#6 ミクロな都市感覚
前回の記事で、架空地図のミクロとマクロの自論を展開しました。今回は、私が思うミクロな都市感覚について書いていきます。
私は架空鉄道作者でもあるので、ある駅を軸に考えていきます。
その駅には北口と南口があり、それぞれから路線バスが発着します。
ある系統はある団地とを往復し、またある系統は近くの大学との間をシャトルで結び、また別の系統は、別の路線の駅に向かいます。
ある大学は私立大学で、総合大学ではないものの多くの学生を抱えます。もしかしたら、総合大学の理系キャンパスかもしれません。
大きな大学があるため、駅前には格安居酒屋やカラオケチェーンが出店しています。有名大学のお膝元であれば、学生向けアパート・マンションを紹介する不動産屋があるかもしれません。
路線バスに揺られれば、市役所や図書館、文化会館が集積した地区に行けます。より地区に密着したコミュニティセンターが点在してるかもしれません。そしてそのコミセンでは、何らかの教室が開かれることも。
小学校では時に運動会が、高校では文化祭が開かれているかもしれません。
時には、市を挙げたお祭りが開かれているかもしれません。
その市には当然町名があります。○○X丁目という住所かもしれませんし、昔ながらの町名が残っているかもしれません。住居表示を実施していても、昔の町名が学校やバス停に残っていたり、また逆に、私立学校の名前を冠した町名が新設されているかもしれません。
その他、
・駅前に総合スーパーがある
・実は昔は赤線地帯だった
・商店街はテレビの情報番組でよく取り上げられる
・有名なアニメの聖地に使われた
・国民的漫画作品の作者の故郷
・道路の改良が進められている
など、いろんな物語があるかもしれません。
自分の住む市区町村を歩くだけでなく、その隣町を歩き、町を観察することでも、いろんな物語を感じられます。地図や交通を趣味にしていると、そうした物語を察知する力、あるいは美的感覚が研ぎ澄まされているように思います。
ミクロな架空地図を作る上でも、こうした惹かれるものを参考に、もしくは創作の原動力にするというのが、モチベーションを上げるために大切なのかなと思っております。