コロナ禍で預貯金が不利な理由
コロナ対策で金融緩和が行われると、日本円の価値が下がるので預貯金は不利だと言われています。投資に詳しくない人には何言ってるのかわからないと思いますが、これをできるだけわかりやすく解説してみます。
1、コロナ対策と金融緩和
いま日本政府はお金が必要です。国民に一律10万円ずつ支給し、休業した中小企業に補助金を払い、時短要請に応じた飲食店には協力金を払いました。GoToキャンペーンでも1兆円以上のお金を使いました。この予算を捻り出すために金融緩和が行われています。
金融緩和とは簡単に言えば、日本円をじゃんじゃん増やして、政府がたくさんお金を使えるようにしようぜ、という事です。
2、金融緩和と物の値段
金融緩和によって日本国内に存在する日本円の量がどんどん増えると、インフレーションが起こります。インフレーションは簡単に言うと、缶ジュースが段々値上がりしていくあれです。同じ缶ジュースを1本買うのに、昔は100円で買えていましたが、今は130円出さないと買えません。同じようにキャベツは1玉120円から198円になり、国産牛肉が100g200円から250円になったりします。こうなると、今までと同じものを飲み食いしていても必要なお金の額が大きくなり、今まで月3万円だった食費が3.3万円になったり、月2万円だった服の買い替えに2.2万円必要になったりします。
3、インフレーションと預貯金
例えば今500万円の貯金があったとします。月の生活費10万円で生活していれば、50か月=4年2か月分の生活費が蓄えられていると言えます。しかしインフレーションによって同じ生活をするのに11万円必要になれば、500万円は500÷11=45.454545…となり45か月分の生活費にしかなりません。これがもっと長いスパンではさらに影響が大きくなり、例えば昭和20年に10万円で買っていたものは2021年現在では大体2000万出さないと買えなくなっているそうです。
4、インフレーション対策
現金をたくさん持っている人はインフレーションに備えて、貴金属、美術品、株や債権のように現金ではないけど価値があるものと現金を交換しています。1000万円で買った絵画はインフレーションが起こったら1100万円で売ることができます。もっとインフレーションが進んだらもっと高く売ることができます。今はコロナ対策のために強力な金融緩和が行われていて、今まで以上にインフレーションが進みやすい状況で、インフレーション対策もより大規模に行われているでしょう。企業の倒産が続いているのに日経平均株価が上がったりしているのもこの影響があると考えられます。
5、自分たちはどうするべきか
コロナの脅威が本格化して以降、証券会社の口座開設数が急増しているようですが、投資を学ぶというのは一つの対策です。この記事は預貯金が不利だという事を伝える記事なのでそれ以上は触れませんが、預貯金しかしていない方は別の方法を探し始めてもよいのではないでしょうか。