福岡インディペンデント映画祭2024【コンペ作品紹介 その⑧】(9月8日(日)-P2)
ご挨拶
このnoteをご覧いただいてありがとうございます!
福岡インディペンデント映画祭(FIDFF)実行委員の太田です。
FIDFF2024で上映されるノミネート作品の解説や見所ポイントをお伝えしています。
今回は、コンペティション部門上映3日目、9月8日(日)の第2プログラム(13:00~15:05)
『つくもさん』
『米寿の伝言』
『寄り鯨の声を聴く』
の3作品をご紹介します。
『つくもさん』
日本 2022年制作 13.45min
コメディ
映画祭スタッフ推しコメント:
不倫している男と不倫されている男。
2人を前に最も困難な状況に追い込まれたのは無関係の主人公ツクモさん。
終始緊張感ある展開、俳優陣の落語的な間と絶妙な掛け合いは必見。
道徳とユーモアが交錯する密室コメディ劇。
作品あらすじ:
日曜日の朝、幸せそうに過ごすアンナと浮気相手のリュウジ。
そこへ突然、古本買取業者のツクモが落語の本の出張査定に訪れる。
夫のトシロウが依頼したのを忘れていたアンナは、仕方なくツクモを招き入れ、リュウジを置いて飲み物を買いに行く。
落語マニアのツクモが本棚に並ぶ貴重な資料に歓喜していると、トシロウが予定より早く帰宅する。
その時、リュウジはまるで落語のようにツクモを名乗り業者になりすまそうとするが・・・。
気まずいって、こういうことだよね、、、というシチュエーションで見せるコメディ。
主演のつくもさんを演じた渡部 直也さんは『宮田バスターズ(株)』やFIDFF2022グランプリ『ストレージマン』で、FIDFFでもおなじみ。映画にCMに大活躍中です。
鹿野 洋平監督は、東映株式会社に芸術職研修契約者の助監督として入社。
白石和彌監督『孤狼の血』はじめ、東京撮影所・京都撮影所で数多くの映画やTVドラマに演出部として参加し、現在はフリーランスの映像作家・助監督として活動中。本作出演の渡部さん、阪本 竜太さん、吉見 茉莉奈さんと数々の短編を作っており、チームワークの良い感じが伝わってきます。
国内の映画祭のみならず、今年5月ドイツ・フランクフルトの映画祭「第24回ニッポン・コネクション」でも爆笑をかっさらい、すでに第2弾『息子さんのつくもさん』も製作されている話題作をぜひ!
『米寿の伝言』
日本 2023年制作 61.22min
コメディ
映画祭スタッフ推しコメント:
実在の家族が、実在の祖父の役者になる夢を叶える為に作った本作は、ありがちな内輪ノリに偏らない傑作。 「遺体」と入れ替わる本作での祖父の演技は要注目。コメディだが去る者から残る者への伝言が深く心に刺さる。
作品あらすじ:
変わり者の発明家である米蔵は、 米寿を目前に亡くなってしまった。
その孫兄弟であるキョウヘイとキッペイは、 変わり者の祖父を懐かしみながら、 彼の宝物ともいえる『発明品』を整理していると… 棺桶の中の祖父と弟キッペイの中身が入れ替わった!! 蘇った祖父に喜ぶのも束の間! 『発明品』が壊れてしまい、元に戻せなくなった!?このままじゃ…弟が火葬されちゃう!?
遺体と孫の異色系入れ替わりを通してつなぐ 家族の絆を、『本物の家族』が描いた 驚異のハートフルコメディ映画がここに誕生!!
今映画祭のFMF特集でご紹介しているように、作家個人の撮影・編集によって制作された非商業的な映画、個人映画というジャンルがあり、それとは違う家庭内の記録としてのホームムービーというジャンルもあるのですが、本作は、出演の西本 匡克さん、西本 健太朗さん、西本 銀二郎さんを始めとする、西本家の皆さんが総力を挙げて作り上げたホームムービーでありながら、誰が見ても楽しめる究極のインディペンデント・ホームムービー・エンターテイメントというべき映画になっています。
ガクカワサキ監督は、脚本家・浦沢義雄に師事し学生時代から脚本を学び、 自主舞台・映画の制作を経て2015年にプロデビュー。 コメディ演劇団体「無情報」で脚本を務め、50本以上の舞台作品を執筆。 2020年に三谷幸喜氏と脚本共作したドラマ 『誰かが、 見ている』が AmazonPrimeにて公開されるなど、注目のクリエイターです。
中川パラダイスさん、浜野 謙太さんも意外なところで登場し、嬉しい驚き!
5月にアクロス福岡で特別上映会を行い、大盛況だった『米寿の伝言』が、再び福岡にやってきます!お楽しみに!
『寄り鯨の声を聴く』
日本 2023年制作 17.00min
ドラマ
映画祭スタッフ推しコメント:
寄り鯨がいたと聞いて惹き込まれるかのように海へ向かう人々。少女は風に対峙し沖を眺め凛とする。 綿密に準備された映像世界と少女の青春がしなやかにシンクロする。 シネスコの海ばらに身をゆだね漂いたくなる。音楽も優しい。
作品あらすじ:
高校2年生のユーキは、気づけば学校に行けなくなってしまっていた。自分でもどうしたらよいか分からず茫然と過ごしていたある日、従姉妹のエリコが訪ねてくる。海獣学者のエリコは、鯨のストランディングの調査にユーキを連れ出すことにする。
角 洋介監督は、福岡県北九州出身。様々な自主制作映画の撮影を手がけ、自ら監督も行う才人です。FIDFFでも、撮影を担当されたたくさんの入選作品を上映してきましたが、意外なことに監督作としては初ノミネートとなりました!
この作品『寄り鯨の声を聴く』は各映画祭絶賛の嵐で、数々の賞に輝いています。福岡でもすでに昨年のFilmfest Akizukiフィルムフェスト・アキヅキで招待上映されていたりするのですが、スタッフみんながやはり上映したい!と選出されました。
角監督の映画は、映像も音楽も、ゆったりしていて、とても優しいです。
皆さんもこの映画にゆっくりと浸ってください!
開催日程
16周年となる今年は、
8月31日(土)ZERO day として
「福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ」にて開幕
福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ(福岡市早良区百道浜3丁目7-1)
9月6日(金)~8日(日)より
コンペティション部門ノミネート作品、および特集上映を
「福岡市美術館ミュージアムホール」にて
上映いたします。
福岡市美術館ミュージアムホール( 福岡市中央区大濠公園1-6)
次回は、いよいよ福岡インディペンデント映画祭2024【コンペ作品紹介 その⑨】(9月8日(日)-P3)最後のノミネート作品、
『ゴールド』
をご紹介します!
では、また!