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#23【4月25・26日開催】 Femtech最新レポート:福利厚生の日本・グローバル動向解説&海外カンファレンス報告

 こんにちは。今回は4月25日(火)・26日(水)に開催したイベント「Femtech最新レポート:福利厚生の日本・グローバル動向解説&海外カンファレンス報告」についてレポートします。

 2日に分け、リアルとオンラインで開催した当イベントですが、計150名ほどの方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

(文字に起こすにあたり当日の内容から一部加筆修正部分がございますがご了承願います。)

*コンテンツ詳細や個別事例などにつきましては、会員企業向けレポートに記載しております。ご希望の方は、法人会員のお申込みをご検討ください!
https://forms.gle/ZvfUWhZacVnzsgXx5

4月25日(火)リアル開催

4月26日(水)オンライン開催

プログラム

1.福利厚生サービス最新動向
2.Women's Health Innovation Summitご報告
3.参加者の感想
4.登壇者紹介
5.次回イベント紹介:米国&日本のFemtechコミュニティメンバー:ミートアップ交流会
6.Femtech Community Japan法人会員様募集中!

1)福利厚生サービス最新動向

Femtech Community Japan理事 木村恵

1.アメリカFemtech福利厚生導入状況

 アメリカの福利厚生の事例として、2014年米Facebookが福利厚生プログラムとして卵子凍結費用のサポートを開始したのち、Tech Giantsが同様の福利厚生サービスをスタートさせた。現在、福利厚生としての卵子凍結サービス導入は、アメリカでは決して珍しくない制度となっている。

 アメリカ企業のFemtech福利厚生の導入状況(図①)を見ると、約40%が福利厚生サービスとして妊活サービスを導入している。中でも、卵子凍結サービスの導入が増えている。

図1 アメリカのFemtech福利厚生導入状況

2.アメリカで福利厚生サービスが進む背景と社会的要因とは?

 アメリカで福利厚生が進む背景としては、以下の3つが考えられる。

①活発な転職市場における採用・リアテンション
 労働人口のうち若い女性就労者が占める割合が非常に高く、年齢に限らず転職が活発に行われている。そのため、求職者とっては女性の健康課題に対する魅力的な福利厚生支援が、重要な条件のひとつになっている。

 したがって、月経や女性特有疾患といった健康課題に対するケアやサポートを福利厚生として提供することで、企業は若くて優秀な人材の採用と定着につながると言われている。

②高額な個人医療費負担支援
 アメリカの企業の多くが従業員の医療費を一部負担しているが、個人は日本と比較して高い医療費を負担している。特に、卵子凍結といった福利厚生サービスに関して一部を負担するということは、従業員の医療費負担を削減することができるため、非常に従業員にとっては魅力的な福利厚生サービスとなっている。

③ダイバーシティ経営
 アメリカには日本と比較して、マイノリティに関する認識が、歴史的に社会に浸透しており、かなりLGBTコミュニティに関する寛容な社会風土が形成されている。

 また、アメリカに限らないが、世界のグローバル企業は経営の中にダイバーシティやLGBT、ジェンダーフリーをキーワードにした、すべての従業員及びカップルを対象としたヘルスケアサポートというものを打ち出している部分があり、こういった福利厚生にサービスに取り組んでいる。

会場の様子(25日リアル開催)

3.まとめ

①アメリカの福利厚生トレンドとして、女性の健康意識が高まる中で、厳しい労働市場で競争するために、体外受精や代理出産など、高額な不妊治療サービスへの医療保険を拡大する企業が増加

②国内Femtechを取り巻く市場は変化。ジェンダーギャップや女性活躍推進の動きもあり、Femtechの福利厚生を導入した企業では働く女性のモチベーションアップや企業ブランディングの動きも出てきている

③すべての従業員に対して「包括的な健康経営」をアピールする動きが日本でもあり、包括的なヘルスケアをテーマした健康経営のトレンドが肝になる

2)Women's Health Innovation Summit報告

 2023年3月22-23日にWomen's Healthに特化したカンファレンス「Women's Health Innovation Summit」(以下WHIS)がシンガポールで開催されました。

 私たちFemtech Community Japanもメディアパートナーとして参加し、また代表理事皆川はパネルスピーカーとして登壇いたしました。今回はそのカンファレンスについてご報告させていただきます。

Femtech Community Japan Founder 皆川朋子

1.Women's Health Innovation Summit(WHIS)とは?

