![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/101899934/rectangle_large_type_2_71eddb30e183cc3d54a726178faeb65e.png?width=1200)
親指から旅に出ようか
線路はどこまでも続くのだから、これも続いてほしいなと思っていた。
鉄道開業150周年を記念した、デジタルスタンプラリー《TRAIN TRIP》。
全国のJRの一部の駅で、150年を記念したデジタル版スタンプをご用意します。対象の駅を訪れると、ご自身のスマートフォンにデジタル版スタンプを記録することができます。デザインは、150年にちなんで鉄道の歴史を感じていただけるようなJR各社の駅舎や魅力的な観光地などをモチーフにしています。
スマホに専用のアプリを入れ、位置情報サービスをオンにしておく。
対象の駅に近づいたときにスマホ画面を指で押せば、乗降しなくてもデジタルスタンプが押せる仕組みだ。
押す長さや力の入れ具合によって、実際のスタンプ同様にかすれたり、絵柄がつぶれたりするから芸が細かい。
全駅ではないものの、枕崎から稚内まで、対象駅は500駅を超える。
150周年キャンペーンは終了したが、デジタルスタンプはリニューアルして今後も続くことになったそうだ。一安心である。
都内・神奈川県の在来線は対象駅が多く、通勤途中や買い物ついでに集めることができた。
《鎌倉駅》
![](https://assets.st-note.com/img/1680348596775-COrcYCLxNQ.png?width=1200)
鶴岡八幡宮の大階段、報国寺とおぼしき竹林。
遠足のメッカ、鎌倉大仏。
長谷団子だろうか、串刺しの丸いもの。
長谷寺の紫陽花と、ニッコニコの良縁地蔵。
![](https://assets.st-note.com/img/1680411314371-w6lYq02Kgp.jpg?width=1200)
松は、建長寺の影向(ようごう)の松だろうか。
そして、まごうことなき豊島屋の鳩サブレ。
大仏と同じサイズで描かれた、鳩サブレ。
おまえでっけぇなあ、と思わずつぶやく。
創業120年を越える企業は、やはりスケールがちがう。
《上野駅》
竹を思わせる緑のストライプに、まるまるころころとしたパンダ。
上野といえば、上野動物園のパンダたち。
シャンシャンは海の向こうへ旅立ってしまったが、ちゃんと5頭いる。
![](https://assets.st-note.com/img/1680348625629-59Qe1lH8bP.png?width=1200)
リニューアルのあかつきには、見切れでいいからハシビロコウさんも入れていただきたい。
《神田駅》
神田神保町、いわずとしれた古書店街。
神田駅を通るたび、中学の担任の先生が「神田神保町は本の街なのよ、おとなになったら行ってみてね。この中の何人が覚えていてくれるかな」と言っていたのを思い出す。
![](https://assets.st-note.com/img/1680348654483-Ln7bBOQSZ3.png?width=1200)
人物のマフラーが赤いのは、あの名曲へのオマージュだろうか。
あなたはもう忘れたかもしれないが、わたしは先生の言葉をちゃんと覚えている。
《品川駅》
品川駅なにかあったかな・・・と思ったら、ニュースでよくみる「通勤する人波」がモチーフになっていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1680413090299-ogAN8FlEeT.png?width=1200)
関東で雪が降ったときは、八王子駅前がかならず映し出される。
それと同じくらい、朝の通勤ラッシュや、出勤する人波の資料映像では品川駅の自由通路が写る。
ここ数年で、何回見ただろう。
《池袋駅》
いつの間にか、池袋はオタ活の聖地になっていたらしい。
わたしの記憶では、長瀬智也さんがテレビドラマの中で「ブクロ最高~!!」と叫んでいた場所なのだが。
カラーギャングはもういないのか。
![](https://assets.st-note.com/img/1680414040740-h0W3Das5d8.png?width=1200)
時をとめたサンシャインといけふくろうが、「君じゃなきゃダメだ」というセリフにポカーンとしているように見える。
《赤羽駅》
これはどうみても、東京都北区赤羽出身のあのロックバンド。
聴けば聴くほどに、強く惹かれていくあのロックバンド。
![](https://assets.st-note.com/img/1680348614456-NoGQKcDSAV.png?width=1200)
エレファントカシマシデビュー35周年アリーナツアーの前日、なんとなく赤羽駅に立ち寄った。
すると、スマホ画面を押した指の先から、推しがあらわれた。
ひとりで右往左往してしまった。
ライブ自体は、あたたかな狂気と祝祭に満ちあふれていて、歌と演奏はもちろんのこと、アリーナの壁に映ったシルエットすら心を震わせた。
正直、推しというライトな言葉では不釣り合いなくらい、でっかい存在。
シルエットが駅のモチーフに採用されるバンドなんて、他にあるのだろうか。
赤羽駅は、リニューアル後もこのままであってほしい。
欲をいえば、歌係の開脚角度は180度に近づけてもらいたい。
ちょうど、3年ぶりに春らしい春をむかえ、気兼ねなく旅に出られるようになった。
このスタンプを集めながら旅をするのも、きっと楽しいだろう。
駅に近づけば押せるので、新幹線に乗っているだけでもかなりのスタンプを集められるはず。
と思ったが、わたしの親指は時速285キロにきっと勝てない。アプリを立ち上げている間に通過してしまうだろう。
ともあれ「さあ 出かけようぜ~!」と、みぞおちから音楽が鳴っている。