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ハイプレッシャーは選手.チームを育てる。-football base マガジン 第4弾-

先日行われた世界最高峰の戦いを皆さんは観戦しただろうか?チャンピオンズリーグ バイエルン×バルセロナのメガクラブのぶつかり合い。

お互いしっかりボール支配できて、非常に攻撃的なチーム。しかしこの一戦で一番目を見張ったのは、ボールを持っていない局面での両チームの振る舞いだった。

どんな振る舞いを見せたのか?

「ハイプレッシャー」のぶつかりあいだった。

ハイラインで明確に人を捕まえビルドアップに襲い掛かった両チーム。世界でもボールを扱える選手が揃う両チームがハイプレッシャーによって、自陣でボールをロストしてピンチを招いた。

ボールを持っていないチームにチャンスが訪れる展開に。ハイライン. ハイプレッシャーは本当にリスキーなのか?ハイプレスって実はそんなにリスクはないのでは?と思わされる時間も。

しかしそれは幻想だ。
ハイライン.ハイプレッシャーはやっぱり凄く凄くリスキーだ。

マンツーマンで明確に人を捕まえる。しかもハイライン。1vs1で負けてしまえばカバーはおらずに、数的優位を作られる。ハイラインの背後には広大なスペースがあり、一気にゴールへ向かわれてしまう。やっぱりハイライン.ハイプレッシャーはリスキー。


だからこそこんなリスクを感じさせなかったバイエルンとバルセロナいかに凄かったか。そしてこのnoteを読んだらより一層この2チームの凄みに触れられるはずだ。


『ハイプレッシャーは選手.チームを育てる。』

それでは今回の本題に入ろう。
バイエルンとバルセロナが見せたハイプレッシャー。そこから彼らがなぜ、リスクよりも多くのチャンスを手に入れることが出来たのか考えてみた。

そしてこれは選手力を向上させ、チーム力を向上させるヒントになるのでは?という考えに行き着いた。よって今回のタイトルを『ハイプレッシャーは選手.チームを育てる。』に。

ハイプレッシャー。それは非常にリスクを伴う攻撃的なプレッシング。リスクを上回るリターンを手に入れるには多くのスキルが求められる非常に難しい戦術だ。だからこそカバーをする選手を最終ラインに作ったり、ラインを下げて自陣でブロックを作りたい気持ちも大いに理解できる。それも一つの戦術。

しかしリスクを覚悟で、このハイプレッシャーにトライし続けた時、選手が育ちチームが育つそんな可能性を秘めていると私は思っている。

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▪️心・技・体・連・集

まずはハイプレッシャーを成立させる上で必要な要素を考えてみた。

心・技・体・連・集

この五つの要素どれかではなく、全てが揃わないと成立しない。それほどハイプレッシャーという戦術は難しい。求めるものがとても多いがだからこそ、選手が育つ.チームが育つ可能性を秘めている。

◇心

前に出るぞという決意。どこまでも相手を離さないという決意。

一瞬のためらいがマーカーを外す隙に。背後を突かれる恐怖。自分のマーカー以外の敵選手が気になることもあるはず。しかし仲間を信じて、自分の与えられたマーカ

◇技(・判断)

ハイプレッシャーに技術なんて必要なのか?と思ったあなた、それは大きな誤りだ。

長いボールへの競り合いの技術。
ヘディングの技術。
浮き玉の処理。セカンドボール回収。

そして↑こういった要素はサッカーの勝敗を決めかねない本当に大切な技術、判断が求められるプレーだと私は強く思っている。そして非常に対応が難しいプレーだ。

競り合い負けてセカンドボールを回収されて前向きで仕掛けられる.浮き玉の処理誤って相手にボールを回収されて前向きに仕掛けられる→一気に大ピンチ!

