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実はシンプル~操体法

ひさしぶりに、昔の本をひっぱりだしてきた。
わたしが整体業界に入ったころすでに「古い」本だった。

『操体法』
という言葉をきいたことがあるだろうか。
恥ずかしながら、わたしは自分がこの業界で勉強を始めるまで知らなかった。

操体法とは、簡単に説明すると
「自分で体を動かして、ゆがみを整えたり痛みをとる方法」とでもなるだろうか。肩がこっている、首が痛い、腰が痛い、など現代人はさまざまな不調を抱える人がおおいが、身体を人にゆだねてほぐしてもらう、整えてもらうのとは、ちょっと違ったアプローチだ。

わたしの仕事は、人さまに身体をゆだねてもらって「ほぐし」をする側なのだが、じつは…
操体法を上手につかえば、わざわざお金を払ってほぐしてもらわなくても、自分で整えることができる、ことも知っている。

ただ、それをめんどくさい、わからない、やりたくない、おまかせしたい、という人は、人の手で施術してもらったほうが楽だろう。(だからわたしたちの仕事が成立する)
立場上、「全部わたしに任せてください!」といったほうが仕事になるから良い面もある。けど、本当は自分の身体は自分がいちばんケアしやすいのだから、日常のケアは自分であるていどできたほうが良いのはいうまでもない。

と、エラそうなことをいうからには、わたし自身はどうなの? とも思うので、ひさしぶりにまたこの本を読み返すことにした。


操体法の基本は、
「痛みから逃げる方向へ動かす」ということ。
『快/不快』の感覚にしたがって、『快』の方向へ動かすこと。それは『不快』と逆方向である(ことが多い)。

左右、上下(のびる・ちぢむ)
のどちらかで痛み(または不快感)があれば、その逆の動きをする、ということ。


ここ最近、寝る前に身体をリセットしようと、この操体法の考えをとりいれて軽く身体を動かしてから、寝ている。
ものすごく簡単だけど、動いているうちにジワっと汗が出そうになる。それくらい、身体の中で血液がめぐる感覚がある。

  • すわって、左右に身体をひねる(後頭部から首のうしろあたりに手を置いて、上半身だけをひねる感じ)

  • 立って、上に伸びる(両手を組んで上にあげて、つま先立ち)、からの脱力

  • 立って、上半身を左右にひねる(今度は腰もいっしょにひねる)

  • 立って、上半身を左右にたおす(脇が伸びて気持ち良い)

およそ、これくらいのことなので、数分で終わる。

若いころはこんなことだけで、筋肉や関節が『伸びる』感覚などなかったと思うが、最近はこれで十分運動になっているのに驚く。


ぜひぜひ、みなさんにもおすすめしたいので、ちょっとしたコツをかいておきます。立位(立った姿勢)で、ひねるうごき、たおす動きのとき、

ひねる動作のときは、重心はひねる側の足に置き
たおす動作のときは、重心はたおす側と反対の足に置く

右にひねるときは、右足に重心を置く(左足はかかとが浮く)
右にたおすときは、左足に重心を置く(右足はかかとが浮く)
ということです。

文字ではわかりづらいので、図はこちら

この本にも書いてあるように、回数はだいたい3回から5回くらい。
わたしの感覚だと、1回目はまだ身体が硬くて動きが悪く、2回目にすこしなめらかになってきて、3回目、4回目くらいでやっと、動きの悪かった側もすこしずつ動いてくるという感じ。

日によって、動きやすさに左右差があるので、より動きやすいほうを積極的に動かす、というのも楽だとおもう。苦手なほうは力をぬいて、あんまり頑張らなくてよいのです。

ちなみに、わたしがかつてよく痛めていた首も、この操体法をつかえば自力でゆるめることができます。
首の痛みで困っているかたはぜひ。おすすめです。

無理しない、痛いことはしない、なので安心です。
別に整体師じゃなくたって、筋肉の名前がわからなくったって、自分の身体なんだから自由にうごかしていろいろ研究すると楽しいと思います。

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長谷川 知美|整体師@女性の不調専門
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