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風と共に去りぬ

あらすじ

アメリカ南部の大農園主の長女スカーレットオハラ 彼女は美しい容姿の下に炎のような激しい性格を秘めており、彼女は密かに想いを寄せていた青年アシュレイウィルクスがいとこのメラニーハミルトンと結婚すると知り衝撃を受ける
アシュレイへ想いをぶつけるスカーレットだったが、拒絶され彼への当てつけにメラニーの兄チャールズと結婚をする
南北戦争が勃発しメラニーと結婚したアシュレイは出兵しチャールズは兵舎で亡くなり未亡人となったスカーレットはメラニーが住むアトランタへと向かう 
アトランタでは封鎖破りの風雲児レットバトラーと再会するスカーレット 
スカーレットを信頼する心優しきメラニーへの嫉妬に苦しみ休暇で戻ってきたアシュレイへの気持ちを抑えきれないスカーレット

南部の敗戦はほぼ決定的となり、戦火はメラニーの出産によりアトランタに留まらざるを得ないスカーレットの目の前に迫ってくるのだった



(映画の結末に触れています)
スカーレットオハラという非常に人間的な人物像に共感出来るかでこの作品の評価は大きく変わるようです

スカーレットオハラは当時の南部が理想としていた女性像に当てはまらなかった女性です 彼女は自分自身をしっかり持った女性で自分が求めるものを常にわかろうとし非常に頭脳明晰であり、後に商才もある事にスカーレット自身は気付きます
ただそれらは男性に従順である事家庭的である事が理想とされる南部では決して歓迎されなかった そこにスカーレットの悲劇はあったと思います
そこで対極的な存在として描かれているのがスカーレットの想い人であるアシュレイと結婚したメラニー
彼女は現代でも多くの人が理想とするような誠実で心優しく愛に溢れた思慮深い女性として描かれています
この作品の根底にはこの2人の女性の友情があり、スカーレットは心の奥底でメラニーの真の強さを認めています  ただスカーレットはメラニーが自身の唯一の友人だった事をメラニーが死の床につくまで気付く事が出来なかった

スカーレットが愛したアシュレイ 
彼はレットバトラーと一緒で戦争の無意味さを理解していた数少ない登場人物であり自分の生きていた世界が崩壊してしまった事に絶望しながらも新たな世界で最善を尽くそうと苦闘しています 現実に直面しそれを乗り越えようと必死でもがくスカーレットとはこれまた対照的です
人間というのはアシュレイのように自分自身の中にある世界を必死で守ろうとしながらもスカーレットのように現実にぶつかりながらも必死でそれを受け入れて生き抜こうとする、弱くも強い存在だと思います
そしてレットバトラーという男性はアシュレイがかつて生きていた世界から拒絶された人間でした レットは生きる知恵を身につけ生き抜いてきたけれど彼は自身の愛を拒絶されるのを非常に恐れていてそれがスカーレットとの結婚生活が破綻した原因のひとつでもあります


スカーレットは戦争による母の死、それに続く父の死によって少女時代と別れを告げるしかなかった 
今まで生きてきた世界が崩壊した事に苦しみながらも責任感が強く生きる事を諦めない彼女は無理矢理大人になり多くの人の生活を支えなくてはいけなかった
彼女が悩まされていた悪夢 それは自身が置き去りにするしかなかった少女時代の自分自身であり、映画の最後に愛していたアシュレイと愛していた事にやっと気付いたレットの本当の姿を知り、そして2人を失った事により、スカーレットも己を知る事が出来、彼女は本当の意味での自立を手に入れたのではないかと悲劇に見舞われながらも生きる希望を失わないスカーレットの姿を見て思いました

永遠に残る作品だと思います


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