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タロットの絵がびみょ〜な件

タロットカード、絵を見たときに「びみょ~」って思ったことはありませんか?

私の手元にあるタロットデッキはほぼ伝統系。
いちばんよく使っているのは、ウェイト版とニコラコンヴェル版(マルセイユ)です。ウェイト版もセンテニアルなど色味を調整したものがありますが、だいたいスタンダードサイズの色もバキバキのいわゆる黄箱を使います。

にしても、直線もまっすぐ書くなり、絵ももうちょっとどうにかならんのか?って思ったことは誰にでもあると思います。

ニコラコンヴェル版の女帝
ウェイト版のカップキング


マルセイユタロットは作者不明ですが、ウェイト版はパメラ・コールマン・スミスという女性が作画しています。

タロットデッキを買うと、パメラのタロット以外の絵が書いてあるカードが数枚入ってたりします。それを見る限りとても洗練されてます。

パメラは当時とても人気の画家でした。でもウェイト版のタロットを見て絵がびみょ~だなと思った方は少なくないと思います。
じゃなきゃ、こんなに派生形でいろんなデッキが出るわけないんです。
もっとかわいくならんかなーとか、もっとかっこよくならんかなーって思うでしょ。トートタロットなんてそんな不満が大爆発して図像がとてもグラフィカルな方向に発展したのではと思います。

私もタロットリーディングを始めたばっかりの時は、かわいいくまちゃんのグミベアタロットや、装飾も華やかなアールヌーボータロットを買ったのですが、使ってるうちに飽きてしまって、結局元サヤになります。

様々なタロットカードたち

これはなんでだろうな?と思ったときに私は「不気味の谷」もあるのかな?と考えました。当時だって綺麗でデッサンも正確な絵を描く技術はありした。なんせマルセイユ版が出たのはルネサンスの時代。なのであえてちょっとツッコミどころを残した図像にしているんじゃないかなと。

ロボットなどの開発では、この不気味の谷に落ちてしまうことを避けて、その手前の1つ目の山のてっぺんレベルを目指して制作することがあるそうです。マツコロイドでお馴染みの石黒浩氏がLAVOTを開発したことについてそんなことをおっしゃっていた記憶があります。

不気味の谷現象(ぶきみのたにげんしょう)とは、美学・芸術・心理学・生態学・ロボット工学その他多くの分野で主張される、美と心と創作に関わる心理現象である。外見的写実に主眼を置いて描写された人間の像(立体像、平面像、電影の像などで、動作も対象とする)を、実際の人間(ヒト)が目にするときに、写実の精度が高まっていく先のかなり高度なある一点において、好感とは逆の違和感・恐怖感・嫌悪感・薄気味悪さ (uncanny) といった負の要素が観察者の感情に強く唐突に現れるというもので、共感度の理論上の放物線が断崖のように急降下する一点を谷に喩えて不気味の谷 (uncanny valley) という。不気味の谷理論とも。元は、ロボットの人間に似せた造形に対する人間の感情的反応に関して提唱された。
Wikipedia


もしタロットカードの絵がゴリゴリの3Dポリゴンみたいな感じだったらみなさんどうですか?あまり好きだという方はいないと思うのです。

私はドリーン・バーチューさんのぎっしりと書き込まれたオラクルカードや、ユニバーサルタロットの表現が苦手で実は一度も買ったことがなくて。なぜかと言うと「やかましさ」を感じてしまうからだったりします。

タロットにはデザイン的な余白(詰めていない部分)を作ることで、それを見る人が想像力で補うという流れを自然と誘導しているのでは?と思いました。(もちろん印刷での可視性重視の点からも色数を減らし、線もシンプルにする必要はあります)

その点、マルセイユ系やウェイト版にはとても思考を生み出す余白があるように思います。それが飽きずに読み続けられ、みなさんが親しみを感じる理由なのかなーって思いました。

今回のヘッダーは私の大好きなアンリ・ルソーの絵です。このびみょ~さがクセになるんですよね…。

みなさんの愛用しているタロットもよかったら教えてくださいね!


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今回はリーディングではないので普通の投稿にしました(^^)

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