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【インタビュー#12】雪の⻘森空港で⾶⾏機の安全を守る仕事┃ランプハンドリング(エスエーエス)

FDAプロフェッショナルズとは?

FDAの安全で快適な運航は、多くのスタッフの力が結集して遂行されている。地上から空の上まで、自らの役割を誇りをもって全うしている彼らが、
何を大切に思い、どのようにFDAらしさを体現しているのかを探るインタビュー企画『FDAプロフェッショナルズ』の第12弾(2022/7/1時点)。

今回は、豪雪で知られる青森空港で、飛⾏機に積もった雪や氷を取り除く「デアイシング」と凍結防止剤を散布する「アンチアイシング」の両作業を⾏うチームに密着した。


「豪雪地帯の青森空港ではデアイシング作業は欠かせません。チーム一丸となって、航空機の安全運航を支えています」

青森発着路線は、青森―名古屋(小牧)間は3往復、青森―神戸間は1往復運航している。このうち、12月上旬から3月末まで降雪時には、離陸する4便に対して、機体に付着した雪氷を取り除くデアイシング作業と、凍結防止用の薬剤を散布するアンチアイシング作業が行われる。

現場では、この両作業を合わせてデアイシング作業と呼んでいるが、八甲田山系の山腹、標高198メートルの高所にある極寒の空港で行われる作業は、相当な体力が必要だ。青森空港でFDA機のデアイシング作業を行える有資格者は9名。そのうちのひとりが鳴瀬義峻さんである。

主翼の付け根に雪が積もっていることもあり、機体に最接近して作業する。到着後、次の出発まで30分しかなく、10分程度で 終えなければならないが、仕事はいつも完ぺきだ。

ランプハンドリングスタッフとして、航空機の安全運航を守る

鳴瀬さんの職種は、ランプハンドリング業務だ。23歳のときに『エスエーエス』に入社し、5度目の冬を迎える。

「以前は栃木県で自動車整備の仕事をしていましたが、実家が青森にあり、Uターンすることになったので、転職しました。ランプスタッフの通常業務は、手荷物や貨物の積み降ろしや運搬、航空機のプッシュバック(牽引)などですが、冬期はデアイシング作業も行います」

航空機は、エンジンによる推進力と、翼に働く揚力で飛行する。しかし、雪氷が翼や胴体、エンジンなどに付着すると機体周囲の空気の流れが乱れたり、舵がきかなくなることもあり失速や操縦不能の原因となってしまう。除雪・除氷・着氷防止は安全運航のために欠かせないのである。

この日、デアイシング作業を担当したエス エーエスのスタッフたち。駐機場で目立つようにオレンジ色の防寒用作業着で仕事 に就く。左端が鳴瀬さん。

「デアイシング作業は、豪雪地帯の青森空港では、冬期期間のほぼ毎日すべての便に必要で、お客さまが搭乗する前後に機長よりOKサインをもらってから作業を開始します。作業は2人1組で行い、ひとりはデアイシングカーの運転席、もうひとりは外で作業をします。大型の水鉄砲のような形をした高圧洗浄機のレバーを握って雪氷を吹き飛ばしたり、凍結防止剤を散布したりしますが、体がのけ反ってしまうくらいの水圧です。最初のうちは、寒くてつらかったですね」

主翼の付け根付近に吹きだまりができ、5センチも雪が積もることもある。これを高濃度のグリコールと水を混ぜ加温した防除雪氷液を使って雪を溶かしながら吹き飛ばす。雪と冷気のなかでの作業。だが、鳴瀬さんをはじめ、ランプスタッフの屈強な面々は黙々と作業をする。

極寒のなかで、機体に付着した雪を払い落とす

FDAが使っているデアイシングカーのベースはトラックで、薬剤や湯を積んだタンクと作業台が設置されている。作業台といっても、それはトラックの外側上部に据え付けられている数メートルのアームの先端部にあるカゴ状のゴンドラで、鳴瀬さんはその上に立った。

手には高圧洗浄機。顔には、耳掛け型トランシーバーをかけている。口元のマイクに向かい車中で操作をする担当者に合図を送り、間もなくすると、洗浄機の先端から勢いよく溶剤が飛び出してきた。

作業は機体の左側から尾翼へと回り込み、右側へと続く。それが終わると、今度は凍結防止剤の散布が始まり、かかった時間は約10分。次の便が出発するまでは30分しかないため、素早く作業を終えなければならない。

鳴瀬さんは高圧洗浄機から噴射される溶 剤の先から目をそらさず、
機体に降り積も った雪を落としていく。

「雪が多く積もっているときの作業はさらに時間がかかります。手がかじかんでつらいですが、機上にある雪を落としきるまでやり通します。デアイシング作業は、航空機の安全にかかわる重要な作業なので、確実にやりきることが大切だと思っています」

天気図、気温、降水確率のチェックは欠かさないという。

「冬の青森空港は、『ホワイトインパルス』と呼ばれている除雪部隊の活躍が評判になるほど豪雪に見舞われます。デアイシング作業をすることによって機体から雪が落ちていく様子を見ながら仕事をするのは爽快です。自分の愛車をキレイにするのと同じ気分ですね」

作業を終えて出発準備が整うと、鳴瀬さんはほかのスタッフとともに、駐機場を離れて滑走路へと移動する出発便に向かい大きく手を振り、深々と頭を下げた。

出発便がエプロン(駐機場)のスポットを離れるときは、航空機牽引車が機体を引っ張る。
これもランプハンドリングの役目で、資格が必要だ。鳴瀬さんも日常的に⾏っている。

「この仕事に誇りを感じています」

降りしきる雪で赤くなった顔に笑顔を浮かべながら、鳴瀬さんはこう語った。FDA機の安全運航は、寒さをものともせず機体を雪と氷から守るプロ精神に支えられている。

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FDAは「地方と地方、人と人を結ぶ」をコンセプトにしているリージョナルエアラインです。従来の大型機主体・拠点空港中心(ハブ&スポーク方式)とした形態とは異なり、新たなビジネスモデルに挑戦をしている航空会社になります。

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