 Women’s Health Innovation Summit(WHIS)とは、数年年前から英国企業Kisaco Researchがシリーズで主催し、世界各国・各地域で実施をする女性ヘルスケア領域におけるさまざまなセクターの有識者が集まるカンファレンスで、カンファレンス開催を通じて様々な議論・ネットワークを広げていく主旨で行われている。昨年は米国ボストンや中東ドバイで開催され、今回は、アジア初のカンファレンスWomen's Health Innovation Summit Asia(WHIS Asia)として、シンガポールでの開催となった。

2.WHIS Asiaの特徴

 日本でも昨年2022年は多くのFemtech関連の展示会やEXPOが開催された。日本のFemtech展示会は多数の企業が自社の製品・サービスを展示し、実際に購入検討する潜在的なユーザー・顧客企業に向けた情報発信・プロモーションの場といった色合いが強いのが特徴である。

 一方で、WHISのカンファレンスでは、Women's Health領域における課題や、どのようにイノベーションを創出するかなどについて、さまざななセクターの有識者やステークホルダーが集まり議論・提言をする場となっている。例えば、政府や政策立案者、スタートアップを含むさまざまな企業、投資家、NPO・NGOといった多様な有識者がディスカッションを行い、共通の課題に対する次の施策、あるいは次のステップを考えるという位置づけになる。

 今回のトピックス例として、例えば、研究開発における性差のギャップ、規制や政策における女性ヘルスケア支援の考え方、データ取得と活用におけるプライバシー保護、女性ヘルスケアに関するタブー・スティグマの課題、経済効果に対するインパクトといった様々な課題やトピックスを取り上げ、複数の立場の有識者の意見を交えて議論されていた。

3.WHIS Asiaの参加者について

 開催地がシンガポールということもあり、現地の参加者が最も多かった。その他の国・地域としては、日本から10名ほど参加。中国、インド、台湾、インドネシア、マレーシアなどが参加。アジア外の地域として、アメリカ、ヨーロッパ、イスラエル等からの投資家や有識者の参加もあった。

 参加者の産業カテゴリのバックグランドで見ると、Femtech領域で新たに事業を立ち上げるスタートアップ企業が最も多かった。また、日本の展示会と大きく異なる点として、製薬会社やヘルスケアデバイスのメーカー、スタートアップ企業に投資をするようなVC、事業を支援する弁護士・弁理士などのプレイヤー、商社などさまざまな領域に関わるビジネスを展開しているプレイヤー、政府関係者、グローバルNGO・NPO団体など幅広い領域から参加者が見られた点である。また、参加者の中には国連のWomen's Health担当者、Bill&Melinda Gates FoundationのWomen's Health担当者といったポジションの方も参加していた。

 人数は少ないが、バイオテック領域などより科学的・生物学的なアプローチで研究開発や製品開発の企業や担当者も参加していた。

4.WHIS Asia参加を通した気づき

● 業界・領域を跨ったクロスインダストリー、地域を跨ったクロスリージョンでの有識者との議論はとても重要!
・さまざまな立場の有識者・専門家が一同に集まってWomen’s Healthについて真摯に議論する貴重な機会だった。
・参加者は製薬・医療機器メーカー、スタートアップ企業、投資家、弁護士や規制の専門家、政府関係者、NPOや国連など多岐に渡る。
・Women’s Healthの課題やイノベーション推進に関わるさまざまな有識者がそれぞれの視点、課題、今後取り得る施策やアクションについて率直に意見を交わしたことで、それぞれに学びや新しい気づきが多かった。

● 日本のFemtechビジネスはアジア全体の中でリード的なポジション確立が可能!
・今回、日本からのスピーカーはFCJから登壇した「The Digital Revolution in Women’s Health」のみ。
・アジア各地域のさまざまな企業や有識者とのコミュニケーションを通じて、日本のスタートアップ・大企業の取り組みは全く引けを取らない・リードできる立ち位置にあると強く感じた。

