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ビジネス・ディベロップメントとは何か?(僕なりの現時点でのアンサー)

僕は2018年頃からビジネス・ディベロップメントという役職についたり、その役職がどうあるべきかをこの数年考え続けていました。全ての事業にマッチする定義は難しいため、企業ごとに変化・進化をしていくものかと思いますが、自分にとってのビジネス・ディベロップメントとはどんな役割を持つのか、について簡単ですが現時点でのアンサーとしてまとめたいと思います。

プロダクトマネジメントトライアングル

プロダクトマネジメントに関わる人であれば1回は見たことがあるだろう、「プロダクトマネジメントトライアングル」。これは、プロダクトマネジメントという、製品/サービスを作り、顧客に届け、継続的に改善し多くの人に届ける、こういった目標にいてどういう機能が必要となるかを図式で紹介するものです。2014年にDaniel Schmidt氏が提唱したもので、これをベースに考えを深める方が多いと思います。日本語翻訳記事もありますので詳細を知りたい方はこちらを参照ください。

プロダクトマネジメントトライアングルでは、プロダクトを取り巻く3つのファクターがお互いに関係しあい、プロダクトを形成していくということを語っています。その3つのファクターは、「開発者」「ユーザー」「ビジネス」です

ビジネスディベロップメント(Business Development)というワードもこのトライアングルの中に表記されており、主に、ビジネスとユーザー、ビジネスと開発者この橋渡しになるイメージと捉えています。


広い意味でのビジネスディベロップメントは赤い枠?

このトライアングルは何度見ても分かったような、わからないような感じなのですが、それは全ての企業がここで説明されていることを必要としているかが状況によって異なるからでしょう。捉え方によっては、これから僕がビジネスディベロップメントの役割と説明することは、プロダクトマーケティングの仕事だ、と言われともあるかもしれません。

ビジネスディベロップメントの役割

僕が考えるビジネス・ディベロップとは、一言で言うと、「プロダクトやサービスを成功させるために、顧客や市場と深く接点を持ち、プロダクトやサービスに還元をする役割」ではないかと考えています。

※外資系企業ですとインサイドセールス、自社にとっての新市場開拓部隊をビジネスディベロップメント部などとすることもありますが、本記事ではより広い意味でのビジネスディベロップメントについて説明していきます。

①プロダクトやサービスの成功

プロダクトやサービスの成功は、売上額や販売数などで捉えられるでしょう。MVPであろうと、Betaサービスであろうとその企業が販売しそれでビジネスを行うと決断する以上、プロダクトを外に発信していく機能が必要です。いわゆる「営業」というロールが一番分かりやすく、プロダクトについて興味がありそうな人をみつけ、完結に説明し、販売実績を作っていく役割です。

売上/販売数などの目標を達成するために、自社の制約事項を念頭に入れて計画し、実行していくことができるスキルが必要です。制約がありますから、今までのやり方ではないやり方などアイデアを出す力も必要でしょう。また、失敗の前兆となることがあればそれについて早く察知し、軌道修正を行ったりするような能力も必要となります。

小さな成功が次の成功を生む、という発想でクイックウィンを作ったり、プロダクトの成長フェーズによっては大きな成功を時間をかけて獲得するなどのことも意識したいところです。こういったフィードバックループ型(システム思考)でビジネスにはずみがかかってくる、そういった視点を持てるかも重要な要素ではないかと思います。

<キーワード>

  • 売上/販売数目標の達成

  • 達成のためのルート

  • システム思考

②顧客や市場と深く接点を持つ

発信を行うビジネスディベロップメントは、おそらく会社で最も見込み顧客や市場と向き合うことができるポジションにいます。ネット記事などで出てくる情報も市場からの情報ですが、「顧客」からの声と照らし合わせて肌感のあるより解像度の高い<市場>を自分の中でイメージを作りあげることができる人です。ですから、「顧客」が考えていることに「共感」し、それを自分ごとのように消化し、イメージを拡張していく、そんな能力が必要です。

