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冷たくてひんやりとした明け方の風が、頬にあたる。
大きな決断をすることが最近あった。大きな変化には必ず反対意見が伴うのも当たり前だ。
lineの背景に彼女らしき女の人の写真があった。
その写真が今決断を迫られている私には心に響いてそれがきっかけで泣き崩れた。昔はあんなに誰の前でも心を許して開いていたのに、成長とともに心の開き方もわからなくなった。開いている風がうまくなるばかりだった私の目の前に前の彼氏が現れて私のことを変えてくれた。
あの人が私のことを無条件に愛することはもうないんだなと思うと、改めて自分の馬鹿さにも泣けてきたしなんでもっと大切にできなかったんだと後悔した。
ここ最近未練があることに気づいたのでまだ心の対処ができていない状況下で今回の大きな決断が私に迫ってきて、私はもうパンク状態だったのかもしれない。
家族に話さなければいけない内容だったので家族に伝えると、いろんな助言や反対意見や本当にそれでいいのかなど、あたりまえだがそういう内容の話ばかりだった。でも、もしあの人だったら私を抱きしめて頭をなでながらよく頑張ったねと言ってただ無条件に私を受け入れてくれるだろうと思った。
何も言わずにただ私を受け入れてくれていた彼のことを想うと本当に感謝しかない。
そんなことをおもいながら眠れない夜を過ごし私はなんだか急に夜明けくらいの時間に散歩に出た。
ぼさぼさの髪の毛に学校のジャージを身にまといいつもなら日焼けを気にして半そででの外出はしないところを何も考えずただぼーっと近くにあった服を着た。
外は夏が終わりそろそろ秋が向かってきていることを示すように、私の頬には少しひんやりした風が当たった。
悩み事をすると、私はよく夜に走りに行ったり散歩をしたりする。
夜型だったし、悩むことが多かったからかもしれない。感傷に浸るには夜が一番私を理解してくれたからだ。
暗い心の内を吐き出させたのは真夜中、どんな自分ですらどうでもよくなるくらい、穏やかに、受け入れてくれたのが明け方の朝だった。
朝は思っていた以上に私の心の中を明るく照らし、昼ほど暑苦しい光で私を照らすもなく、穏やかに私を包み込んでくれた。
これまで私は夜の世界しか知らなかった。夜中の考え事のせいで朝早く起きてまで散歩をしようという思考にすらなかなかならなかったし、きっと悩んだままだらだらと寝ていたからだろう。
外の世界は思っていた以上に明るくて、室内に閉じこもって考えすぎたのかもしれないとすら思った。
暗い環境にいると心もネガティブになっていくのかもしれない。たまには日の光を浴びて、自分がときめくものをゆっくりと観察するといいのかもしれない。
そして心地よい空間で思う存分昼寝をしたらいい。
太陽で照らされて温かくなったふかふかのベッド、
出来立てのイチゴジャムを少しかじってみて口の中に広がる甘酸っぱいのを味わう。
考えることを放棄し、自分が人生の主人公であることを改めて実感する、
温かい木漏れ日の中で目をつぶって耳をすませば私だけが存在する、温かい世界しかそこにはないから。