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【台湾伝統クラッカー:その地の特色と味を伝える】

台湾では数多くの「餅(お菓子)」があります。今でも多くの店は伝統的な製法を守り、現代に変わらぬ味を届けています。台湾の「餅(クラッカー)」には「地方の味」「四季の味」「縁起の良さ」「思いやり」「時代の味」「信じる心」の六つの特色があります。さあ、Festa Chowと一緒に「餅(クラッカーやお菓子)」文化をみにいきましょう。

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鳳梨酥(パイナップルケーキ)
台湾のお菓子といえば鳳梨酥(パイナップルケーキ)ですよね。あの生地と甘すっぱい具の相性抜群。台湾人だけでなく観光客の方々にもお土産として大人気の商品です。鳳梨(パイナップル)を台湾の方言で言うと「旺來」(栄える)という言葉と同じ発音になるので、それとかけて金のように黄金で四角い形に作られています。其の名の通り鳳梨酥(パイナップルケーキ)なのですが、実はパイナップルだけではなく冬瓜も入っているんです。実は昔はパイナップルが高価なものだったため、冬瓜の食感が似ていることから冬瓜とパイナップルと砂糖を一緒に煮立て、パイナップルケーキの具の部分を作っていたそうです。今でも同じ方法で出しているところもあればパイナップルのみで作られているのもあります。どちらも美味しいことには代わりはありません。ぜひ食べ比べてみてくださいね。

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綠豆椪
綠豆椪は一見地味ですが、実は中秋節で主役の食材、中にはぎっしりと濃厚な緑豆の餡が詰まっていて、周りの生地がミルフィーユのような食感です。其の特徴から其の一枚一枚が羽のようだと言われています。また時代とともに、餡を緑豆だけでなくお肉、カレー、ねぎなど様々な味が生まれました。伝統文化を守りつつ革新することを忘れないという気持ちがこの一つの食べ物から伺えます。

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蛋黃酥
黄金に輝く生地と、甘すぎず自然な甘さで飽きない味わい。中心には卵の黄身が入っていて、餡の甘さと黄身のしょっぱさ絶妙な、中秋節の代表的な月餅(げっぺい)の一つです。蛋黃酥には烏豆沙、綠豆沙、白豆沙、蓮蓉、棗泥などの味があり、其の中でも烏豆沙は一番人気で、其の味だけでなく、黒っぽい餡と黄色の黄身が夜空にうかぶ満月のようなで中秋節にピッタシです。
解説:烏豆沙と紅豆沙はどちらも小豆を原料としていますが、作り方が違います。紅豆沙は小豆を半ペースト状になるまで煮詰めます、少し小豆の形が残るくらいがベストです。烏豆沙は同じく小豆を煮詰めた後、布袋に入れ水に浸します、そうすることで舌触りが滑らかになります。

烏豆沙核桃蛋黃

大餅
大餅は60年代以前から人気が出始めました。当時の台湾人はなんでも「大きい」ければ大きいほど良いという考え方がありました。結婚式などの祝い事の際はこの大餅が喜びを表していました。みなさんは「狀元大餅」をご存知かもしれませんが、これは台湾のある港からつけられた名前で、中にはお肉、あんこと卵の黄身が入っていて、一つ3斤のも重さがあります。今では多くの店が1斤の大きさに統一していて、餡もクルミや、あんこ餅、ごま卵など新たな味も登場しています。昔から変わらず今も愛され続ける味を、ぜひ一度は試してみてください。

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柴梳餅
この昔ながらのお菓子は、形が古代の女性が使用していた木製のくしに似ていることからこの名がつきました。製造方法はニンニクや砂糖などを生地で包んで楕円形にした後半分に折りたたんで完成です。一口食べるとニンニクの香りが広がり、しょっぱくも甘い独特な味わいになっています。現代の人からみると、なんお変哲も無いのですが、物資が不足していた昔は、ある食材でどのように無駄のないように食べきるかが知恵の見せ所だったわけです。

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口酥餅
バターを原料としたクッキーとは違って、ラードを使った口酥餅は最も台湾らしさを表現しているクッキーです。小麦粉、砂糖、ラードを主な材料とし、店によっては卵や牛乳を加えるところもあります。伝統的な作り方を守りながら、食べやすさを重視し、一つ一つを小さく改良したり、サクサクとした食感を出したり、今でも進化を続けています。

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牛舌餅
牛舌餅は台灣鹿港と宜蘭が発祥地で、柔らかいの、硬いの、モチモチしているのなど様々あります。柔らかい牛舌餅は鹿港が有名で、小麦粉、麥芽砂糖、塩が主な材料です。分厚く、もちもちしているのが特徴的で、いちご、黒糖、コーヒー、抹茶味などの味があります。一方宜蘭の牛舌餅は硬めでクッキーのような食感です。生地を薄くスライスした後、真ん中に切り目を入れることで空気が入りやすく型崩れ防止にも役立ちます。それぞれお好みに合わせて食べてみてください。

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