浮き玉の処理って難しいでしょ?しかも後ろ向きで自分のゴールへ向かって走りながらスルーパスの対応。自陣に戻ってセカンドボールを回収→ボールに先に触っても自分は後ろ向き→相手の前向きのプレス襲い掛かる。

↑ほら、すごく難しいでしょう?そして処理を誤ると一気にミスに繋がるでしょ?だからこそ攻撃時は背後をみんな狙う。ゴールへ向かう直線的なプレーでもあり、相手が処理するのが難しいから背後への長いボールは多くのチームが狙う。ハイプレッシャーを仕掛ければ長いボールを狙われるスペースがより広大。

だからこそ浮き玉の処理.セカンドボール回収の技術と回収後の判断。ヘディング技術と言った技術が大切になるのだ。そして技術だけでなくもちろんフィジカルも大切だ。

◇体(フィジカル)

ハイプレッシャーを仕掛ければ広大なスペースが自分の背中にはある。相手がそのエリアを狙って長いボールも蹴ってくる。それを踏まえると速さ、強さ、高さが当然求められるだろう。またあらゆる局面は1vs1。そこで1人でも剥がされてしまうとカバーはおらず一気に数的不利を作られてピンチを招いてしまうだろう。

広大なスペースに戻れる走力
1vs1を負けないフィジカル.アジリティ
長いボールを跳ね返す高さ

◇連

連とは連携。コミュニケーション。
1人でもマークを外さないような声かけ。相手もマンマークでマークについてくればポジションを入れ替えてくることも。その時のマークの受け渡しはするのか?そのままついていくのかという声かけ。時には誰かが1vs1で負けてそれをカバーする為に、自分のマークを外さなければいけない状況になった時の連動性。

これはハイプレスに限らずサッカーというスポーツに置いて非常に大切な要素。しかしハイプレスを仕掛けるときはいつも以上にこの要素が求められる。

◇集

最後は集中力の集だ。
一瞬の気の緩みやためらいが自分のマークを外す要因に。ハイラインでハイプレッシャーを推奨するチームでそんな選手が1人でもいると致命傷になるのはここまでの話を聞いた皆さんだったら分かるはず。

集中力を切らす暇などない。常に敏感に、集中し、仲間を信じて前に出る決断を求められるのがハイプレッシャーを実行する上で大切な要素だ。

▪️より感じるプロの凄み

高い技術も求められる。高いフィジカル能力も。その上コミュニケーションをとり続け、90分間集中力を保ち常にアンテナをビンビンにしなければハイプレッシャーは実現しないことが少しは理解していただいたはずだ。

体はもちろん頭や喉の消費量も凄まじい。

より一層バイエルンとバルセロナというチームの凄みに気付けたはずだ。

バイエルンもバルセロナも先程述べたハイプレッシャーを実現する上で必要な五つの要素を一つ残らず全て遂行していたはず。お互いハイプレッシャーを仕掛けて、ひっくり返されてピンチを招いたときはどれかの要素が欠如していたという事になるだろう。

そしてこんな状況下の中でボールを持てばまた違うハイレベルな仕事が求められ、なおかつ結果も出すのだから本当にこのレベルの選手たちは凄い。凄いという一言で片付けてはいけないほど本当に凄い人たちの集まりなのだ。

▪️だからこそ選手もチームも育つヒントに

ハイレベルな選手が揃い、チームの連携も熟練されたバイエルン.バルセロナの様なチームだからこそハイプレッシャーという戦術がが成立した。とも言えるはずだ。

それではそんなハイレベルな選手が揃っていなければ、ハイプレッシャーという戦術は実行しない方がいいのか?

少し深呼吸しましょうか。

今回のテーマをもう一度思い出してほしい。記事の1番上まで遡ってテーマを見返して欲しい。
テーマは、

『ハイプレッシャーは選手.チームを育てる。』

でしたね。ハイプレッシャーを成立させるには確かに多くの要素が必要という事は何度も述べてきたが、その要素が足りないからハイプレッシャーはやらない!ではなく、足りなくてもハイプレッシャーをしたら選手、チームは大きく育つ!という話をするのが本noteの大軸だ。

なぜハイプレッシャーで選手、チームは育つのか?

それはハイプレッシャーを成立させるには多くの要素が必要。多くを求めるからこそ育つ!が大まかな理由だ。

それではもう少し解像度を上げて『ハイプレッシャーは選手.チームを育てる。』という話をしていこう。

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▪️ハイプレスが赤ペン先生に

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