日本企業に蔓延る長期の不正
毎年某所で情報倫理の講座を受け持っていますが、日本企業による所謂データ不正、しかも長年続けられてきた事例というのが毎年発覚していて、話題に事欠かない状態で、毎年刷新しては新しい事例を取り込むことに…
日本の場合は、一度不正に手を染めると、それを正すことができない。
しかもそれを長年正すことができないという闇がある。
その「不正を正すこと」が「組織に歯向かうこと」と捉えられてしまい、自らの安全性(生活の資金や働き甲斐など)と矛盾を抱えながらも不正のある環境を肯定してしまう慣習のような悪しき企業文化に多くの組織が根付いてしまう。
結果的に不正事案が組織外部に漏れた時に、企業のレピュテーションリスクは一時的に大きくなるが、それでも企業文化の改善には向かわないところが多い…
例えば某自動車メーカーも、一度不祥事が発生し、その後にコンプライアンス体制の構築含め、素晴らしい対応で、体制としては十分になり、再発防止に万全という触れ込みだった。
しかしその後に同じような不祥事が再発している…
わたしもかつて大きな不祥事を起こした組織にいる。
確かにその後には某自動車メーカーと同じようにコンプライアンスの体制づくりを含め制度化は急ピッチで整備された。
しかしそれでも不祥事はたびたび発生している。
実は組織はコンプライアンスの体制整備だけでも、規程等のルールの整備だけでも、本質的に不祥事組織は不祥事組織ゆえに改善されない部分を内包していることが、不祥事組織の内部で、不祥事組織を対象に研究していると良く見える…
とはいえ、その不祥事組織であっても、内部の情報をわかる形で公開するわけにもいかず、現在はまだまだ研究結果は公表していませんし、そのオリジナルな結果は他でも発表されている気配はないので、オリジナルな結果は、今でも保持されていると思っている。
まあ、数年後に現在の不祥事組織を退職したら、論文化する予定なので、その時に「ああそうか!」とわかってもらえるのではないだろうか?
それまでは、不祥事に事欠かない日本の不祥事事例を集め、論証固めの作業を進めておこうかと思う次第。
その間でも、多くの企業が「不正を正すこと」が「組織に歯向かうこと」と捉えられてることなく、「不正を正すこと」が「組織が健全になる」という当たり前の方向に向かうことを切に願っている。
今年最後だけに、日本で不祥事が2022年に発生しないことを祈るのみ…