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【考察】ペップはなぜそんなにSBを絞らせるのか、その先を考えてみた。
ペップはなぜそんなにSBを絞らせるのか?
そこには戦術的な狙いはもちろんあるが、目先の結果だけでなくその先の大きな野望実現の為のチャレンジが隠されているのではないか。
プレミアリーグ3連覇、そして悲願のチャンピオンズリーグ制覇に向けたペップのチャレンジが隠されているのではないかと思っている。
ペップがなぜそんなにSBを絞らせるのか?その先に見据える何か、を考察してみた。
その結果見えたのは、『ペップは戦術を利用して選手を上手くさせているのでは?』という考察に行き着いた。
▪️SBを絞らせる戦術的な狙いとは?
SBをビルドアップ時に絞らせる狙いをまずは簡単に戦術的な観点からまとめてみた。
⑴中央に数的優位を作る
→SBの選手が中央に入る事で中盤に数的優位が作れる。中盤に数的優位を作ってプレスのズレを生じさせて前進を狙う。
⑵相手のプレスを混乱させる
→SBが中盤に絞る事で相手のプレスを混乱させていく。SBが中へ絞る戦術を試みた当時は、従来のSBが中央に入ってボールに関わることは本当に珍しく相手チームは本当に混乱したはず。絞るSBには誰が?どこまで?マークに着くの?という具合に相手に混乱をもたらし、プレスの遅れ、ズレを作る狙いをもつ。
⑶相手を中央に集める
→SBが中央に絞る事で相手のサイドのマーカーを中へ誘導する。それによりCBから大外の幅をとるWGへのパスコースが生まれる。また中央のIHがサイドに流れる事でそのSBが開けたエリアでパスを受ける事も可能に。
⑷WGのサポートを増やす為
→SBが中盤に入る事で、幅をとるWGにボールが入った時のサポーターになる。IHと合わせてSB、WGで敵陣深くでトライアングルを形成して厚みを持った攻撃ができるようになる。
⑸トランジションプレスの厚みをつくる
→SBが最終ラインより一列前に入る事で、前線にあるボールへ関わる距離が短くコンパクトになる。それによりボールを奪われた際にトランジションプレスをかけられる、届くポジションに立てる効果も。より即時奪還の強度を増す効果に。カウンター局面のリスク管理の一面もある。
▪️ペップシティと偽SBの歴史
次にペップがマンチェスター・シティの監督に就任してから偽SBとどんな歴史を歩んできたのか簡単に振り返っていこうと思う。
ペップと偽SBの歴史は非常に深い。バルセロナ時代は左SBのアビダルをやや内側に絞らせて、右SBのアウベスを右のWGに押し出し、バイエルン時代にはアラバやラームといったSBの選手に、ビルドアップ時にポジションを絞らせて中央でボールに関わるプレーを求めていた印象だ。
前置きはこの辺に、ペップシティと偽SBの歴史を見ていこう。
▷就任1年目(16/17シーズン)
左SBクリシー右SBサニャに偽SBの役割を求めた。
▷就任2年目(17/18シーズン)
本職MFであるデルフが左SBとして起用され、偽SBの役割で大ブレイク。リーグ勝点100でペップのプレミアリーグ初制覇に大きく貢献。
▷就任3年目(18/19シーズン)
左SBにはメンディやラポルトが起用されることもあり、やや偽SBは影をひそめた印象。
▷就任4年目(19/20シーズン)
ジンチェンコが左SBに入り偽SBの役割を担うことが多くなった。その後もジンチェンコは偽SBとしてペップシティのビルドアップを長らく支えた。
▷就任5年目(20/21シーズン)
やってきましたカンセロロール。このシーズン世界を圧巻したカンセロロール。偽SBの概念をさらに進化させたとも言われることもあった。
▷就任6年目(21/22シーズン)
ダブル偽SB。
▷就任7年目(22/23シーズン)
今季開幕戦。再びダブル偽SBの再来だ!と世界のサッカーファンを驚愕させた。しかし、前のシーズンとは少し違う偽SBの雰囲気が漂ってきた。偽SBの仕事を担われている選手がカイル・ウォーカーやストーンズ。彼らのキャラクターを考えると戦術的な意味合いだけじゃないそんな匂いがしないだろうか?
▪️戦術的な狙いだけだと私は思っていた。
一番初めにSBを絞らせる戦術的な狙いを説明した。正直私もSBを絞らせる意味や狙いは説明した戦術的な狙いだけだと思っていた。
しかし、その考えは今季のペップシティの戦いぶりで覆された。なぜそう感じたのか?それがペップシティと偽SBの歴史に隠されている。
単発の試合ではなく1シーズンで。そして1シーズンではなく数シーズンでチームを見るとまた違う見方ができるのも1つのチームを見る楽しみのひとつ。
ペップシティを数シーズン見ている私の中でのターニングポイントになった試合が昨季のチェルシー戦だった。
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