見出し画像

完全版|[3-2-2-3]ビルドアップの実践・1年間の軌跡【サッカー現場の話】|FBaseマガジン#91

↑約一年前に書いた上記の記事。まだ読んでない人はこちらから読んでいただけるとよりスッと今回の話が入ると思います。記事はただいま期間限定無料公開中なので是非目を通して下さい!


この記事を書き上げてから約9ヶ月間をかけて、更に自チームで[3-2-2-3]ビルドアップのブラッシュアップを行いました。その軌跡を自分自身の振り返りも兼ねて書いてみました!

時間をかけて前回から新たに実装させたこと、意識したこと、気付いたことを今回はお話し出来たらなと思います!

前回のあらすじ

新しいチーム編成で[3-2-2-3]システムへのビルドアップを試みたサッカー現場の体験を共有しました。チームメンバーの変更によるチーム力の低下を経験した中、新たな挑戦として[3-2-2-3]システムの実践に着手し、選手の特性に合わせた可変戦術を採用しました。このシステムがどのように機能したか、また機能しなかったかについての具体的な例と自己フィードバック語りました。

そこから約9ヶ月間の時間をかけて。どのように[3-2-2-3]ビルドアップをブラッシュアップし、自チームがどのように進化していったのかご覧下さい!


▪️ボールを奪った際どうやってシステム可変する時間を作るのか?

まず取り組んだのが、ボールを奪った後の振る舞いの確認です。
[3-2-2-3]の配置を取ることで、配置の優位性を取れる。相手の出方を把握しながらボールを保持できるようになる。ことは選手たちに少しづつ体験してもらったのが前回の話です。

しかし、その[3-2-2-3]配置を整えるには時間が必要。自チームのベース配置は[4-3-3]設定なのでそこから[3-2-2-3]配置に可変するには時間が必要です。

一方のSBが最終ラインに絞ってDFラインを3バックに。もう一方のSBは中に入りCHの役割を担う場合には、ポジション移動の時間が必要になってきます。

ゴールキックからのスタートでは[3-2-2-3]システムを整える時間はありますね。またスローインやセットプレーも配置を整える時間に充てることが出来ます。

問題はインプレー中にどうやってその時間を作るのか。ボールを奪った瞬間からどうやって時間を作り出すのか。

[3-2-2-3]の配置の状態でボールを奪いにいけば、奪ってそのまま[3-2-2-3]システムでボール保持のフェーズへ移行できます。しかし、自チームはボール非保持の際のシステムベースは[4-4-2]を採用していました。

自チームの選手たちがこの配置が一番守備強度を上げられる。中央を固くしながらブロックを形成できる。という意見も聞きながらこの配置を採用しました。

従ってボールを奪った際、どのように[4-4-2]から[3-2-2-3]の陣形を整える時間を作るか?という問題があるよねという問いかけを選手にこの時期(シーズン序盤)はよく投げかけました。

▪️ボールを奪う概念を変える。

そこで頻繁に発したキーワードが「ボールを奪う概念を変えよう!」です。この時期の選手たちの多くはボールを奪うけどすぐに相手にボールを奪われる。そんな状態でした。

「一度奪ったボールをすぐに即時奪還されてしまえば、それはボールを奪ってないことと一緒だよね!」と何度も口にしました。

それではボールを奪うとは何でしょうか?

「それはボールを奪って局面を変えて初めてボールを奪うということだよね!ボール非保持の状況からカウンター局面に移行する。プレス局面からボールを保持する局面へ移行する。そうやって局面を変えるまで到達して初めてボールを奪う!になるよ!」と何回も何回も擦り合わせて、少しづつボールを奪う概念を変えていきました。

ボールを奪う概念を変えるために頻繁に行ったトレーニングが[3vs3vs3]のボール回しです。

ここから先は

7,358字 / 22画像
この記事のみ ¥ 800

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?