見出し画像

#24【6月16日開催】米国&日本のFemtechコミュニティメンバー:ミートアップ交流会

こんにちは!今回は6月16日(月)に Plug and Play Shibuya Japanイベントスペースにて開催した、Femtech Community Japan第24回イベント「米国&日本Femtechコミュニティメンバー:ミートアップ交流会」についてレポートします。

今回は参加者の皆さまからいただいたご質問にお答えする形で、米国&日本のFemtechコミュニティメンバーでディスカッションを行いました。会場は満席となり、フェムテック事業に関心のある企業などから約60人の方にご参加いただきました。

参加者の皆さまからは、フェムテックのまつわる現状といろんな方の考えについて把握できた、お話が示唆に富んで気づきが多かった、多方面に話題が及んで刺激的でしたというご感想をいただきました。

特にラウンドテーブルはご好評いただき、フェムテック領域の中で皆さまのご関心のある分野や、フェムテックを取り巻く環境や政府の動き、メンテックといった多方面からフェムテックに関する理解を深めていただけるイベントとなりました。

(なお、文字におこすにあたり一部加筆修正部分がございますが、ご了承願います。)

イベントリンク

プログラム

1. 「海外Femtech資金調達」
ーFemtech Community Japan理事 木村恵
はじめに
1)カテゴリー別企業紹介
2)まとめ
2. ラウンドテーブル「海外・日本のFemtech事情について」
ーFemtech Community Japan 理事 Chang Li
 Femtech Community Japan 理事 木村 恵 
 Scrum Ventures SVオフィス Head of Femtech Partnerships 大嶋 紗季
 Global Consultng Firm 鈴木 智之
 ファシリテーター:Femtech Community Japan 代表理事 皆川 朋子
3. 参加者の感想
4. 登壇者紹介
5. 2023年最新版:国内Femtechプレイヤーマップ(前編・後編)ご案内
6. Femtech Community Japan法人会員様募集中!

1. 海外Femtech資金調達

表1:2023年海外Femtech資金調達額上位一覧

はじめに

 上位には163億というかなり高額な資金調達があるが、妊活、ヘルスケア更年期、産後、子育て、月経といったかなり幅広い分野で資金調達が行われているのが特徴。そして、日本と比較して0が1ないし2つ違うのがお分かりいただけると思う(表1)。今回はこの中から注目すべき5社をピックアップしてご紹介する。

1)カテゴリー別企業紹介

①カナダのDTCテレヘルスFelixが13億円の資金調達(月経・避妊)

Felixは、テレヘルスと処方薬配達を提供するDTCのデジタルヘルスケアプラットフォームであり、避妊薬と勃起不全治療のオンラインアクセスを提供することで知られている。

②搾乳アプリを提供するEmulaitが14億の資金調達(産後・子育て)

・授乳体験を模倣し設計された授乳システムを提供。4年間の研究、7つの特許技術、3Dスキャン、FDA承認の医療用グレードを組み合わせて、母親の胸の形、色、弾力性、質感、感触を再現。

・母親はアプリをダウンロードして乳房のデジタル スキャンを行い、25 種類のボトルトップバリエーションを使用して、パーソナライズされた授乳システムを作成。

③インドのDTC Gynovedagaがアーユルヴェーダのヘルス促進のため13億資金調達(ヘルスケア)

・2023年半ばには、世界一の人口となるインド。フェムテック企業も多く存在するが、2022年世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は135位(日本:116位)と、ジェンダーギャップが大きい国である。
・Gynovedaは、女性のためのアーユルヴェーダに基づく医療を提供しており、思春期から更年期までのセルフケアを促進。

④従業員向けヘルスケアアプリを提供する英Peppyが58億円資金調達(ヘルスケア/更年期)

・2023年3月に、女性の健康戦略の一環として、2,500万ポンド(42億円)を計上することを発表したイギリス。
・従業員向けヘルスケアアプリPeppyが、4,500万ドル(58億円)の資金調達。
・Peppyをはじめた際、従業員の福利厚生としての「更年期障害サポート」は世界初だったが、更年期分野の関心がイギリス全土で広がった。

