風。最大の特徴はこれまで以上にサビのメロディにこだわっている部分、それはTr.1 ''Renormalize'' や Tr.3 ''Alone'' からも伺えます。Vo. Josh Collardのタフなグロウルと漢らしいクリーンは初期から変わらないものの、作風にしっかりマッチしているのはそれだけインストの完成度が高いことが伺えます。また、最も激しいTr.2 ''Parasite'' は近年似通った世界観を持つVoid Of VisionのVo. Jack Berginがfeat.。その容赦ないサウンドに華を添えます。
④ALSEID - WINDLASS
アルバム (4/5)
サブスクもありますが、一部未収録曲があるのでBandcampか下記BaseからのDL・CDでの購入がおススメです(CD盤は5月リリース予定)。
東京・秋葉原を拠点に活動しているメロディックハードコアバンドのデビューアルバム。結成以来エッジメタル・00'sメタルコア・叙情ハードコアなどをはじめ多様なアプローチを取ったハイクオリティなサウンドや、IRIS, STAND BACK, HORSEHEAD NEBULAなど各メンバーの豊富なキャリアからなる精力的でタイトなライブ活動も後押しし、多くのリスナーを釘づけにしてきました。今回、結成してようやく1年あたりというタイミングで待望のデビューアルバムがリリースされました。
デビューアルバム ''WINDLASS'' は、Mix / Masterに携わったTAKUMA (Self Conviction Studio)曰く「鋭くも陽だまりのような温かさを持つ彼らのサウンド」を体現した、マッシブでメタリックなリフワークと繊細なメロディが交差する1枚。彼らが敬愛するnaiadやGusanosなど京都系から影響を受けた部分、特にTr.3 ''PURIFICATION'' や先行公開されたTr.4 ''INVISIBLE TO THE EYE'' はその要素が強いです(ただ、筆者は最もカオティックでアグレッシブなTr.3 ''TRANSCEND BEYOND'' が一番お気に入りです)。IRIS時代からそうですが、明瞭な発音と熱量溢れるボーカルが魅力的なVo. KOHEIは、トップクラスに好きな国内ハードコアのフロントマンです。
また、上記で言及した媒体では過去作 ''Preservation'' と ''Define Oneself'' のリマスターが収録されており、それぞれEmbrace The WingsのVo. プロテイン太郎 / ReVERSE BOYZのVo. Young Dioがfeat.していますのでそちらもチェックを。
⑤Dying Wish - Torn From Your Silhouette
シングル (4/5)
アメリカ・オレゴン州ローズシティを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。女性Vo. Emma Bosterのハイピッチかつパワフルなシャウトとメロウなクリーンボーカルと、ニュースクールやエッジメタルの要素を取り入れた90~00年代のメタルコアリバイバルを感じさせるサウンドでモダンなサウンドのバンドが多いSharptone Recordsの中でも異彩を放っています。個人的にはBoundariesと並んで、今一番BLOODAXE TOURSで日本に呼んでほしいバンドです。
傑作だった2021年リリースのアルバム ''Fragments of A Bitter Memory'' 以来となる新曲 ''Torn From Your Silhouette'' は、アグレッシブでメロディアスな単音リフ、儚いクリーン・苛烈なシャウトを目まぐるしく切り替えるEmmaのボーカル、三拍子膝付き系サビ、邪悪なビートダウンとこのバンドの魅力を2分半で表現した全部盛り系キラーチューン。体から引き抜いた心臓を描いたアートワークは楽曲のテーマである「最も恐れていた拒絶や痛みという結果を受け入れること」を表現したものと推察されます。
今月からKublai Khan TXやPaleface SwissとともにCounterpartsのEU/UKヘッドラインツアーのサポートアクトを務める彼ら、アジアに来る日もそう遠くないことを期待しています。
⑥RISE OF THE NORTHSTAR - Showdown〜力の試練
アルバム (4/7)
フランス・パリを拠点に活動するクロスオーバー/ハードコアバンドの最新アルバム。「北斗の拳」から借りたバンド名、「スラムダンク」「ルーキーズ」などから影響を受け学ランを身に包んだ出でたち、そしてその他日本のアニメや漫画の引用を用いたリリックなど、どっからどう見ても日本びいきなバンドですが、メタリックハードコアを基軸にメタル・ヒップホップなどをセンス良くミックスしたサウンドは日本でも人気があり、過去に3度も来日公演も行っています(2020年には4度目も予定されていたが、例の流行病で中止)。
