見出し画像

心のLTFU 5周年

昨年、ふと思い立ってこういう機会を作ってみたら、意外とよかったので、今年もやってみようと思って、庄原のホテルに来ています。

お伴はサントリーのワインソーダ、15時半にチェックインして、いそいそとタブレットに向かって文章を打っているところ。

5周年という節目

5周年というと、自分的には「節目」感が強いかな? などと想像していたのですが、昨年の方がなんとなく「4年かー」という気持ちは強かったように思います。なんでだろう? と考えたときに理由としてはこれというものはなく、ただ、この一年たったその分、移植時のことを思い出すことは減ったかなぁという気がしています。

新薬?

線維症の有料記事にからんで、もうひとつ思うことがあります。
一応有料記事として上げているのが二つ、そのうち線維症の方はコンスタントに年に2~3人購読していただいていて、役に立っていればよいけれど……と思っていました。でもその一方で、その方の身に何があったのか、私自身の結構つらかった初期の頃を思い出して、いろいろ考えたりする機会もありました。

が、それがここしばらく、止まっているんですよね。まぁあの記事をアップしてからそこそこ時間が経ったこともある(ので、検索などで上がらなくなった)とかということもあるかもしれないし、そうではないのかもしれないのですが、そう思っていた矢先、線維症の新薬が今年の6月に新たに承認されていたことを知りました。

私自身が、新薬に期待して粘ろう、といわれて、ジャカビの恩恵に預かって、それでも結局は移植に踏み切ったわけですが、すでにジャカビがあるけど、その新薬(モメロチニブ/オムジャラ)が承認されたということは、おそらくジャカビより「よい」からだと思うんですよね。

この記事を書くにあたり、調べた範囲ではやっぱり「症状を押さえる」薬でしたけど、今に薬で治る時代がすぐそこまで来ているのかもしれない。きっと今この瞬間も「薬に期待して粘ろう」と言われて粘っている人がいるのだとは思うから、引き続き私もときどき調べてみようかなと。

で、そういう状況だから、移植前提の私の記事の必要性が下がっているのだとしたら、それは嬉しいな……と。

自分にとっての移植とは

ただ、あれから5年の節目として考えてみて「5年後に新薬出るよ」とわかっていたとしたら移植をしなかったか、というと自分的にはどうかな? したんじゃないかな? という気がしています。

だって、本当に体、しんどかった。心もしんどかったけど。病気、仕事のプレッシャー、そんな辺りが重なるように私の上に載っていて、直前まで仕事していたけど、それはたぶん、もう意地になっていた部分みたいなことも 多分あって。
今だから思うだけだと思うんですけど。

その当時、そんなこと想像もしてみなかったけど、振り返ってみると、直前の移植ハイ。もう少しでリセットかけられるから、もうちょっと待ちな!! もうちょっと頑張れ!! っていう心の動きだったのかな、とか思うんです。

自分の心のクセ

この「意地」とか「妙にふんばる」とかって、私の心の特徴かなぁと思っていて。
療養中に、やっぱりいろいろ考えるし、不安になって泣いたこともいっぱいあって、でもいい機会だからとことん考えてみよう、と思ってとにかく泣きたければ泣き、怒ったり、いろいろしてたんですよね。

そんなときに、自分って結構意地とかで踏ん張っちゃうなぁとか。根性ある方なのかな、とか。そういうことに思い至った。
でも、それがあったから移植がいい方に行ったってのは絶対あると思った。のだけど、じゃぁこれからずっと、こんな風に頑張って踏ん張り続けていきたいのか、って言ったらそれはちょっと違うのかも? と思っています。

なんかね、ちょっと頑張り疲れたところがあるかなぁって。
まだその程度なんですけど。でもそれまでの私は「頑張ることが正義」「意地でなんとかするのが正しいこと」「やるって言ったらやる」みたいな価値観だったかなぁ、と。

移植で体も元気になったし、そういう思考のクセみたいなことにも気づけたと思うので(あの経験がなかったら、私はきっと一生頑張り続ける人生を送っていたのではないかなと思うので)もう一回やれと言われたらゴメンだけど、あのときそういう機会が回ってきたというのは、私の人生にとっては、少し「神の采配」的な部分があったのかなぁと今では思っています。

ということで、5周年の所感。来年もきっと何か書きます。乗り越えてここまで来て、こんなことを考えているよ、と綴ることで、なんとなくわかってくることがあるような気がするので。

本日もお読みいただきましてありがとうございます。

ここから先は

0字

線維症の病気の概要や治療の話、病院の話、造血幹細胞移植の話。線維症でなくても、慢性疾患や、情報のない病気の方が読まれてもお役に立てる内容となっています。

骨髄線維症と診断されて早10年、2019年末に造血幹細胞移植を行い、今のところサバイブしています。指定難病にもなっているこの病気ですが、稀…

おひとりさまが増えている現在ですが、病気をして、闘病、ということになるとまだまだ社会は対応できていないことが多いと思います。 血液疾患で造血幹細胞移植を行った私が体験したことを、そんな方の参考になれば、という思いで、まとめることに致しました。

※こちらの記事は、決して「おひとりさま」での移植をおすすめるものではありません。家族の手助けがあるのなら、それに越したことはありません。 …

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。お役に立ちましたら幸いです。 *家飲みを、もっと美味しく簡単に*