⑤米Embr Labsは更年期向けホットフラッシュ軽減デバイスで46億円の資金調達(更年期)

・更年期女性向けのホットフラッシュ軽減デバイス「Embr Wave2」。
・手首の内側の皮膚に冷却または温める感覚を与えて、自立神経系にアクセスすることで、ホットフラッシュの緩和・ストレス管理・睡眠の改善を促すデバイス。
・販売拡大のために3,500万ドルの資金調達を実施。

2)まとめ

●国の特徴や政治の動きを理解した上での、ビジネスモデルのトレースが求められる

 印Gynoveda、英Peppyのように、国の特徴や政治の動きを理解した上での、ビジネスモデルのトレースが重要な観点だと考えている。

 例えば、日本では、2023年4月より育児・介護休業法の改正により、従業員が1000人を超える企業の事業主は、男性労働者の育児休業の取得状況を年一回公表することが義務付けられた。この「義務化」がポイントだと考えており、「義務」になることで男性労働者の育児休業や、子育てを支援するようなビジネス展開が、1つビジネスのヒントになるのではないだろうか。

●女性版骨太の方針2023でもフェムテック活用の動き

 昨年の女性版骨太の方針でもFemtechに触れていたが、今年はより重要な点ということで触れられている。
 女性版骨太の方針とは、女性の活躍や男女共同参画推進に向けた政府の方針を取り纏めたものであり、注目すべき点は以下の5つになる。

①フェムテックの利活用(内閣官房、厚生労働省、経済産業省)
②健康経営優良法人認定制度(経済産業省)
③「女性の健康」ナショナルセンターの創設(こども家庭庁、厚生労働省)
④緊急避妊薬の利用に向けた検討(厚生労働省)
⑤スポーツ分野の女性参画拡大

 特に注目したいのが、③「女性の健康」ナショナルセンターの創設だ。同施設は2023年3月に創設されたが、こうした政府の動きでFemtechを推進するという点で注目すべきポイントだと考えている。

 さらに、本日(2023年6月16日)には、内閣府より令和5年度版男女共同参画白書が発表された。昨年のテーマが結婚観を重視したものであったのに対し、今年のテーマは「新たな生活様式・働き方を全ての人の活躍につなげるために ~職業観・家庭観が大きく変化する中、「令和モデル」の実現に向けて~」と設定されている。このような政府の方針を踏まえた上で、ビジネスの展開を考えることも1つのポイントになるのではないか。

2. ラウンドテーブル「海外・日本のFemtech事情について」

ラウンドテーブルの様子
(写真左から、皆川、木村、Chang、大嶋、鈴木)

 米国&日本の当団体メンバーが、皆さまから事前にいただいたご質問の中から特に多くいただいたご質問にお答えするかたちでディスカッションを行いました。

トピックス1) 日本と海外のフェムテック市場の違い(プレイヤー、消費者、資金調達、技術など)

トピックス2)海外発で、日本にもビジネス展開している事例や、Femtech関連企業のグローバル化戦略

トピックス3)欧米で低用量ピルの普及率が高い理由について

トピックス4)メンテック(メンズテック)の具体的事例

トピックス5 )世代によって、フェムテックのとらえ方は異なると感じており、傾向があれば知りたい

トピックス6)フェムテック領域で活躍している企業の共通点や勝ち筋のポイント

 ほかにも会場の皆様からいただいたご質問にもお答えいたしました!ラウンドテーブルの詳細は、法人会員様向けレポートに掲載しております。

 法人会員様向けレポートについては、email: hello@femtechjapan.orgまでお問い合わせください。

3. 参加者の感想

生きた情報ばかりで、継続して参加させていただきます!

フェムテックにまつわる現状といろんな方の考えについて把握できた

日本ならではの、勝ち筋を作っていきたい

多方面に話題が及んで刺激的でした

文化の違いと求められるソリューションの違いは非常に納得で、プロダクトやサービスだけを見ていたら一生理解出来ないお話しでした!