前作 ''The Legacy of Shi~SHIの伝承''以来5年ぶりのアルバムとなる本作''Showdown〜力の試練'' はバンドのハードコアのルーツに立ち返りつつもグルーヴ感の増したサウンドにも磨きがかかり、「圧倒的にバンド史上最高の作品」と豪語。年始に極秘に来日 & リアル暴走族と共演するMVで話題になったTr.2の表題曲に始まり、その後もギターのハーモニクスがニューメタルの影響を感じさせるTr.4 ''Crank It Up''、デスコアばりのブラストビートの入り & 悪魔のようなうなり声とVo. Vithiaのラッピンなボーカルが飛び交うTr.6 ''Shogun No Shi'' となど多様なジャンルを織り交ぜた縦ノリ/シンガロング必至系でライブでも盛り上がること間違いなし。
曲中で度々出てくる低音の唸り声は「伝承の中でバンドに憑依して戦う悪魔の精神を表す」らしいです。
⑦Holding Absence - A Crooked Melody
シングル (4/6)
ウェールズを拠点に活動しているポストハードコアバンドの最新シングル。2021年には2ndアルバム ''The Greatest Mistake of My Life''をリリースし、それまでモノクロで陰鬱で哀愁漂う世界観から一気に鮮やかで温かみのある色調に印象が変わり、壮大なスケール感と温もりあふれるメロディはまさにその年を代表するポストハードコアの作品の一つでした。昨年はオーストラリアのAlpha Wolfとのスプリット ''The Lost & The Longing'' をリリースしたりツアーで世界中を駆け回ったりと多忙な日々を送っています。
2023年最初のシングルとなる今作 ''A Crooked Melody'' は、Vo. Lucas Woodland曰く ''わかりやすく言えば拒絶の歌''。今作も甘く魅惑的ですっと入りやすいメロディを伴ったアンビエントなポストハードコアという軸はぶれていませんが、MVや最新のアー写を見ればわかる通り、青と白を基調とした色調はどこか一種の諦念や冷めを感じられて多彩かつ複雑な感情を思い起こさせます。リリックも ''眠れるように自分に言い聞かせる嘘だけど、心の底では真実を知っているんだ'' というジレンマをテーマにしており、皆にも共感できる節はあるかもしれません。
Realising Media (CyclamenのHayato Imanishi)が来日を実現させるべく調整されていたようですが、残念ながら折り合いがつかず…。気長に日本に来るのも待ちます。
⑧Fit For An Autopsy, Thy Art Is Martyr, Malevolence - The Aggression Sessions
スプリットEP (4/7)
Thy Art Is Martyr, Fit For An Autopsy, Malevolenceの3組がスリーマンセルを汲んでスプリットEPをリリース。2016年にTAIM, FFAA, そしてThe Acacia Strainの3組は ''The Depression Sessions'' という、それぞれ新曲とカバー1曲を織り交ぜたスプリットEPをリリースしておりますが、今回はその続編という立ち位置になります。
デスコアにとどまらないヘヴィネスとグルーヴが活きる綿密な構成力が武器のFit For An Autopsyは、近年のドゥーミーでオルタナティブなクリーンボーカルが活きる楽曲ではなく、超重量級のリフとアグレッシブなドラムワークで先制攻撃をかける ''Hellions'' と、往年のメロデスAt The Gatesの ''Under A Surpent Sun'' カバーの2曲を収録。
Thy Art Is Martyrは闇より深い暗黒で塗りつぶすかのような初期のブルータルデスコア路線を感じさせる ''Until There Is No Longer'' と、デスメタルバンドCannibal Corpseの代表曲 ''Hammer Smashed Face'' カバーを収録。カバーのほうはオリジナルの生々しさは損なわれているものの、モダンなプロダクションと低いチューニングによりそのヘヴィさが強調されています。
MalevolenceはPanteraにモッシュパートを加えたような、まさにこのバンドを体現するにふさわしいグルーヴメタルとハードコアのクロスオーバー的楽曲 ''Waste Of Myself''と、まさかのポップスがオリジナルのAnastaciaの ''Left Outside Alone'' をMalevolence流に大胆にカバー。Gt/Vo. Konan Hallのこぶしの利いた歌い方と粘着質なギターワークで魔改造されています。
⑨Color of Thread - Lost in Misery
シングル (4/9)
