スクラム、リーンの考え方でプロジェクトを回そう(ゴールや行動指針は絶対なものではないという意識)
IT分野においては、顧客が求めている要件を開発期間中には一切変更せずに完成にまで持っていくというウォーターフォールの考え方では、実際に納品されたものの中に不要なものが実装されていたりすることがあり、結果使いにくくなったり、使われなくなってしまったりする。このような不幸な結果を招かないために、スクラムの計画の立て方には、ゴールや日々のアクションは絶対的なものではなく、絶えず変化するものと捉える考え方がある。
これはマーケティングにも当てはまるのではないか。今日はそんなことについて少し書いてみたい。
大きなイベントこそスクラムの考え方で
年に一度の自社主催のカンファレンスを開催する企業は少なくないだろう。割と自社主催カンファレンスは、「毎年やっているから」のように考えられがちだったり、ブランディングの位置付けが強くやらないよりはやったほうがいいという観点で実施されることもある。
自社主催カンファレンスは、基調講演、Web配信、小間セッション、展示会、など「目的別要素」が多数あり、全体を把握するプロジェクト・マネージャー、と各目的をリードする、プロジェクト・リード(と言ったらいいだろうか)の間の情報交換は相当重要だし、会期が迫るにつれて関係者間で揉めることも多い。
また、会期が迫ると他部署からの追加リクエストも多くなってきたり、文句も増えてくる。このように会社としてのフラッグシップイベントだからこそ、皆で良くしたいという善意が、プロジェクト側を混乱に招くこともあるだろう。このようにステークホルダーからの横槍(フィードバック)、のようなことも多々起こる。
これはまさに大きなアプリケーションを開発しているのと似ている。
大きなゴール(仮にXとする)はおそらくそれほどブレることはないが、サブカテゴリとして設定されたゴールは、「やっぱりAは諦めて、Bを実現するようにしよう。それは大ゴールXには貢献できる」のように変更可能であっていいし、担当プロジェクトのチーム内では、「Bの実現のためには直近2週間で、aaaを完了させよう。aaaを完了させるためのTaskとして○○さんお願いします」という対面での会話による認識あわせが有効だと思う。
ゴールは、外的要因・内的要因の双方の理由から、常に変化するという意識でスクラムの方式でプロジェクトを回すと、「会期直前の徹夜作業」や「急な依頼でもなんとか対応」のようなことが減り、心理的にも安定的にプロジェクトが回せるのではないか。(実際小さく実践してみたのだが、まあまあ良さそうだった。ただしこのサイクルを回す方法を理解している人がいなければ当然だが回らない)
デジタルマーケティングの領域
デジタルマーケティングの領域は物理的なイベントと比較して頻度の高い形で施策が打たれる。大きな目標に向けてデジタルマーケティングのプロジェクトを前進させていくわけだが、1回施策を実行してみたら結果が思ったような結果ではなかったということも多々あるだろう。
デジタルな施策であればピボットは容易にできるため、頻繁にデータを計測し、そこでわかった情報から学習し、施策を変更・継続する、というサイクルが最終的な目標を達成することに必要となる。
おわりに
たわいもない話ですが、スクラムやリーンの考え方はいろんなところに応用できる考えていて、更に営業組織にも当てはめられると思っている。そういう意味で、全てのアウトカムを生み出す活動をマネージするシステムであると思っている。チームマネジメントにも、個人の活動においても。
参考情報
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