この共感力を活かして、なるべく押し売りではなく身丈にあった形でプロダクトのメッセージを作り上げ、何度も何度もブラッシュアップをしていくことができます。

また、市場には「顧客」と「自社」だけではなく、「パートナー会社」やマーケティングイベント会社などの様々なプレイヤーが存在します。自社プロダクトが入り込む市場において、どんなプレイヤーが参加していて、どこと協業ができるのか、その協業は意味があるものなのか、どのように意味をもたらすのか、といったことを日々模索し、接点を増やしたり深めたりしながら商機を高めていくような、探索的な活動も重要になります。

<キーワード>

  • 顧客理解

  • 市場の肌感覚

  • 響くメッセージ/響かないメッセージ

  • 市場のプレイヤー

  • 探索的活動

③ プロダクトやサービスに還元をする役割

②まででほとんど説明しきった感もありますが、解像度の高い<市場>についての理解を、プロダクト開発部や経営層にフィードバックすることができることができます。顧客に一番近い立場で、共感力を存分に発揮すれば、「もしも別のカテゴリの部署/役割の人が顧客になったとしたら、こういった質問が来そうだ」など思いを巡らせ、もしも準備できていなければプロダクト側にフィードバックするなどができるとかなりいいのではないかと思います。

プロダクトやサービスに還元するためには、顧客の理解だけではなく、プロダクトへの理解も必要です。ある特定の機能を実装した背景は、顧客のリクエストだけではなく、プロダクトチームが検討しきった末にあるものですから、その機能が顧客にとってどうメリットであるか、内部事情も含めて理解したうえで、顧客接点を持つのと、そうでないのでは雲泥の差があります。

例えばプロダクトが技術者向けのプロダクトであれば、その技術者コミュニティで話題になっていることをキャッチアップすることで、見込み顧客はもちろんのこと、内部の開発チームへのフィードバックもしやすくなるでしょう。

また、ビジネスモデルについては顧客の声を元に、形作っていくリーダーとしてビジネスディベロップメントは存在すると思います。この領域は、開発チームでは手が伸びてこない領域なので、どのような製品体系にすれば、どのような結果が生まれそう、ということを考え、日々改善を行っていくのです。

<キーワード>

  • 開発者へのフィードバック

  • 開発者への理解

  • ビジネスモデルの策定

おわりに

ここまで書くとほぼプロダクトマネジメントなのでは?とも思いますが、おそらく今僕が所属する企業がまだまだ小さな規模で展開しているからかなり広い枠で活動しているということなのかと思います。企業が大きくなってくると分担範囲も徐々に狭くなり、特定の領域に対して深い活動が必要になってくるのだと思います。

また、これはプロダクトマーケティングなのでは?と思ったりします。多分きっと大部分がプロダクトマーケティングと被っていると思います。それは、『LOVED』という本を読んで実感しました。『LOVED』では、プロダクトマーケティングの基本として4つの要素が紹介されています。

  1. アンバサダー:顧客と市場のインサイトをつなぐ

  2. ストラテジスト:プロダクトのGo-to-Marketを方向づける

  3. ストーリーテラー:世界がプロダクトをどう捉えるかを形づくる

  4. エバンジェリスト:他社がストーリーを語れるようにする

僕が今やっているビジネスディベロップメントはまさにこれら全てをやっているイメージな気がします。1つないのは、営業的やアライアンス的な活動がない、といったところでしょうか。現時点では、これらを全部ひっくるめて、ビジネスディベロップメントと捉えている感じかなと思います。

これからもビジネスディベロップメントについての定義については進化していくかもしれませんが、一旦現時点での自分自身の考えをまとめる上でも言語化してみました。

もしビジネスディベロップメント談義したい方がいらしたらお気軽にXなどでご連絡ださい。ここまで読んでいただきありがとうございます。


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