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江戸の朝炊き大阪の昼炊き 随想500字

ぬくめしの反対がひやめし。

なんだか寂しい響きですが、おにぎりや弁当もしくは駅弁はある意味ひやめし。そう考えるとそんなに悪いものでもなさそうだ。要するに食事は、誰と食べるか何処で食べるかが、美味しさの重要な要素なのでしょう。

お釜で炊いたごはんをおひつに移す。時が経てばひやめしの完成。
昔の映画でおひつのご飯の匂いを嗅いで、まだ食えると食べるシーンがあった。

昔は3度の食事のたびにご飯を炊いていたわけでなさそうだ。
そこでちょいと調べてみた。

江戸時代の中頃から江戸では白米で3食。意外とさかのぼれる。
ただ手間も燃料もかかるので一般的にご飯を炊くのは一日一回。

では、いつご飯を炊くのか。

江戸では朝ご飯を炊く。朝ごはんがぬくめしになり、昼と夜はひやめしになる。
しかし上方ではお昼にご飯を炊く。夜と翌朝がひやめしになる。

江戸で3食となった一説に明暦の大火からの復興がある。普請の肉体労働者には朝夕2食じゃ足りない。お昼の弁当を用意する意味もあり朝炊くのが一般化した。

大阪は商人が多く朝は忙し、京の公家は朝が遅い。ご飯を炊く余裕がないので朝はひやめし。
京都の朝粥、奈良の茶粥が知られるのも、ひやめしならではのこと。

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