神戸を拠点に活動しているツインボーカルポストハードコア/メタルコアバンドの最新シングル。Vo. Itsukiは始動前からのつながりで過去には自分の企画 ''Stay Nerd / Stay Emotional'' にオープニングアクトで出演、その後も順調にライブ活動を重ね昨年には初のEP ''RECURRENCE'' をリリースしたり、C-GATE, Graupel, DEXCORE, PROMPTSなど格上のバンドとも共演。メタルコアを基軸にデスコア, R&B, ヒップホップ, EDMなど多種多様なジャンルを組み合わせたモダンなサウンドで現在の関西のメタルコアシーンで頭角を現しています。
前述の企画から約2年半ほどサポートを務めていたGt. MVCKYが満を持して加入し(「発表できるタイミングがなかった」わけではないらしい)、年明けの姫路のライブでこっそりお披露目されていた新体制初の作品 ''Lost in Misery'' ですが、各楽器隊のアグレッシブかつタイトなサウンドはもちろん、これまで以上にバンドとしてのまとまりを意識したのもあって展開の押し引きがスムーズに感じられましたね。Ryutoの伸びやかでソウルフルなクリーンとItsukiのタフなシャウトの組み合わせも勢いを殺さずに楽曲に溶け込んでいます。
(そのうちライブレポを上げますが)先日の火影のライブでもこの曲を披露して大盛り上がりに終わったColor of Thread、今年は県外にも進出していくことを期待しています。
⑩Jesus Piece - …So Unknown
アルバム (4/14)
アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィアを拠点に活動しているメタリックハードコアバンドの最新アルバム。2018年にデビューアルバム ''Only Self'' をリリースし、同年に''Errorzone''を出したVein.fmと共にその年を代表するハードコアバンドとして評価を受けただけでなく、2018年にはHate5sixを連れて初来日。グラインドコアやデスメタルの要素を取り入れた陰鬱で生々しい楽曲と、徹底的にフィジカルへ訴えかけてくる力強いステージングがその暴力性を増幅させるVo. Aaron Heardの存在感で大盛り上がり。その勢いで翌年のBLOODAXE FESTIVALにも出演しました。
前作から5年ぶりのリリースとなった2ndアルバム ''…So Unknown'' は、ドイツの名門メタルレーベルCentury Mediaからリリースされたことからもバンドとしての規模が大きくなったことがわかりますが、楽曲は落ち着きを見せるどころか「とにかくハードでブルータル」かつ一音一音の強度が増した印象。オープニングトラック ''In Constraints'' から日和った部分は一ミリも感じられません。個人的にはTr.5 ''Silver Lining''で出てくるバックの不穏なギターサウンドが、Aaronがベーシストとして活動しているシューゲイザーバンドNothingを彷彿とさせていて面白いです。
BLOODAXE FESTIVALではAaronがオーディエンスに飛び蹴りする姿が話題になったJesus Pieceですが、その威圧感のあるステージングがまた日本で観ることができる日が来るのもそう遠くない気がします。
⑪The Cards I Play - FATE
シングル (4/13)
東京を中心に活動しているモダンロックバンドの最新シングル。Vo. Joji & Gt. Danielを中心に元々メタルコアバンドとして始動したものの、制作活動の過程でアンセミックなメロディを重点に置いたモダンロック路線に転向。昨年リリースされた1stフルアルバム ''Retrograde'' は、メロディから曲を構成していく作曲方法を取ったことでJojiのクリーンボーカルが活きる作風になっており、節々に取り入れられているデジタルサウンドもモダンかつ壮大なサウンドスケープを演出していて完成度の高さを感じました。
アルバムをリリースして以来、メンバーチェンジを経て約1年ぶりの新曲リリースとなる ''FATE'' は、チューニングが合わさったように始まるイントロからモダンロック/オルタナティブ・ロックを基軸にアンセミックなコーラス、そしてDanielのラップパートからもわかる通りヒップホップやニューウェイブなど多種多様なジャンルを吸収した、バンドとしてやりたいことを貫いたボーダーレスなサウンドを展開。サウンドエンジニアリングにはDarko USやKingdom of Giantsの作品にも携わったAshtone AudioのMatt Thomasが担当。ソリッドなサウンドに定評があります。
来週末には今作を引っ提げてバンドのみならずラッパーやDJなどジャンルレスな自主企画 ''B4'' を開催する彼らですが、年内には…まあ気長に楽しみに待っておきましょう。
HONORABLE MENSIONS
Woe, Is Me - Ghost
シングル (4/14)
