【台湾伝統のお米のお菓子 I 文化を感じよう】
台湾の「糕餅(お米のお菓子)」は様々な姿で世界に広まっています。糕餅(お米のお菓子)歳を重ねるごとに台湾人の心の中に思い出や記憶として深く刻まれていきます。その一粒一粒に台湾文化や特色を込め、噛めば噛むほど味わい深く、繊細な仕上がりです。台湾の暖かい気候や習慣により、お米を様々なところで活用してきました。時には主食、時にはおやつ、様々な形で台湾人の生活の中に溶け込んでいます。「粿」、「糕」とつくものは全てお米からできています。今回はFesta Chowと一緒に食から台湾の文化を体験しよう。
鹹糕仔、綠豆糕
鹹糕仔、綠豆糕は糕仔粉(もち米粉)から作られたお菓子です。糕仔粉(もち米粉)はもちもち感が強いので機械で作ると均等に混ぜることが出来ないことから全て手作りです。口に入れた瞬間口の中でとろけるほどの繊細な作りになっています。どの店でもシェフが心を込めていて一つひとつ作っていて、甘塩っぱい味と、ふわもち感が特徴です。また時代とともに味や形などは(八角糕、涼糕、遊弈糕などに)進化を続けています。その中でも綠豆糕は伝統的な味を残しつつ、繊細で現在も変わらず愛されています。
鳳眼糕
鳳眼糕はもともと鹿港(台湾の地名)の特産物で、現地の伝統を代表するお菓子です。甘さもちょうどよく、光沢感がまた良く、なんとも言えない食感がまるで雪のようでお茶菓子にぴったりです。原料(もち米粉と白砂糖)は単純ですが、昔から使用している白砂糖は独特で、白砂糖を陶器の中に入れ、自然に液体化するまで約半年置いて、そこからもち米粉と混ぜ合わせます。製造途中に水分を入れなくて済むので、乾燥させても砕けたりしないのです。鹿港が栄えていた時期に繊細な食文化として広まりました。
糕仔潤
糕仔潤は炒めたもち米をさらに蒸したものです。食感はしっかりしていてモチモチで満腹感が得られます。一般的に緑豆と油蔥の二種類を中の具としています。旧暦の7月のお盆の時期にお供え物として、遠くにいる魂からも見えるようにと糕仔潤を高く重ねてお供えします。糕仔潤にはもう一つお話があり、日本統治時代に、台湾政府が「日本の日の丸と祝字」を書いた潤仔糕を作り、子供に与えて政治と宗教の宣伝に使用されたそうです。
紅片糕
紅片糕はちょうど良いモチモチ感、サクサク感のあるもち米から出来たお菓子です。製造方法はまずもち米を炒め砕きそこに砂糖を加えます。その後ピーナッツオイルとバナナオイルで練り込み油麺の状態にします。その後皮を赤色に染めて完成です。一見簡単そうに見えますが、熟練の技で食材それぞれの良さを引き出さなければいけません。見た目は紅龜粿というお菓子に似ていますが、作り方や味は全く別物です。紅龜粿についても紹介していますよ。
紅龜粿
紅龜粿は紅片糕,紅龜粿の作り方と比べるとかなり複雑です。もち米を綺麗に洗い、すりつぶして液体状にした後、水分を飛ばします。また、小豆やピーナッツ等の中身の具を用意します。水分を飛ばしたもち米を塊状にし、一部を鍋に入れ煮ます、その煮た生地と煮てない記事を捏ね合わせることでモチモチ感が倍増します。その後赤色に染め、薄く油を塗ったら亀や桃のハンコを押し完成。このような複雑な過程があるからこそ、一つの芸術作品とも言えるでしょう。
甜粿
トッポギを台湾語で甜粿と言います。これは台湾の縁起の良い食べ物の一つで、正月用品としてどの家庭も必ず準備します。伝統的な甜粿は赤砂糖から作られていて、ほんのりと茶色がかっています。いまでは、小豆、黒糖、蓮のみ、クコのみ、龍眼など味も出ています。伝統的な甜粿はスライスして油で揚げて食べられます。香りとモチモチした食感だけではなく、そのほんのりと口に広がる甘さがシンプルかつ繊細な味わいとなっています。