中学受験の現実〜経験者が語る「庶民の中学受験」
この記事では、庶民でありながら中学受験した経験を持つ、30代ワーキングマザーが、実体験を元に「中学受験の現実」を語ります。
まず、中学受験についてサクッと説明します。
「私立中学の入学試験を受ける」ことです。
これは、
小4ぐらいからお受験専門塾に通う → 国語・算数・理科・社会などの癖のある問題を解く力を身につける → 小学生の時点でお受験する、
という、特殊な体験です。
子供は遊びを我慢して勉強しなければなりませんし、親は、4年生から6年生の通塾費用(120万円〜)および中学3年間の学費(300万円〜)を負担しなければなりません。
一方、塾には行かず中学受験もしない場合は「公立中学」3年分の学費(100万円〜)が必要です。
両者の差額は320万円〜、庶民には痛い金額です。
庶民なのに、なぜ、中学受験?
そもそも、私は庶民にもかかわらず、なぜ中学受験させてもらえたのか?
これは、
(1)公立中学校はいろんな意味でヤバすぎる
(2)地元の同級生もヤバすぎる
(3)「子供にマトモな教育を受けさせたい」という親の意志
この3点でした。
順番に説明します。
(1)公立中学校はいろんな意味でヤバすぎる
私の出身は関西です。
たこ焼き県を中心に・・・きもの県や和牛県など(笑)、個性ある県が集う地域です。
そんな私の地元ですが、中学校でもいろいろあり、
・生徒がスーパーで万引きし、戦利品を校庭で焼いて、豪華焼肉パーティー
・女子生徒が妊娠し、卒業式に出させるかどうかで職員室が大揉め
・2件に1件の家庭が(以下自粛)、家庭訪問は刑務所
などなど・・・。
だから、地域の公立中学校は、素行の悪い生徒たちを取り締まるのが役割です。
風紀の名の下に、ブラック校則も正当化されています。
パワハラやいじめも山ほどあります。
(2)地元の同級生もヤバすぎる
上のような状況なので、まぁ、そりゃ、同級生がヤバイのも無理はないです。
中学生って、「中二病」という病気(?)がメジャーになるぐらい、色々と問題の多い時期です。
思春期真っ盛り、友達の同調圧力にいちばん弱く、親の言うことはまったく聞かなくなるのが中学生です。
そんな時期に、素行の悪い同級生を見習われたら、親としてはたまりません。
(3)「子供にマトモな教育を受けさせたい」という親の意志
私の家系は教員が多く、一族は教育を重視してきました。
一家の大黒柱が他界しても、奨学金などをやりくりして、必死に教育をつけさせてきた家系です。
そんな一族の末裔である私もまた、当たり前のこととして中学受験に放り込まれたわけです。
私の中学受験の体験はどんなだった?
私は身内に教員が多かったこともあり、普段から家庭でかなり教育してもらっていたと思います。
フルタイムで働いていた母親にかわり、小学生までは祖母が私の教育係でした。
小学校4年生の途中までは「くもん(国語・算数・英語)」に通っていましたが、5年生になるまでに、個人経営のお受験塾に切り替えたと思います。
家庭教育とくもんのおかげで、もともと成績はよかったし、お受験塾でも最初から良い成績でした。
小学校3年生から通っていた子が悔しそうにしていたのを覚えています。
特に得意だったのは国語で、本当に何もしなくても学年トップの成績が取れていたと思います。
その一方で算数は大の苦手で、怖い塾長先生によく怒られていました。
それも、中学受験の算数の解法は独特なので、専門塾で基本を叩き込んでもらった後、徹底した反復練習がカギです。
残る2教科については、基本的に暗記が多く、ザ・文系小学生の私でもなんとかなりました。
社会は、優しい女性の担当の先生が大好きだったので、その先生のために頑張り、これもトップクラスになりました。
理科は、電気やテコの問題に計算があったものの、植物の暗記問題で稼いでいたと思います。
なお、私の通っていた塾は大手塾ではなかったため、お月謝もだいぶ安かったと聞いています・・・その分、塾長先生に気に入られるかどうか、が合否を分けました。
塾長先生は男性で、算数と理科の担当、宿題をやらない生徒には本当に怖い先生でしたが、まじめな私は(?)幸い気に入られて、無事に合格まで引っ張りあげてもらえました。
中学受験のメリット
(1)金銭的に、意外とお得
上で試算したように、パッと見、300万円以上の余分な出費を強いられる中学受験ですが、上手に使い倒せば、公立中学校に進学するよりお得です。
こちらの2ブログはかなり参考になりました↓
この2つのブログから推測できるのは、
・賢い家庭は私立中学を使い倒すことで、塾代を節約している。
ということです。
一般的に、学年が上がれば上がるほど、塾代って上がりますよね?
