子供みたいな恋人の話。
でもそんな恋人に結局救われている自分の話。
な~んかどんよりした話しちゃったから
気まずそうに帰ってくるのかな、と思ってた。
私も勢いに任せて言いたいこと言っちゃったし
調子悪かったタミオ君に優しくできなくて
なんかちょっと申し訳なかったな、って
自分が先に気持ちを切り替えなきゃ と思って、頭冷やす代わりにご飯も作らずにお風呂で先に体を温めてたら
元気よく『ただいま!』って帰ってきて拍子抜けした。
拍子抜けはしたものの、そのまま険悪になったり話ができなくなったら私も気まずいし、安心もした。
そしてタミオ君は忠実に私の訴えを受け入れて
何でもかんでも感謝してくれるようになった。
お弁当も『美味しかった!ありがとう』とニコニコ笑って
いつもみたいに玄関に置きっぱなしにせずに お風呂に入る前にシンクに出した。
タミオ君がそういう人で良かったし、私はたぶんこういう人じゃないとダメだな と改めて思った。
もしかすると時間経過でまた繰り返すかもしれないけど、その都度諦めずに伝えよう。言わなきゃわからないのは手間かもしれないけど、言えばちゃんとわかってくれる人だった。
こうやって、自分の気持ちを伝えたり
関係性を続けていくための努力ってのを
今まで付き合ってきた人にはしてこなかったな、と思う。
だからこそ、一度揉めたらそこで終わり。
分かり合おうと、お互いにしなかったし 私も修復や継続の努力をしなかった。そもそも今までの恋愛は母親から猛烈な反対を食らう率が高かったこともあり、努力すること自体も面倒だった。
タミオ君なりに、共同生活を平和に続けるために
お互いが感謝の気持ちを忘れずに居続けることの大切さを、ちゃんと理解して実行に移そうとしてくれているのが私はとても嬉しいし
その嬉しい気持ちを私も正直に伝えるようにしている。
とても苦しい一週間だったけど、この経験が挟まって良かった。絆が深まったような気が している。
*****
昨日は突然タミオ君が休みを獲得したため
朝は一緒にゆっくり起きた。
我々は根本的に早起きすぎるので、ゆっくりといっても7時。
時間に追われず一緒にゆっくり起きられる朝ほど幸せな日常はない。
朝からタミオ君は、先日IKEAで買ってきた家具を組み立てて、私は台所を片付けながらドーナツを焼いたりして、おやつに一緒に食べる。
お昼はインスタントラーメンと
急遽の休みによりお弁当が不要となってしまったおかげで、たくさん炊いてしまったご飯をチャーハンにした。
午後からは少しゴロゴロしながらなかなか起き上がれず、どうにかその日のうちに組み立て終えたかったIKEAの引き出しも途中のまま。
行こうと思っていた百均も、切ろうと思っていたタミオ君の髪の毛も、スイッチが切れてしまったタミオ君とは執行できず
『帰ってきてまだ寝てたら家出するよ』と約束して、母と買い物に出た。
私も食器棚の代わりに手に入れたニトリのNポール(突っ張り式の棚)を組み立てたので、台所を整理するための箱と タミオ君に頼まれたマスクを買いに
母との買い物は、二人ともが効率重視でせっかちなので短時間で3軒もの百均をハシゴして 夕食の買い物も済ませて家に帰った。
タミオ君はちゃんと起きていて、引き出しの組み立てもラストスパートだった。
私が百均で調達した箱で台所を整理している間、母がタミオ君を手伝って無事に2つ目の引き出しが完成した。まだまだ荷物は整理できていないし、何といっても棚は3つある。まだ組み立てていない棚が一つある。
棚を部屋に入れるために部屋から出した荷物が寝室も占拠し、些か居たたまれない気持ではあるものの 組み立てが一つ終わったことによりリビングが広くなって万歳だった。
広くはなっていない。
狭くなっていたリビングが元に戻っただけだ。
しかしながら進展を見せなかった組み立てが一つ完了したことと、美容師でもない私に髪を切ってもらいたいと言う癖毛のタミオ君が、すんなり元美容師の母からの誘いを受け入れて一緒に我が実家に帰った。
過去に一度タミオ君は母に髪の毛を切られたことがある。私が同席して横から常時口を出すという作戦で ええ感じになった。
それでも『御子ちゃんに切ってもらいたい』と今回は何度も言うので、どうにもならんかったら母に直してもらう前提で約束していたものの、どうにもならんくなるに決まっていたので、最初から母に頼もうと説得を続けていた。
私が親孝行の一環で母に髪の毛を切ってもらったり、パーマをかけてもらったりしているのと同じで
タミオ君をその手の依頼で実家に連れていくことを母が喜んでくれるのはわかっていた。案の定すんなり付いていったタミオ君の髪の毛を楽しそうに切り、後ほどお礼の連絡を入れたところ『切らせてくれてありがとう』と母のほうが喜んでいた。
こんなWin-Winな話が他にあるのか。
タミオ君はサッパリ短髪になり
私は失敗前提の挑戦を放棄できてしまい
母は保持しているテクニックを発揮して楽しいひと時を過ごし
私も素直にお礼を述べることにより親孝行に繋がる。
なんだかんだで疲れ果ててしまったタミオ君は
たまには一緒に入ろうと言っていたお風呂にも入らず例の如くコタツで力尽きる。
自分で炊くと言っていたご飯も結局私が炊いたし
タミオ君が追いかけてきてくれた時には既にあったまりすぎて逆上せる寸前だった私は交代でお風呂を出る。
それでも、これまでしばらく抱えていたようなストレスは感じなくて、日常的なやり取りから感じる愛情や感謝の気持ちがちゃんと伝わっているかどうかというのは実に大切な土台なんだと 気付いた一日だった。
何よりそのことを、ちゃんとタミオ君もわかってくれたこと
私の訴えを面倒くさがらずに受け止めて努力しようとしていることが、とてもありがたいし嬉しい。
めっきり減った気がしてた、物理的な触れ合いも
心が近づけば必然的に増えるし、伝わってくるものもある。
今のところ
タミオ君から私に要望はないみたいだけど
もし彼の訴えを聞く機会がある時には
私も精一杯受け止めて、二人にとって良い方法を考えながらできる限り努力できることはしたいと思う。
こうやって他人と関係性を築いて行くんだな。
交際経験はあっても、私も家族以外と正式に暮らしたことはないから、今更ながら勉強することだらけ。
自分も学んだり困ったり悩んだり頑張ったりしながら
タミオ君というパートナーをこれからも育成しながら大事にしようと心に決めた、2月も終盤のお話でした。