● 世界各地域でのWomen’s Healthの課題の中心トピックスは同じ!
・半年前に実施したWHIS Bostonの参加者からのコメントで、「アジアは国も多く、経済レベルも様々、宗教や文化的観点も異なるため、WHISでの議論がどう異なるかを知りたいと思って参加した。地域の違いによる小さな差異はあるが、コアとなるトピックスは全く同じだった!
・国や地域を跨って連携・パートナーシップを構築したり、イノベーションを推進して実社会へ実装していくなどの取り組みにおいて、課題先進国である日本だからこそ貢献できる可能性がある。

3)参加者の感想

Women’s innovation summit Asia の共有が興味深かったです。 全体を通じ、海外国内含めここ最近のエッセンスが凝縮されており、ナレッジのアップデートができました。

アメリカの福利厚生動向、不妊治療領域のサービスがかなり当たり前になっていることに驚きました。

海外企業のフェムテック福利厚生サービスの導入する目的が、流動性の高い従業員のロイヤリティ向上という点が印象に残った。今後人材の流動性が高まるであろう日本においても、福利厚生サービスとしてのフェムテックの導入が進むだろうと想定できた。

全て興味深い内容でしたが、特にアメリカのベンチャーの動向は進んでいてすごいと思いました。

サービス事例紹介はもちろんありがたいのですが、それに加えて、各サービスの成長のポイントや、国内トレンドの皆さまなりのご見解等、インサイトを伺うことができて大変参考になった。

シンガポールのカンファレンスの様子や、米国の福利厚生メニューとしてのフェムテック企業の動向についての貴重なお話を伺うことができてとても勉強になった。

海外の福利厚生の具体例が良かった。こんな福利厚生があればと思っていたものの事例が見れてイメージできた。

女性という切り口での悩みは、万国共通だということが理解できた。

アメリカの福利厚生事例の、企業ごとの成長ポイントや細かな評価ポイント。ニュースを見てるだけではわからないところなので、とても興味深かった。

Femtechが多くの企業と地域で浸透し新たな福利厚生が作られる中で、MNCでも積極的に推進している企業とその他の企業の間にかなりの認識度の差があると感じた。

Femtech課題を改善していこうとするムーブメントの一端を感じた。

4)登壇者紹介

Femtech Community Japan理事
木村恵

生命保険会社で健康増進型保険の仕組みづくりなどを経て、損害保険会社で業界最大級のシステム開発PMOに従事。社内では、企業内大学や管理職向けにフェムテックの講義を実施。大学や自治体関連でフェムテック登壇を多数実施する中、更年期障害に悩む女性が多いことを知り、更年期分野が関心領域。グロービス経営大学院修了(MBA)。

Femtech Community Japan Founder
皆川朋子

外資ITコンサルティングに従事後、英Cambridge大学でのMBA留学を経て、独立系戦略コンサルティングファームの執行役員、人工知能ベンチャー取締役・事業責任者に従事した後、独立系VCに参画しスタートアップへの投資・事業成長の支援、女性起業家支援などに従事。複数のFemtech企業への投資実績を有する。現職は、Women’s Healthに注力するグローバル製薬企業にて女性ヘルスケア領域の事業拡大に従事。2021年3月、Femtech Community Japanを設立。

5)次回イベント紹介:米国&日本のFemtechコミュニティメンバー:ミートアップ交流会

 Femtech Community イベント第24回は、「米国&日本のFemtechコミュニティメンバー・ミートアップ交流会」を開催します。

 冒頭に、冒頭オープニング・Femtech Community Japanをご紹介と、最新のFemtech動向についてお話いたします。
その後、みなさまから事前にいただいたご質問内容にお答えする形で、米国・日本のFemtech Community Japanメンバーから、グローバルのFemtech動向や日本のFemtechの現状について、ラウンドテーブルにてディスカッションを開催いたします。

 皆さまと会場でお会いできることを楽しみにしております。

6)Femtech Community Japan法人会員様募集中!!

フェムテックにご関心があり、事業参画済みまたは検討中の企業様及び起業準備中の方のご入会を募集しております。

お申し込みフォームはこちら↓
https://forms.gle/YF48DYmCkm6pa6mz5

最後までご覧いただきありがとうございました!

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