日本とアメリカの雇用の違いから福利厚生サービス導入にも違いが出るというお話が印象的でした

海外と日本のfemTech市場の違いについて、生の声が聞けて勉強になりました。また、日本は福利厚生や社会福祉が充実していることで、トレードオフになっていることが印象的でした

4. 登壇者紹介

Femtech Community Japan 代表理事 皆川 朋子

外資ITコンサルティングに従事後、英Cambridge大学でのMBA留学を経て、独立系戦略コンサルティングファームの執行役員、人工知能ベンチャー取締役・事業責任者に従事した後、独立系VCに参画しスタートアップへの投資・事業成長の支援、女性起業家支援などに従事。複数のFemtech企業への投資実績を有する。現職は、Women’s Healthに注力するグローバル製薬企業にて女性ヘルスケア領域の事業拡大に従事。
2021年3月、Femtech Community Japanを設立。

Scrum Ventures SVオフィス Head of Femtech Partnerships 大嶋 紗季

大企業とスタートアップのオープンイノベーションを支援するスタジオ事業部門に所属し、既存プログラムの運営や新規プログラムの立ち上げに従事。各プログラムで培った日本企業とスタートアップをつなぐ経験を活かし、Scrum Connect Onlineの立ち上げ、運営を担当。それ以前は、サンフランシスコ、イスラエルにおいて、大企業とスタートアップの協業支援、スタートアップの日本進出支援を行う。UCサンディエゴ大学院修了(MBA)。

Global Consultng Firm 鈴木 智之

ヘルスケアおよびイノベーション領域が専門。未来社会研究、新規事業開発、研究開発マネジメント、リスクマネジメント、データ分析等の分野で官公庁および民間企業のコンサルティング実績を有する他、スタートアップ投資や介護・リハビリテーション分野での事業開発を担当。元三菱総合研究所主任研究員。元スタンフォード大学米国アジア技術マネジメントセンター客員研究員。

Femtech Community Japan 理事 Chang Li

四川生まれ、大学から日本に。 APU卒業後、大手生保会社にて資産運用やクロスボーダーM&A従事。 香港大学MBA取得後、2018年12月にPlug and Play Japanへ入社、VP, Fintech / Insurtechとして日本のFintech、Insurtech エコシステム作りに励んでいる。

Femtech Community Japan 理事 木村 恵

生命保険会社で健康増進型保険の仕組みづくりなどを経て、損害保険会社で業界最大級のシステム開発PMOに従事。社内では、企業内大学や管理職向けにフェムテックの講義を実施。大学や自治体関連でフェムテック登壇を多数実施する中、更年期障害に悩む女性が多いことを知り、更年期分野が関心領域。経済産業省/JETRO始動Next Innovator2021採択。グロービス経営大学院修了(MBA)

5. 2023年最新版:国内Femtechプレイヤーマップ(前編・後編)ご案内

7月に、日本国内で活躍するFemtech(フェムテック)企業のプレイヤーマップをリリースいたしました。このマップは、女性ヘルスケアにおける課題・ギャップについて、テクノロジーを活用し、女性や女性を取り囲む人たちがより良い解決策やサポートを得ることができるような製品・サービス、企業をご紹介しております。

当Femtechプレーヤーマップの解説と個別企業についての詳細版レポートは、一般社団法人Femtech Community Japan(以下、FCJ)にて提供しております。詳細版レポートについては、email: hello@femtechjapan.orgまでお問い合わせください。


6. Femtech Community Japan法人会員様募集中!

Femtech Community Japanでは、スタートアップ・大手企業、VC・投資家、⼤学・研究機関、医療・ヘルスケア関係者メディアパートナーなどが集まり、Femtech関連の取り組み・情報共有や現状の課題と今後に向けた議論・ネットワーキングなどを行っています。

ご関心のある方は、Webサイト、Twitter、facebookグループをぜひフォローください。

2023年より、法人会員・スタートアップ会員も募集しております。ご関心の方はお問合せ(hello@femtechjapan.com)もしくは下記お申込みフォームよりご連絡ください。

■会員申込フォーム
https://forms.gle/YF48DYmCkm6pa6mz5

■団体紹介資料

■HP

■note

■facebook グループ

■twitter

最後までご覧いただきありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!