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コロナ禍のネルギガンテ
コロナ禍に入ってから、自宅の半径400メートルくらいでしか活動していない。自分で小説を書いて、ネットで買った本を読んで、自宅でできる小さな仕事をして、スーパーに買い物に行く。そのことを友達と電話で話しながら、「精神的自給自足」という言葉が浮かんだ。
「精神的自給自足してるんだよ」と言ったら、半笑いで「ヤバいね」と友達は言って、僕も同感だった。けれど、僕も友達も含めて今は割とそういう人いるからなぁと内心思った。世界的にヤバいことになっているんだから。
閑話休題。
少し前、モンスターハンターワールドの発売時にネルギガンテというモンスターについて語るスレッドがあった。
簡単に言うとネルギガンテはこのゲームの大ボス的なキャラで、傷ついた自分の身体を再生する能力がある。スレでは早くこのボスと戦いたいユーザーが期待を書き込んで盛り上がっていた。
「ネルギガンテは再生能力があって、棘や甲殻を剥いでもまた生えてくると」
「ネルギガンテは他の古龍を食べるために新大陸に来たらしいけど、どの古龍を食べに来たの?」
「ネルギガンテがクシャルダオラとかイビルジョーと喧嘩してるとこ見たい」
「新米のハンターが3乙するとこ早く見たい」
その中に、「傷ついた自分の身体を再生できるなら、自分の身体を食べて生きていけばいいんじゃないの?」というレスがあった。
このレスにどんな反響があったか今は記憶していないのだけれど、誰かがやんわりと反論していたように思う。それは自分の血を飲んだりかさぶたやはなくそを食べるのと同じで危険な発想だということだろう。僕もそうだと思う。そして、ネルギガンテはそんなアホみたいなことはしない。
もし仮にネルギガンテが「自分の身体を食って生きていく」として、それと小さな日常を守りながら人間が「精神的自給自足」することは、違うと言えばぜんぜん違う。けどどこかで繋がっていると思うのは僕だけだろうか。自分の小説を書いて読むというのは「自分の身体を食って生きている」ことにならないだろうか。僕は悪い意味でポエミィな人間だから、この2つを重ねてしまう。
そして、悪いことに「精神的自給自足」は幾ら続けても血が流れることはないからずっとしていられるのだ。怖いなと思う。
そういうことを考えていたらお腹が減った。なんなのかな。暇なのかなぁ。