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段階的市場参入における小ロット生産

前回、「大規模キャンペーン vs 段階的市場参入」と銘打って記事を書いた。

今回は段階的市場参入における小ロット生産について、どのような目的において有用か検討したい。

消費者の購買変化と対応例

ITの発展とYoutubeやSNSを中心としたWebマーケティング手法の変化はマーケターの戦略立案に大きな影響を与えている。

読者の皆さんは「温泉水」はご存知だろうか。「シリカ水」は?「Electrolyte Water(電解質水)」は?
わたしの妻は「温泉水」は認知しており少し贅沢をしたい時に成城石井で必ず購入しているが、「シリカ水」について知識を持っていない。

これは彼女が日常的に視聴するYoutuberの嗜好性に依るところなのだが、同様の事例は割とどのジャンル・商材においても生じていると思われる。
消費者の可処分所得・可処分時間の活用方法の変化に伴ってマーケティング手法も変わる。

斯様な消費者の購買変化に対して、同じテーマに関心ある消費者をグループ化して、あるグループに深く刺さる商品・サービスを生産・販売する傾向がみられる。
事業観点で見ればLTV(Life Time Value:ユーザーの一定期間における価値≒購買金額)最大化マーケティングコスト削減に寄与するわけだ。

完全食で馴染み深いBASE FOODもコミュニティを活用して消費者の購買期間最大化やロイヤリティ向上を図っている。
(尚、同社の完全食はパスタから始まっており、消費者との対話を通じて現在の剤形にシフトしている)


市場の変化に適応した「小ロット生産」

BASE FOODのように、少ロット生産で消費者の反応をみてから量産にシフトするのは当たり前になっている。

一方で、小ロット生産自体を事業戦略に据えて高利益体質を維持する企業もある。

例えば滋賀県の近江麦酒。

2017年の創業から70種類以上のクラフトビールを製造。
「今月のビール」と題して毎月異なるクラフトビールを製造している。
OEMも400本程度から可能。

定番エール 糀エール 参照:近江麦酒HP

斯様なOEM戦略をとる企業はクラフトビールメーカー以外にも存在する。
ChatGPTで軽く調べてみた。
興味がある人は是非別の企業も調べてみてほしい。


小ロット生産に取り組む企業 参照:Chat GPT


貴社のとるべき戦略

前回から市場への段階的参入について考えてきた。
消費者はパーソナライズ化された商品や企画段階からの商品関与に慣れてきている。また、小ロット生産そのものを生存戦略とする企業も現れている。

新規事業においては間違いなく小ロット生産からはじめ消費者の反応を見るべきだ。
特に、コンセプト設計など商品企画段階から消費者を巻き込むことで、高単価でも長期間愛される商品を創出しうる。

企画段階から消費者を巻き込むには既存顧客基盤の活用が手っ取り早く、結果的に本テーマはアンゾフマトリクスでいうところの新製品開発戦略との親和性が高い。
新規性高い市場で商品・サービス開発を行う場合は、ターゲット顧客に対する入念な調査が必要であり、且つ、関係性がない相手から本質的なインサイトを引き出す苦労も伴う。
既存顧客ならば、多少のお世辞はあれど新規企画について率直な意見をくれるケースが多い。

その際、商品開発部のメンバーが気軽に顧客と接せられるような組織文化・組織体制づくりも欠かせない。
顧客に新しい価値を提供するうえで、社内体制がボトルネックになってしまうのはあまりに勿体ない。


いかがだっただろうか。

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ではまた次回のコンテンツで。

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