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【本日のコーヒータイム 18】
引越し準備が終わらない。
なんとか引越し業者を見つけ、いらない家具の処理のため買取サービスや粗大ゴミの手続きをしてようやく実感し始めた今、とにかく作業が進んでいるようで進まない。3年という時を経た我が部屋はモノで溢れている…特に本とか漫画とかその他書籍(ほぼ本)。
とはいえ、少しずつあったものが箱詰めされていくのを見ると、当たり前のようにあった景色との別れをしみじみ感じる。初めの頃は寂しくて東京に帰りたくて仕方なかったけれど、いつの間にか富山のこの部屋に帰ってくるのが当たり前になって、それどころか落ち着く場所になっていた。もう実家より落ち着くので離れがたいというのが本音だ。
そして先日、大家さんとのおそらく最後になるだろうランチタイムを過ごした。
大家さんとはこの3年間、時間が合えばよく一緒にお昼を食べに行く仲だった。マンションの一階に住んでおり、不具合があれぼすぐに駆けつけてくれたり冬には住民用の灯油を買っておいてくれたりと生活に困らない環境作りをしてくれる方で、私は大家さんの灯油がなかったらきっと富山の冬を健康的に越せなかったと思っている。
一緒に過ごすお昼も私にとっては一人の寂しさを紛らわせる気分転換となる大好きな時間だった。初めての一人暮らしがこんなに充実して寂しくなかったというのは本当に幸運だったと思う。
そんな大家さんとのランチタイム、シメのコーヒータイムは大家さんの行きつけの喫茶店だった。
私は三度目の訪問だったが、今回初めて大家さんの知り合いである喫茶店のオーナーさんとご対面できたのだ。ここのオーナーさんの武勇伝がなかなかに面白く(列車一台貸し切って富山から千葉の舞浜まで走ってもらったとか)、次から次へと出てくるので気づけば小一時間経っていたことに驚いた。人の話を聞く時間は本当に濃密だ。
富山に来てから、色んな人に出会った。東京から田舎暮らしに憧れ古民家で自給自足をしている人、Uターンで商店をやっている人、地元の映画を作る人…たくさんの経験や決断を繰り返してそれぞれの人生を送っているのを見たからこそ、私も新しく持ち始めた興味に突き進む決断ができたのだ。
ここに来ていなかったら私はそんな決断を出来なかったと思う。この場所は私にとって第二の故郷でもあり、これからの新たな私を作るきっかけをくれた大切な地になった。
きっとこれからも勇気をもらいたい時や癒されたい時に来るんだろうな。
その時には大家さんとまたご飯に行って、コーヒーを飲むんだ。
長く住んだ東京とはまた別の場所にそんな懐かしく思えるところが出来たのが何よりうれしいと思えた。そんなコーヒータイムでした。
(本日のコーヒータイムと書いておきながらこのコーヒータイムが先日だったことはお許しください。)