#20 自分流 架空鉄道のダイヤ・運用・時刻表の作り方②【運用表編】
前回の記事の続きになります。この記事ではダイヤ・運用表についてまとめていきます。なお途中で列車の所要時間を使用する項目があるのですが、そちらはさらに別の記事にまとめます。
前回の記事はこちら↓
★ダイヤ・運用表
表の左側から、下り列車、上り列車、路線データと標準所要時間、運用表となっています。
☆下り列車
○B列:列車番号
○C~F列:編成1~4
その列車に充当される運用を入力します。基本編成+付属編成の場合は、編成1に基本編成の運用、編成2に付属編成の運用を入力、という感じです。最大4編成の併結運用に対応させています。私の場合は数字+アルファベットで運用を区別していますが、アルファベットが被ると後で困るので重複しないようにしています。
○G列:運用
編成1~4に入力した運用が+で接続されて表示されます。運用表において、ある列車ではどの運用を併結しているかがわかるようになります。
F列の関数は以下のとおりです。例として83行を載せています。
編成2、3、4に併結がなければ+を冠しません。
○H列:種別
条件付き書式を用いて列車に色分けをしますが、その引用列は種別にしています。
○I列:列車名
○J列:速度
車両の性能差を表します。ダイヤ作成上非常に重要なので色を塗って強調しています。
○K~L列始発駅・時間
○M列~R列途中(作業)駅1・時間、途中駅2・時間、途中(作業):駅3・時間
直通がある場合に、途中駅の時刻がわかると作成しやすくなります。また、分割併合を行う場合は途中駅1or3に駅名と時間を入力しておくことで、運用表で分割併合相手の運用の始発・終着駅が、分割併合駅で表示されるようになります。
○S~T列:終着駅・時間
○U~V列:直通先・直通元
直通がある場合に△の記号を入力します。運用表に表示していましたが、現在この機能は使用していません。
○W~Y列:使用車両、識別、両数
識別の欄に記号を入力すると、その記号に応じた車両と、運用列に応じた両数が表示されます。現在この機能は使用していません。
○Z~AA列:増結、解結
列車の増結を行う場合は増結列に、解結を行う場合は解結列に、増解結する運用を入力します。
なお、あくまで1方向の列車に対しての増解結であって、多層建て列車の場合は2行に分けた記載となります。
○AB列:出入
その列車で出庫する運用は「運用番号●」と、入庫する運用は「運用番号□」と、出庫してすぐ入庫する場合は「運用番号●□」と入力します。連結したまま出入庫する場合は運用を併記します。
○AC列:運転日
臨時列車の場合に記入します。
○AD~AE列:TP、停車駅
通過駅のある列車で、TPに記号を入力すれば停車駅を表示してくれます。この機能は使っていないのですが、ダイヤシートを見ても停車駅がわかりづらいことがあるのでもっと使っていきたいところ…
○AF列:備考
○AG列以降:以下、運用番号を2行目に1列ずつ入力
ここの運用番号が運用表に表示されます。各列車の行には、その運用における編成の使用が一日の中で何回目になるのかが数字で表示されます。なお、下り列車は必ず奇数、上り列車は必ず偶数となるため、上り列車で出庫すれば2回目が初運用になりますし、下り列車で回送してきて、そのまま下り列車として営業する場合、1回目→3回目と、欠番が生じます。
○TRUE/FALSE
編成1~4に記入した運用番号が運用番号として登録(つまり前項目に運用番号として入力)されていればTRUEを、されていなければFALSEを返します。一番上にはFALSEの個数が表示されます。
☆上り列車
下り列車と同じです。
☆路線データ
○路線データ
Excelの路線データから引用します。
○速度
編成の性能差や列車種別によって、駅間を走る列車の速度を決めます。速度は路線最高速度の-10~20くらいで設定するといいのではないかと思います。カーブや勾配は気にしないとはいえ、例えば130km/hで走れる区間でずっとその速度をキープするというのは不自然なので、抑えます。表定速度は本来速い方がいいわけですが、自然にするために速度を落とすようにしています。
○種別・停車駅
種別ごとの停車駅です。これ自体は何の関数の引数にも影響しないのでメモ程度です。
○駅間所要時間
種別ごとに駅間の所要時間を算出します。
所要時間の考え方については、また記事を分けて書いていきます。
○編成参照スペース
形式、識別記号、運用記号、両数を並べています。ここで形式と両数を定義することで、○識別に識別記号を入力すると、○使用車両に形式が表示されるようになります。○編成1~4で連結されている運用によって両数を自動計算してくれます。慣れてくると、見ればわかるようになるので使わなくなりました。
○停車パターン参照スペース
識別記号によって表示させる停車駅を定義します。○TPに入力した記号によって停車駅を表示します。
☆運用表
最上部に運用番号を引用しています。
左端には運用回数を載せており、運用表ではこの運用回数を参照して列車を表示します。
各行では、下記の関数が入力されていますが、運用回数は奇数が下り、偶数が上りなので、ISODD関数を使用して参照する欄を変えています。ここではXLOOKUP関数を入れ子構造にしています。内側のXLOOKUP関数は運用番号を検索値にして、運用番号の回数行を検索範囲にしています。
そして、「どの行を次の検索範囲にするか」を戻り範囲としています。外側のXLOOKUP関数は運用回数を検索値に、検索範囲は内側のXLOOKUP関数の戻り範囲、外側の戻り範囲はそれぞれ列車番号、種別、始発終着駅、時刻、併結相手、運転日、備考です。
始発終着駅は非常に複雑な関数を使用し、分割併合駅を表示したり、出入庫や直通かどうかの記号を冠したりします。
運用表で重要なのは、出庫した編成がきちんと入庫しているか、出庫した分だけ入庫しているかを調べるということです。当然ですが、駅ごとに出庫数と入庫数が一致していないといけません。
●が出庫、□が入庫なので、上記運用表内の●/□数を調べます。
●/□の総数を調べ、駅ごとに出庫数を調べ、検算をします(想定外の駅から出庫させていることがあるため)。
直通運転を行なっている場合は、直通先に入庫する運用数も調べます。
そして、欠番を足したものが、その編成の総数です。
03J運用が新柿崎22:02着で入庫しますが、これは直通先の駅で入庫のため、□を冠していません。
注意点としては、直通先から出庫した編成が直通先に入庫したり、夜間停泊駅を出庫して夜間停泊駅に入庫するのはなるべく避けたいところです。また、A駅出庫→A駅入庫、B駅出庫→B駅入庫のみなど、同じ駅だけで出入庫が回っていると、特定の駅に大規模な検修施設が設置されている場合、検査を受けられない編成が出てきます。
(軽く調べた限りですが、以前山陽本線に存在した岡山→下関の長距離普通列車は、岡山の車両を下関総合車両所に持っていくための運用だったとも言われています。)
長くなりましたが、今回は以上です!