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150分の映画をわずか1分でダビング!レンタルビデオ産業を活性化させた 〜 高速ビデオテープダビング装置『スプリンター』

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (57)

『U-matic』や『ベータマックス』といった家庭用 VTRの商品の誕生により、誰もが簡単にテレビ映像を録画できるようになり、いつでも好きな時にテレビ番組を視ることができるようになりますが、ソニーの技術者・木原信敏は

ビデオを単なるタイムシフトマシンに留めたくない

と考え、映画などの娯楽映像を見られるのもホームビデオの楽しみであると考えるようになります。

家庭用VTRが普及すれば、それだけパッケージ映像の市場は拡大すると考えたのです。

すでに木原は、高性能なマスターVTRとそのソフトを複製するダビングシステムを盛り込んだ『ソニーカラービデオカセット総合システム』を1971 (昭和46) 年3月に発表していましたが、大量に設置したこの等速のダビングシステムでは拡大する市場の要求には答えられないと、ビデオテープのさらなる高速ダビングの方法を模索します。

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1976 (昭和51)年、磁界転写と熱転写方式を検討した結果、録画されたテープと生テープを密着させ熱を加えると、録画された映像が転写するという性質を最終的に採用し、150分の映画をわずか1分でダビングする150倍速から始まり始まり、さらに超高速の175倍速、250倍速と進化させたのです。

市販ビデオ業界が活性化し、家庭で気軽に映画作品を楽しめるレンタルビデオ産業にも、大きな貢献を果たしたシステムが、ここに誕生したのでした。

文:黒川 (FieldArchive)

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