しかも、学生といえど、年齢が上がるほど記憶力って衰える=教育投資のコスパが悪くなりますよね?(苦笑)
ならば、塾代が安く記憶力もいい幼少期のうちに、子供に投資するのは悪くない戦略です。
「早期に中学受験に投資することで、質の良い基本教育環境を手に入れる」のは、「質の悪い教育環境をカバーするために、コスパの微妙な塾に出費する」より、長い目で見ておトクということですね。
学校によっては、成績優秀なら奨学金制度を使い倒せますし、教育環境自体がそもそも良いわけです。
実際、私は塾は通いませんでした。
勉強がわからなければ賢い友達に聞けばいいし、それでもわからなければ皆で職員室に聞きに行っていました。
あえていえば、英語だけは自分よりできる友達がいなかったので、くもんに通いましたが、それでも大手塾に比べれば、かなり節約になっていたと思います。
(2)成功者と知り合いになれる
これは学校によって差が大きいところですが、やはり、有名私立中学には有名企業社員・社長・芸能人の子供が多く在籍しています。
私の場合ですと・・・たこやき県の学校でしたが、
・ホテル王(女社長)の息子
・有名製薬会社の社長の娘
・超有名お笑い芸人の娘
などが在籍していました。
当時私自身は興味がありませんでしたが、ホテル王の女社長と父母会で話したウチの親は、大変面白い話が聞けたといって喜んでいました。
(3)中学受験で学んだことは一生役立つ
これは意外かもしれませんが、中学受験で学んだことは一生役立ちます。
就職試験で活用される「SPI試験」ですが、あの中身のほとんどは中学受験の国語・算数の内容です。
私の体感ですが、中学受験のために学んだ内容って、大学受験のために学んだ内容より、今もはるかに覚えているんですよ。
数学が苦手な私は、あの中学受験の経験がなければ、就職試験を乗り切るのは難しかったと思います。
「三つ子の魂百まで」じゃないですが、頭が柔らかい幼少期に学んだ内容って、大きくなっても忘れにくいと私は考えています。
(4)中学受験は、小学校受験より平等
中学受験は、ほとんどの場合、実力勝負です。
一方、小学校受験は、親の職業などで合否が左右されるといいます。
聞いたところ、なかには面談(家柄の査定とか?)がある中学校もあるそうですが、私の経験上、小学校受験に比べたら格段にその割合は少ないと言えるでしょう。
実際、私の母校の私立中学は面接試験はなく、国語・算数・理科・社会の試験の一発勝負で合否が決まり、親の職業による差別は感じませんでした。
でも・・・中学受験には闇もある
中学受験のメリットをここまで書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。
(1)家庭の負担
ほとんどの家庭にとっては、塾通いのサポートが大きな負担になるでしょう。
金銭的・時間的・労力的なサポートです。
金銭面はすでに説明しましたが、時間面・労力面でのサポートもばかになりません。
塾で習ってきたことを補足(あるいは先取り)して家庭で教えてくれる人の有無は大きな差になります。
あるいは、塾で食べる用のお弁当を用意したり、送り迎えしたりする負担も相当なものだと思います。
私の場合は、小さい頃から一族総がかりで先取り学習していました。
私自身が勉強好きだったこともあり、結果的に親の手による補足学習は必要ありませんでした。
お弁当と送り迎えは両方、祖母がやってくれていた記憶があります。
(2)親の経済力によるスクールカースト
どこの学校もそうだと思いますが、学校にはスクールカーストがあります。
サルと一緒で、強いものが威張り、弱いものがいじめられるんです。
私の学校の場合、スクールカーストで上位にいけるかどうかは、親の経済力や職業とそれなりに相関関係があったと思います。
例えば、女子の場合、ブランドショップのビニールバッグを持っているかどうかが「イケてる」証明書で、「イケてない」子はいじめられました。
リアル・花より男子です。
ちなみに、私のグループは、学年の中でも最下層で、友達全員がいじめられっ子でした。
ときには、上位のグループを追い落とされて入ってくる子も・・・。
ADHDなど「空気を読めない子供」や少数派もいじめの対象でした。
校則は厳しく生徒間の同調圧力も強く、校風としては、かなり公立中学に近かったかもしれません。
そんな母校は「一般の公立中学校よりマシ」なのが唯一のメリットで、正直良い思い出はありません。
部活も弱く、英語教育も弱く、先進教育にも理解がありませんでした。
横暴な理事の圧力により、楽しみにしていた部活(吹奏楽部)の行事がつぶされたこともあります。
親になった今、数ある学校の中、自分の子供をあえてそこに入れたいとは到底思えません。
(3)あくまで「マシ」なだけでパーフェクトを求めてはいけない〜合わない場合は退学しよう〜
あくまで中学受験および私立中学校は「選択肢」の一つです。
(2)でも書きましたが、良かれとおもって入学した学校が、我が子に合わない場合も多々あります。私のように。
合わない場合はスパッと退学するのも選択肢です。
今は、不登校という選択肢も徐々に認められつつあります。
中でも、最近では、「キメラゴン」という不登校中学生(2019年当時)が脚光を浴びています。
キメラゴン君は今は通信制高校「N高」に進学し、最新のIT技術などを好きな時に好きなだけ学んでいます。
会社でも国でも、古いものは時代遅れになり、時代の変化についていけなくなるものです。
日本の大多数の教育方法が時代遅れとなる中、既存の学校ではない、新興勢力の教育機関を利用するのもよい方法だと思います。
通信制には金銭的なメリットもありますし、お子さんに合うのなら利用しない手はありません。
あるいは、日本そのものが合わないと感じているお子さんは、留学もよい選択肢になるでしょう。
費用の点で厳しい場合は、たとえ1ヶ月でも、お子さんの一生を変えるかもしれないのですから試さない手はないと思います。
最後に
中学校受験の現実について、プラスとマイナスの両面から書いてきましたがいかがだったでしょうか。
私は、これからも教育の話題について発信していきます。
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