かつて一世を風靡したアメリカ・ジョージア州アトランタのポストハードコアバンドが10年ぶりに復活。あのCameron Mizellの硬質すぎるチャグが聴ける時代錯誤的な作風で来るかと思いきや、モダンにアップデートされた歌ものポストハードコアに仕上がっている印象。しかし後半のブレイクダウンは過去の遺産を彷彿とさせる凄みがあります。2代目クリーンボーカルHance Alligoodのソウルフルなクリーンボーカルは全く変わってなくて安心しました。
Calls Name Again - glitter
シングル (4/3)
北海道・室蘭市を拠点に活動しているラウドロックバンドの最新シングル。先日も渋谷Club AsiaのMARUDASHI CARNIVALで爪痕を残したことも記憶に新しいです。Vo. Renの色気を感じるソウルフルなクリーンボーカルはIssuesやDance Gavin Danceにも通ずるものがあるかと。重低音のコントラストやアートワーク通り宇宙を感じさせるスケールの大きいシンセワークにも意識して聴いてほしい部分ではあります。
Alcal Call - テスカトリポカ
シングル (4/5)
東京を拠点に活動しているオルタナティブロックバンドの最新シングル。Vo. Syukoのハイトーンなボーカルと激情なシャウト、叙情ハードコア/ポストロックをベースとしたサウンドが特徴的なバンドです。今作はチューニングを下げたヘヴィなリフワークとクリーントーンのコントラストとSyukoの二面性のあるボーカルスタイルが、「神に祈ることしかできない人間の心の不安定さ」を演出しています。個人的にはaint (福岡・久留米のバンド、解散済)を思い出させます。
DAWNVISION - Instinction
シングル (4/8)
韓国発メタルコアIn Your FaceのVo. Minato (Crystal Lakeの新ボーカルオーディションにも参加してましたね), ex-AbstractsのMiki, MergingMoon & ex-Sable HillsのYutoの3人による新しいメタリックハードコアバンドのデビュートラック。各々のバンドでやってきたジャンルとはまた異なるスタイルを提示したシンプルな構成の楽曲は、部屋でモッシュするには十二分に暴力的です。今後ライブ活動やさらなる音源リリースにも大いに期待しています。
4 Roses - New Day
シングル (4/8)
東京を拠点に活動しているエモ/スクリーモ/ポップパンクバンドのデビューシングル。まだ今年の1月に始動したばかりで、Gt. Taketoは昨年にPaleduskのステージでギターを弾いたことでも話題になりました。楽曲は2分弱のショートトラックでエネルギッシュなVo. Xavierのボーカルと軽快な疾走感あふれる感じで、サウンドエンジニアリングにGood GriefのVo. Yasu a.k.a. Hyperboiが携わっていることからも今後の活動に注目が集まりそうです。
Launcher No.8 - Mediocre
シングル (4/7)
大阪・住吉を拠点に活動するイージーコアバンドの1stシングル。昨年末に始動したばかりのバンドで、始動と同時に1st EP''START THE GAME''をリリース & ライブ活動も始めてまだ4か月という新鋭ですが、既に解散したTHANX GOD MY FRIDAY以来の大阪イージーコアというので個人的に注目しています。前作よりブラッシュアップされたサウンドと女性Vo. ルカのどこか気だるげなボーカルが日常感/等身大を感じます。アートワークは関大前TH HALLというライブハウス近辺の景色らしいです。
MY HAPPY ENDING - miss you
シングル (4/12)
長野県長野市を拠点に活動するエモ/ロックバンドの最新シングル。Story of Hopeをはじめ、後発のWAILING ARIESやLenoriaなどにも共通する女性Vo.をフィーチャーしたエモ/スクリーモにアニソンのエッセンスをブレンドしたサウンドで秘かにチェックしています。今作は初ライブから必ずセットリスト入りしているバラードチューン。Vo. AiRiの力強いクリーンに乗せた儚いメロディで聴くときはハンカチを用意しましょう。個人的には''Stay Nerd / Stay Emotional''で大阪来てほしいなって思ってます(予定は未定)。
The Burden - Terminal
アルバム (4/14)
カナダ・ブリティッシュコロンビア州を拠点に活動しているスクリーモ/ポストハードコアバンドの最新アルバム。Static DressやSeeYouSpaceCowboyなどの活躍で盛り上がりを見せているスクリーモ/エモリバイバル渦中の中で、このバンドは初期のSleeping With SirensやBefore Their Eyesを彷彿とさせる2000年代終盤~2010年代の影響を感じます。キャッチーなメロディラインと過度にメタリック過ぎないリフワークで前髪が伸びます。
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