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PMSに有効なサプリメント
皆さんこんにちは
産婦人科医の内田美穂です。
皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。
今回は、「PMSに有効とされるサプリメント」についてお話したいと思います。
医療機関へ行く前にセルフケアとして試してみたい方や今すでにピルなどを服用しているけれど、より症状を緩和させたいようなときに使用することをお勧めします。
ビタミンB6
日本や英国の産婦人科学会ガイドラインで取り上げられています。
特に英国では第一選択の治療法とされています。
PMSの身体症状及び精神症状を緩和すると考えられており、1日100㎎程度摂取するようにしてください。
カルシウム
日本、英国、米国のガイドラインで取り上げられています。
カルシウムの補充により月経前症状が改善するという報告があります。
カルシウムは骨の健康にも有益であるミネラルであるため、1日1000~1200㎎摂取することをお勧めします。
ビタミンD
英国のガイドラインで取り上げられています。
抗炎症作用や抗酸化作用を有すると考えられており、QOLや気分障害を改善するとされています。
骨粗しょう症予防からもカルシウムと同様日常的な摂取が推奨されます。
マグネシウム
日本のガイドラインで取り上げられています。
PMSの女性は細胞内のマグネシウム濃度が低いという報告があり、PMSへの有効性が期待されています。
マグネシウムは筋肉を弛緩させたり、GABAなどに作用したり、心身をリラックスさせるミネラルです。
PMS以外に、月経困難症や月経関連片頭痛、更年期症状の予防に効果があると考えられています。
また、ビタミンB6との併用は月経前のストレスレベルを軽減するという報告もあります。
チェストベリー
日本、英国、米国のガイドラインで取り上げられています。
薬理作用は明確に特定されていませんが、プロラクチン分泌を減少させることなどが関与していると考えられています。
PMSの症状緩和以外にも、乳房痛、月経困難症、黄体機能不全などへの効果も確認されています。
日本ではプレフェミンという商品名で第一類OTC医薬品(要指導医薬品)として販売されています。
一つだけ注意点として、ピルの効果を減弱させる可能性があるため、特に避妊目的でピルを使用している場合は他の避妊法の併用をお勧めします。
サフラン
英国のガイドラインで取り上げられています。
抗酸化作用、抗炎症作用、神経保護作用を有するとされ、うつ病をはじめとした様々な精神疾患への効果が報告されています。
エクオール
日本のガイドラインで取り上げられています。
エクオールは大豆イソフラボンに含まれるダイゼインの代謝産物で、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあります。
このエクオールを自ら産生できる人は、PMSの精神症状が軽く、月経前のニキビや肌荒れが少ないという報告があるため、エクオールのサプリメントも有効であると考えられています。
γ-トコフェロール
ビタミンEの一種で、ナトリウム利尿作用があり、むくみなどの水分貯留症状に有効で、疲労感、イライラおよび怒りを有意に軽減したという報告もあります。
▼γ-トコフェロールについては、こちらの記事で詳しくお話ししています!
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