豚とか犬とか人とか種類なんてどうだっていい『オクジャ okja』
わたしはThe Smithが好きだ。昨年、モリッシーの来日公演を見に行き、久しぶりに興奮して涙するライブだったし、ライブ会場に"Meat is Murder"の類が大々的に展示されていても、「本当に肉食べなくてもその筋肉体型になるの?」という疑問を払拭できなくても、全然気にしない。音楽が好きなのと、そのミュージシャンの思想が自分と合わないことは関係ない。わたしは肉を食べるし、スミスも聴くのだ。
人に勧められて見ようと思っていたポン・ジュノ監督のちょっと前の作品をようやく見たのだけれど、実にいい映画だった。遺伝子組み換え、動物愛護運動、そして先に書いたmeat is murderなど、色々な社会問題を含みつつ、少女・ミジャと相棒の豚・オクジャの友情物語になっていて、わたしは思わず涙した。
家畜の育て方というのは、ベジタリアンでもヴィーガンでもないわたしでも、複雑な気持ちになってしまうものだし、かといってかわいがってしまえば商品として送り出す辛さが出てしまうわけで、答えはないんだけれども、そういうことはさておいても、ミジャにとっての親友は豚とか犬とか人とかいう種類じゃない。オクジャでしかない。それがこの映画の全てなのかもしれない。
金の豚は結婚するときに娘にあげるものとして両親の代わりに祖父が用意するのだけれど、それを差し出してオクジャを取り戻そうとするシーンがある。祖父の「豚とばかり一緒にいないで、恋もして結婚もしてほしい」という気持ちに対してのアンサー、カッコよすぎるぞ、ミジャ。
Netflixで鑑賞
◾️今日の日記
熊本に行ってきました。ものすごく暑くて、秋の匂いもしてきた東京とは大違いでした。