駆け足で遡れ風翳(2019.05記録)
2019年5月の投稿(「飛沫」)
・にゃんしー / 都々逸
海でもないのに飛沫の音が響く耳の奥弾けてる
飛沫になりたいあの子の恋は誰にも言えずに散りもせず
飛沫消え失せて空より高く青を知るなら雨になれ
飛沫くふたつの躰と躯生きとし生ける愛になる
恋でもないのに飛沫の色が濡れる僕の奥弾けてる
・泉由良 / 俳句
しゃぼんだま飛沫に落つる薄暑かな
・牟礼鯨 / 俳句
血を繁吹く性転換や朴の花
・泉由良 / 雑詠
初めての待ちあはせは鴨川踊り
帰り途若葉の雨の苦さかな
はつなつの円がふうわりふうわりと
レェス地の夏カーテンを纏う子や
新茶注ぎ終はらぬ数学の課題
衣替へ帆船みたい碧い布
2019年5月の題は「飛沫」
5月の緑にシャワーホースで水しぶきを光らせるような連想でした。
誰か他のひとにも題を出して貰いたいような(ぼそっ)でもこうやって任せていただけているのもありがたいような。(y)
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短詩会風翳の詩誌を発行する為に使わせていただきます。 ありがとうございます。