FICINO-METAL
自宅から自転車で30分きっかりのところにアトリエを構えていたことがある。木造の倉庫で家賃ひと月3万円。広さは10平米くらいで板張りの床。トイレは外で、ボロいけど200号の大作が描けるくらいの広さがあった。 休みの日はほとんど一日中いて、平日は早朝か仕事が終わってから寄って絵の制作をしていた。 そんな時分にアトリエでよく聞いていた「英米のロック」の音源について。(フランスのロックやクラシックはまたの機会に) COCTEAU TWINS 気持ちを高めるのによく聞いていたのがコ
さて、この三部作は、うつ病が寛解してひさしぶりに得たアイデアなのですが、その説明に入る前に、ある不思議な出来事についてお話ししましょう。 前回の記事はこちら 鞘師里保「似」三部作ついて-1 黒衣のアリア 絵の発想をするときには、私の場合、ほぼ完成したイメージが頭に浮かびます。うまく言えないのですが「何かが降りてくる感じ」というのが近いです。それを霊感というならそうなのかもしれません。その「霊感」はことあるごとに降りて来たので題材には困りませんでした。しかし、心が疲れてしま
今、手がけている作品についてお話ししましょう。 ちょっと長くなりますので、何回かに分けます。 ヘッダーに示した写真をご覧ください。これは小下図(エスキース)といって、作品の計画書になります。今回の作品は三部作で、独立した「紅」「白」「黑」、3枚の絵で構成しています。 全体の題名は「再生」あるいは「復活」とするつもりです。 実は、私は、最近までうつ病を患っており、新しい絵が描けなくなっていました。筆が持てない、まさに「暗闇」の時期でした。しかし、そんな私に再び創造の「光」を
絵を制作するときは大体音楽を流しています。 私と音楽と制作は切っても切れない関係にあります。 5歳からクラシックピアノをやっていますが、ピアノを弾くことも絵の制作と常に連動しています。 最近、絵を描きながら最もよく聞いているのはジョスカン・デプレのテノール独唱曲です。 リュート伴奏に単旋律のヴォーカルが乗ってるシンプルな作り。とにかく取り止めがないメロディー。なんともいえない哀愁の香りが漂ってきて制作意欲が沸々と湧いてくるのです。 あと、もう一つ、ジル・バンショワの「J
初めての投稿になります。 簡単に自己紹介から始めます。 私は美術大学の日本画課出身です。指示する師もなく、公募展にも属していません。美人画と象徴主義が好きで、女性ヌードを中心とした作品の制作をしています。 日本画はあまり一般的ではない絵画です。しかし、一度魅了されると、その奥深さの虜になります。私もその一人です。 私は日本画家ですが、画家では食べていけないため、昼間はサラリーマンをしています。そういうわけで、制作の時間は午前3時くらいから6時までがコアタイムです。キャリア